子ども同士で活気が生まれる!小学校の『学び合い』って何?
みなさんは「アクティブ・ラーニング」という言葉を聞いたことがありますか。
小学校で2020年から実施される「新学習指導要領」の中にも、このアクティブ・ラーニング(主体的、対話的で深い学び)が大きな目玉として取り上げられています。
これまで小学校の授業では、先生が生徒へ説明することが中心の「受動的」な授業が一般的でした。
これに対し、「アクティブ・ラーニング」では、生徒同士が話し合い、教え合い、「能動的」に学ぶことができる授業を行います。
小学4年生の息子が通うクラスでは、この「アクティブ・ラーニング」が『学び合い』という形で、2学期のスタートと同時に取り入れられました。
『学び合い』とは「アクティブ・ラーニング」の代名詞と言われ、上越教育大学教授の西川純先生の提唱する学校教育のあり方で、全国的に広がりを見せているとのこと。
幼稚園ママやパパはまだ先の話と思っている人も多いと思いますが、1年生からこの『学び合い』を取り入れている小学校も多くあるようです。
今回は息子の担任の先生にお話を聴きながら、私から見た息子の変化を含め、この『学び合い』を紹介します。
『学び合い』は、子ども同士で教え合い、学び合い、自発的に学習していく授業スタイルです。
算数であれば、先生が授業の最初の5分間で生徒に課題を与え、クラス全員がその課題を授業時間内に達成することを伝えます。
子どもたちは、まず自分で問題を解いたあとに、立ち歩き、できた子どもがわからない子に教えに行ったり、わからない子ができる子に聞きに行ったりします。
そうして、子ども同士でたくさんコミュニケーションをとりながら、「クラス全員が課題を達成する」ことを目指します。
ここで一番大切なのは「一人も見捨てない」ということ。
息子のクラスにも「一人も見捨てない」と大きくポスターが掲げてあります。
『学び合い』が始まってすぐ、息子が「学び合いのときは参観自由だから見に来て!」と言うので、実際の算数の授業をのぞいてみました。
そこには生き生きと互いに教えあう子どもたちの姿があり、話をしているのを聞いていると大人よりもずっとわかりやすく説明していることがわかります。
担任の先生いわく、この『学び合い』を始めてからわずか2週間ほどで、クラスにさまざまな変化が見えてきたそうです。
・子どもたちのやる気が変わる!
子どもたちは「誰かに教えたい」という意欲が強く、次の日の単元の予習をしてくるようになったとのことです。中には「友だちと一緒に課題を達成したい」という思いから、その友だち専用のわかりやすい説明を考えてくる子も。
・子どもたちの人間関係が変わる!
『学び合い』ではクラス全員で課題を達成することを目指すので、クラスの結束が強くなります。子ども同士のトラブルがあっても、自分たちで解決できるようになったとのこと。
・子どもたちの成績が変わる!
当初は算数のみ取り入れられていた『学び合い』ですが、その算数のテストの平均点がぐっとあがったとのこと。わからないままに先生の説明を聞くよりも、わかるまで友だちに聞くほうがずっと効率的なようです。
もちろん、『学び合い』にはプラス面だけではなく、「先に終わった子がつい遊んでしまう」「特定の子には教えに行かない」など、学校やクラスの雰囲気によっては課題となる部分もあるそうです。
しかし、息子のクラスではそのようなことがなく、『学び合い』が好きな子どもたちだったので、その効果がでるのも早かったのではとのことでした。
今まで与えられた宿題をこなすことだけで精一杯だった息子は、『学び合い』が始まってから、予習をするようになりました。
予習をしていけば、クラスの友だちにすぐに教えられるからとのこと。
教えたり、教えられたりをする中で、今まで話したことがなかった子とも話すようになり、帰ってくると学校での出来事を楽しそうに話してくれます。
算数からスタートした『学び合い』は、現在、国語、社会、理科、そして、英語と体育にも取り入れられています。
先日行われた二分の一成人式にも保護者参加型の『学び合い』が取り入れられました。
子どもたちの将来の夢を聞いて保護者が質問をしたり、「10億円あったら世の中のためにどうやって使う?」というテーマで子どもと大人がグループで輪になり、「えんたくん」と呼ばれる丸い形のダンボールをひざの上にのせ、そこへアイデアを書き込みながら話し合ったり。
子どもたち自らが教え合う『学び合い』は知識力だけではなく、多様な社会でお互いを認め合いながら人間力も養うのだと先生のお話を聴いて改めて感じました。
これまでと違う授業スタイルを保護者である私たちもポジティブに受け入れて、子どもの成長を見守っていきたいですね。
<文・写真:ライター稲井華子>
小学校で2020年から実施される「新学習指導要領」の中にも、このアクティブ・ラーニング(主体的、対話的で深い学び)が大きな目玉として取り上げられています。
これまで小学校の授業では、先生が生徒へ説明することが中心の「受動的」な授業が一般的でした。
これに対し、「アクティブ・ラーニング」では、生徒同士が話し合い、教え合い、「能動的」に学ぶことができる授業を行います。
小学4年生の息子が通うクラスでは、この「アクティブ・ラーニング」が『学び合い』という形で、2学期のスタートと同時に取り入れられました。
『学び合い』とは「アクティブ・ラーニング」の代名詞と言われ、上越教育大学教授の西川純先生の提唱する学校教育のあり方で、全国的に広がりを見せているとのこと。
幼稚園ママやパパはまだ先の話と思っている人も多いと思いますが、1年生からこの『学び合い』を取り入れている小学校も多くあるようです。
今回は息子の担任の先生にお話を聴きながら、私から見た息子の変化を含め、この『学び合い』を紹介します。
具体的に『学び合い』って何をするの?
