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ケンカ勃発はチャンス!幼稚園の先生の対応がすばらしい話

あんふぁん
子ども同士で遊んでいると起きるケンカ。そんな時、親としてどう対応していいか迷ってしまい、とにかくわが子を叱るという人も多いのではないでしょうか。
今回は私が幼稚園教諭をしていた時の経験から、先生は子どもたちがケンカした時にどうかかわっているかをお伝えします。

ケンカ勃発はチャンス!幼稚園の先生の対応がすばらしい話


ケンカは悪い事ではなくお互いにとって成長のチャンス


ケンカは「相手にイヤなことをした」とネガティブに捉えがちですが、幼稚園の先生たちは「ケンカは成長のチャンス」と捉えていました。。その理由は、幼児期は自己表現の仕方、相手の思いを考えることを少しずつ学ぶ時期だからです。
まず親以外の人にも自分の気持ちを伝えようとすること、表現することはとても大切なこと。
その結果、相手を泣かせたり怒らせたりしてしまったら、次はどうやって伝えようと子ども自身が経験から身につけていくことができます。

「今日は遊ばない」にもちゃんと理由がある


例えば、2人で遊んでいるところに、ある子が「入れて」と言ったのですが「ダメよ!」ときつく断られてしまいました。

その時は入れてもらえなかった子が泣いて、大ゲンカになってしまいました。
実は、断った方にも「今日は2人でしかできない遊びをすると決めていた」という理由がありました。
そこで、そのことをきちんと話して、その後はどうしても2人で遊びたい時には、断る側が理由をきちんと伝えるように話しました。
そして、断られた方も「じゃあそれが終わったら3人一緒に遊ぼうね」と切り替えができるようになりました。

また、普段は友達に適当なあだ名をつけて呼んでいた子が、ある日自分にあだ名をつけられるとすごくイヤで怒ってしまったということがありました。
自分は何気なくやっていても、された方はどんな気持ちだったか経験してみて気づくこともあります。
子どもたちは、そんな経験を繰り返しながら、少しずつ相手の気持ちを想像できるようになり、「思いやり」が育っていくのだと思います。

目標は子どもたち自身で仲直りすること


上記を踏まえ、園ではケンカが起きた時の対応をしていました。

ポイントは、子どもの成長や性格に合わせて変えて対応を変えること。

■オモチャの取り合いでケンカになった場合
・まだ言葉で状況を説明できない子の場合は、「〇〇がイヤで叩いちゃったんだよね」「次は貸してって言うようにしようね」とケンカになった理由を整理し、次はどうしたらケンカにならないか具体的に伝えます。
そうすると、次にケンカになりそうな場面で「どうしたらいいんだっけ?」と聞くと、自分から「貸して」と言えることも。
・言葉がある程度話せる子の場合は、「どうして叩いたの?」「叩くとケンカになるよね、どうすればよかったかな?」と質問をして子ども自身が考えて気づけるよう促します。
・考える力、伝える力のある子の場合は、しばらく見守ります。すると一度は叩き合いや言い合いになったとしても、どちらかの子が「じゃあ順番にしようよ!」と案をだし、解決に向かうことも多いのです。
どうしても折り合いがつかずヒートアップした場合は、先生が仲裁します。その際、先生の考えではなく子どもたちが納得できる方法を一緒に考えるよう気をつけます。


どんな場合も、「子ども同士で解決できること」を目標として対応していました。
4月はケンカばかりしていた子どもたちが、数か月すると子どもたちで解決策を言い出せるように成長していき、やがて相手を優先したり手助けしたりできるようになっていきます。
そんな子どもたちの姿を、先生として本当にうれしく思い見守っていました。

ケンカしても頭ごなしに叱らないで


ケンカの中でこそ、言葉で教えてもわからないことを学べると感じています。
だからこそ子どもがケンカをした時には、「あなたが悪いんでしょう!謝りなさい!」と一喝してしまう前に、子ども自身が「どうしたらよかったかな」と立ち止まって考える時間をもてるといいですね。
また子どもから「園で友達とケンカしちゃった」と聞いても心配しすぎなくて大丈夫。
ケンカが長引くことや繰り返すこともあるけれど、経験して学んでいる時期なので、励ましながら見守ってくださいね。
もし落ち込んだ様子があれば、遠慮なく先生に相談をするといいと思います。
気にかけて様子を見てくれたり状況を詳しく教えてくれるたりするはずですよ。
大人が子どものケンカをおおらかに見守り、子どもたちには「ケンカして、仲直りして、もっと仲良しになる」という経験をたくさんしてほしいなと思います。

<文・写真:ライターnicoai>

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