集団行動が苦手な子どもでも大丈夫?元保育士が入園前に伝えたいこと
と相談を受けたら、「慣らし保育やプレに通って集団になれましょう」とアドバイスしていたと思います。でも息子の育児で知ったのは、それだけが正解ではないということ。
単に大勢の場に慣れていないだけであれば、慣らし保育が助けになると思います。
しかし「マイペース」な子ども…言い換えれば、「意志が強く、集中力が高い」子どもには集団活動が大きな負担になることもあるので、ある程度成長するまで無理に参加しないこともひとつの方法だと感じています。
みんなができていることができないと「このままやりたくないことはしない子になってしまうのでは」と、親の不安は大きいもの。
しかし、小さなうちの集団行動はガマン強さではなく、「その活動に興味が持てるか」というところがポイントになります。「今は先生の話を聞くとき」と考えて集団行動に参加していることは少なく、「楽しそう」と惹きつけられるから参加できるのです。つまり、活動に参加する子もしない子も「本能のまま」過ごしていることに変わりありません。
そのため先生の立場からすると、活動に参加しない子がいても「しつけができていない」などと思うことはなく、「次はあの子の興味をもてるものを用意しよう!」と考えます。
年中くらいまでには、話を聞いて理解する力がつき、興味の幅も広がり、ガマンすることもできるようになります。約束の意味を理解して集団行動ができるようになるのはその頃です。
もし今、悩んでいるママがいたら「小さな頃は集団行動ができなくても、気にしなくて大丈夫!」と伝えたいです。
入園前もその後も、大切なのは、その子の長所を見つけて「すごいね!」とたくさんほめて、個性を認めてあげること。好きなことを思いっきりして満たされること、親に認めてもらった安心感が、のちのちの落ち着きやガマン強さにつながると思います。
<文・写真:ライターnicoai>