『学び合い』は、子ども同士で教え合い、学び合い、自発的に学習していく授業スタイルです。
算数であれば、先生が授業の最初の5分間で生徒に課題を与え、クラス全員がその課題を授業時間内に達成することを伝えます。
子どもたちは、まず自分で問題を解いたあとに、立ち歩き、できた子どもがわからない子に教えに行ったり、わからない子ができる子に聞きに行ったりします。
そうして、子ども同士でたくさんコミュニケーションをとりながら、「クラス全員が課題を達成する」ことを目指します。
ここで一番大切なのは「一人も見捨てない」ということ。
息子のクラスにも「一人も見捨てない」と大きくポスターが掲げてあります。
本当に子ども同士で勉強が理解できるの?
『学び合い』が始まってすぐ、息子が「学び合いのときは参観自由だから見に来て!」と言うので、実際の算数の授業をのぞいてみました。
そこには生き生きと互いに教えあう子どもたちの姿があり、話をしているのを聞いていると大人よりもずっとわかりやすく説明していることがわかります。
問題がわからない子どもの周りには数人の子どもたちが集まり、1人の子の説明がむずかしければ、他の子が説明するといった感じで、わかるまで入れ替わり立ち替わり教えていました。
担任の先生いわく、この『学び合い』を始めてからわずか2週間ほどで、クラスにさまざまな変化が見えてきたそうです。
・子どもたちのやる気が変わる!
子どもたちは「誰かに教えたい」という意欲が強く、次の日の単元の予習をしてくるようになったとのことです。中には「友だちと一緒に課題を達成したい」という思いから、その友だち専用のわかりやすい説明を考えてくる子も。
・子どもたちの人間関係が変わる!
『学び合い』ではクラス全員で課題を達成することを目指すので、クラスの結束が強くなります。子ども同士のトラブルがあっても、自分たちで解決できるようになったとのこと。
・子どもたちの成績が変わる!
当初は算数のみ取り入れられていた『学び合い』ですが、その算数のテストの平均点がぐっとあがったとのこと。わからないままに先生の説明を聞くよりも、わかるまで友だちに聞くほうがずっと効率的なようです。
もちろん、『学び合い』にはプラス面だけではなく、「先に終わった子がつい遊んでしまう」「特定の子には教えに行かない」など、学校やクラスの雰囲気によっては課題となる部分もあるそうです。
しかし、息子のクラスではそのようなことがなく、『学び合い』が好きな子どもたちだったので、その効果がでるのも早かったのではとのことでした。
『学び合い』で、息子にも変化が
今まで与えられた宿題をこなすことだけで精一杯だった息子は、『学び合い』が始まってから、予習をするようになりました。
予習をしていけば、クラスの友だちにすぐに教えられるからとのこと。
教えたり、教えられたりをする中で、今まで話したことがなかった子とも話すようになり、帰ってくると学校での出来事を楽しそうに話してくれます。
二分の一成人式で保護者参加型『学び合い』を体験
算数からスタートした『学び合い』は、現在、国語、社会、理科、そして、英語と体育にも取り入れられています。
先日行われた二分の一成人式にも保護者参加型の『学び合い』が取り入れられました。
子どもたちの将来の夢を聞いて保護者が質問をしたり、「10億円あったら世の中のためにどうやって使う?」というテーマで子どもと大人がグループで輪になり、「えんたくん」と呼ばれる丸い形のダンボールをひざの上にのせ、そこへアイデアを書き込みながら話し合ったり。
今まで私が抱いていた「子どものスピーチに親が涙する二分の一成人式」というイメージとはかなり違う、にぎやかで活動的なひとときに、笑顔あふれる会となりました。
子どもたち自らが教え合う『学び合い』は知識力だけではなく、多様な社会でお互いを認め合いながら人間力も養うのだと先生のお話を聴いて改めて感じました。
これまでと違う授業スタイルを保護者である私たちもポジティブに受け入れて、子どもの成長を見守っていきたいですね。
<文・写真:ライター稲井華子>