優雅どころか…夫の海外赴任に子連れで行った妻のサバイバル術
海外で暮らす日本人は約135万人。企業の駐在員や留学による長期滞在者はそ64%の86万人いるとのこと。
わが家のようにいきなり海外赴任になることはもちろん、まわりに海外赴任や留学をされているお知り合いがいる方も少なくないでしょう。
羨ましがられることも多いけれど、子連れで海外赴任になった人にしかわからない苦労、そして自分のまわりの人には言えない本音もあるのです。
赴任前からワンオペ育児とワンオペ海外引っ越し準備
わが家は、2019年の9月から夫の赴任でオーストラリアで暮らしています。
海外への辞令を受けた後、赴任する本人は、研修、引継ぎ、送別会…と国内外を飛び回って、自宅にはほとんどいないというのはよくあること。実際、わが家の夫も赴任前からほとんど家にいませんでした。
家族そろって赴任地へ赴く場合もあるようですが、会社の規約や引き継ぎの事情で、夫だけが先に現地入りし、「家族は後から」という場合も多いのです。
そうなると、「国内でのワンオペ育児」からの、ほぼ「ワンオペの海外引っ越し」となります。まさにわが家もそうでした。
わが家は国内での転勤を何度も経験してきましたが、今回実感しているのは、海外の引っ越しは、国内の引っ越しの3倍は大変だということ。
まず海外への輸送の都合で、荷物の仕分けが厳しく、船便で持っていくもの、航空便で送るもの、手荷物にするもの、廃棄や実家や倉庫に預けるものと分けなければいけません。
手続きも、銀行から保険、運転免許、カードの整理から郵便物の受け取り先まで、国内の引っ越しでは簡単に済むものも、プラスひと手間ずつかかり、ビザにかかる申請一式や無犯罪証明書の取得、車の処分と無事故証明書の申請、国際免許の取得、さらには、予防接種や渡航健診、学校に成績証明を依頼したり、事前に渡航先の学校とのやり取りをしたり、合間には語学レッスンを入れてと多岐にわたりました。
夫不在のため、それらの手続きは、すべて私一人で進めました。
パスポートをはじめ、子どもの予防接種や渡航健診も含めて、子どもを連れて手続きに回る日々が続いたのです。
異国でのワンオペ手探り育児
一方、海外に来てからゆっくりできるかと言えばそうでもありませんでした。
住宅や最低限のインフラは、夫が協力してそろえてくれていましたが、慣れない海外の学校に通う子どもの世話をしつつ、まったく何がどこに売っているかさえ見当もつかない海外で、生活基盤を整えなければなりませんでした。