息子の吃音で悩み…涙があふれた3歳児検診での保健師さんの言葉
息子が2歳半になった頃、話し言葉に詰まりがあることに気づきました。わが家には子どもが3人いますが、上2人の時にはなかった症状のため、私自身どう対応していいのかとても悩みました。
今回の記事では、息子の症状や保健師さんからのアドバイス、わが家でどのように対応したかを紹介します。
2歳半頃から息子の吃音が気になり始める
息子が2歳半になった頃、近くの幼稚園の2歳児クラスに空きが出たので、タイミングよく通えることになりました。
通い始めてしばらくすると、言葉の最初の音を繰り返す、言葉が詰まって出てこないという吃音の症状が出始めました。
「環境の変化が影響しているのかな?」と、最初は特に気にしていなかったのですが、数か月経ってもなくならないばかりか、むしろ症状が多く出るようになってきたため、私も次第に不安になってきました。
私の子育ての仕方が悪い?と悩むように
夫や上2人の子どもに話しても、「そう?気にならないよ」という反応。子育て中の友人達に聞いても「小さい頃はよくあるだろうから、もう少し様子を見てみたら?」という感じでした。
とにかく「私が気にしすぎないほうがいい」という助言をもらうことが多かったです。
でも、普段息子と触れ合う時間が長い私の不安はなかなか消えず、インターネットなどで情報を集めたりもしました。そして次第に「私の子育ての仕方が悪いのだろうか」と悩むことも増えていきました。
涙が止まらなかった3歳児検診
悩み始めて半年ほど経ったころ、ちょうど3歳児検診のタイミングがあったので、思いきって保健師さんに相談することにしました。
「どんなことでも話してくださいね」と言われ、息子の吃音症状の話を始めたら、涙が止まらなくなりました。
保健師さんが私と息子を別室に案内してくれて、息子を遊ばせながら、「ゆっくりでいいですよ」と、話しやすい環境を作ってくれて、とても安心したのを覚えています。
家での様子や、私のせいでこうなってしまったのではないかということ、どう対応していいのかわからないことなどを相談しました。
家族みんなでできることを少しずつ
保健師さんの最初の言葉は、「ママは息子さんを十分見てあげていますよ。
自分を責めないでくださいね」でした。
それを聞いて、また涙があふれました。
息子の場合、「幼稚園で環境が変わったというのも多少あると思う」と言われましたが、それよりも「家庭内でゆっくり話を聞いてあげる時間を設けてみるといいのでは」というアドバイスをもらいました。
「話好きで話題豊富なお姉ちゃんやお兄ちゃんみたいにいっぱい話したいけど、言葉が思うように出てこなくて、本人ももどかしいのかも。比較対象が家族にたくさんいることで、焦ってしまい、余計話し出しが詰まってしまう場合もあるんですよ」ということでした。
具体的な対応策として聞いたこと
家庭でできる具体的な息子への対応策として聞いたのは、以下の2点です。
・息子が話そうとしているときには話をさえぎらず、ゆっくり話をできる環境を作ってあげること
・言葉が出てこなくて不安そうなときは、肩や背中など体の一部を触ることで安心させてあげること
これらを家族みんなで共有し、早速実践することにしました。
不安や悩みはひとりで抱え込まず、専門家に相談しよう
その日は、「今日お伝えした方法で様子を見て、半年後も気になるようでしたら、臨床心理士さんに相談しましょう。
今から予約を入れておきましょうね」と、保健師さんが日程を押さえてくれました。
帰宅後、家族にこの日の検診のことを話しました。その後、家族みんなで、保健師さんから言われたことを心がけて接するように。
すると少しずつ息子の吃音症状は治まっていきました。
検診から半年後、3歳半になる頃にはほとんど症状がなくなったため、保健師さんにお礼を伝え、臨床心理士さんの予約は辞退しました。
育児に悩んだ時の相談先
私にとって、あの悩んでいた時期に、3歳児検診があったのは幸いだったと思います。
というのも、当時の私には「この悩みや不安を保健師さんに相談する」という発想そのものがなかったからです。
もしあの時相談できていなかったら、私は長い間ずっとひとりで悩んでいたかもしれません。
定期健診、そして育児で悩んだ時の相談先を知っておくことがどれだけ大切か、身を持って感じました。
各自治体では保健師さんへの育児相談を設けていますし、探してみると相談できる場所はたくさん見つかります。不安なことがあれば、ひとりで抱えることなく、ぜひこういった場を活用してみてください。
<文・写真:ライターnanahi>