小学校の「席替え」はどうやって決める?先生が決める基準は?
3学期が始まりました。「席替えしたよ!」と話しているお子さんもいるのではないでしょうか。
学校生活の中でも「席替え」は意外と人気のイベントです。くじ引きや自分の好きな席にするなどで決めることもありますが、最近では低学年では先生が決めた席に座る方式が取られていることが多いように思います。
私が小学校教諭として勤めていたときにも、いろいろと考えながら子どもたちの座席を決めていました。
どんなタイミングでするのか、どうして席替えをするのか、どうやって決めているのかなど、今回は席替えの疑問についてお話しします。
席替えをしないとトラブルが増えることも
学級の人数や先生の考え方によって様々ですが、席替えは、1か月半~2か月に1回程度行うことが多いのではないかと思います。
私の場合は、給食当番が1周したら、日直が1周したら、というようにキリの良いタイミングを決めてやっていました。
席替えのタイミングが近くなると「先生、いつやるの~?」と子どもたちから声がかかります。あるとき、行事が重なったり業務が立て込んだりして、座席決めをする時間が取れず、席替えをするのが遅くなってしまったことがありました。
今まで特に問題なくその席で過ごしていたので、多少遅くなっても大丈夫だろうと思っていましたが、目に見えて子どもたちが落ち着かなくなっていってしまいました。授業中の私語が増えたり、友達同士のトラブルが多くなったり…。
慌てて席替えを行ったら、また子どもたちは落ち着いて学校生活を送るようになりました。それ以降、席替えはなにがあっても予定通りに行うようにしました。
新鮮な気分&友達作りにもひと役
席替えをすると、まず見る景色が変わります。学校にいる間の多くの時間は自分の席で過ごすので、場所が変わるだけで新鮮な気分で学校生活を送れるようになります。
そして隣に座る子、同じ班の子も変わりますので、新たな人間関係をつくることになります。授業では隣の席や同じ班でペアワークをしたり話し合ったりすることが多くあります。いろいろな人と関わることで、いろいろな考え方に触れることができ自分の思考の幅も広がります。
また気が合うお友達と知り合えて、一緒に遊ぶことが多くなるなど交友関係も広がっていきます。
まずは授業中に困らないよう、配慮が必要な子の席を決めます。視力の弱い子はどこまでなら見えるのか確認する、いろいろな刺激が目に入ると勉強に集中できなくなってしまう子は掲示物が目に入りにくい場所にするなどを考えていました。
黒板が見えるようにするには身長が低い子は前、高い子は後ろばかりになってしまいますが、机をななめに配置するなど工夫してなるべくいろいろな席に座れるようにしていました。
座席に関して配慮が必要な場合、早めに担任の先生に相談しておくと対処してもらえると思います。
学校では生活班で行う活動も多いので、スムーズに活動できるよう班編成にも配慮します。男女比を同じにしたり、ケンカばかりする子ども同士は離したり、逆に友達ができないと相談を受けた子は気が合いそうな子を同じ班にしたり。
手がかかる子にはしっかりした子にフォローに入ってもらい、フォローに入ってもらった子は次の席替えのときには落ち着いた班の席にするなど負担をかけすぎないようにしたり。
おしゃべり大好きな子には環境に流されずに学習できる子をペアにする、まわりに頼りがちになってしまう子にはあえて自分のことしかやらない子を隣にする、先生の手助けが必要な子をあえて1か所に固めて、そこを重点的に見るなど、どうしたら子どもたちの学びに効果的か、毎度試行錯誤しながら決めていました。
また、なるべく一度隣になった子とは隣にならないように、前回とは場所が同じにならないようになど、そのほかにも気にしなければいけないことが多く、毎回難問のパズルを解いているようでした。新しい席で授業が落ち着いて進んでいくとほっとしたものです。
現在は新型コロナウイルス感染症対策で、グループワークやペアワークは少ないかもしれません。子どもたちの座席も一人ひとり離れた席になっていると聞きました。
<文・写真:ライターHIDE>
学校生活の中でも「席替え」は意外と人気のイベントです。くじ引きや自分の好きな席にするなどで決めることもありますが、最近では低学年では先生が決めた席に座る方式が取られていることが多いように思います。
私が小学校教諭として勤めていたときにも、いろいろと考えながら子どもたちの座席を決めていました。
どんなタイミングでするのか、どうして席替えをするのか、どうやって決めているのかなど、今回は席替えの疑問についてお話しします。
席替えはどんなタイミングでするの?どうしてするの?
席替えをしないとトラブルが増えることも
学級の人数や先生の考え方によって様々ですが、席替えは、1か月半~2か月に1回程度行うことが多いのではないかと思います。
私の場合は、給食当番が1周したら、日直が1周したら、というようにキリの良いタイミングを決めてやっていました。
席替えのタイミングが近くなると「先生、いつやるの~?」と子どもたちから声がかかります。あるとき、行事が重なったり業務が立て込んだりして、座席決めをする時間が取れず、席替えをするのが遅くなってしまったことがありました。
今まで特に問題なくその席で過ごしていたので、多少遅くなっても大丈夫だろうと思っていましたが、目に見えて子どもたちが落ち着かなくなっていってしまいました。授業中の私語が増えたり、友達同士のトラブルが多くなったり…。
慌てて席替えを行ったら、また子どもたちは落ち着いて学校生活を送るようになりました。それ以降、席替えはなにがあっても予定通りに行うようにしました。
新鮮な気分&友達作りにもひと役
席替えをすると、まず見る景色が変わります。学校にいる間の多くの時間は自分の席で過ごすので、場所が変わるだけで新鮮な気分で学校生活を送れるようになります。
そして隣に座る子、同じ班の子も変わりますので、新たな人間関係をつくることになります。授業では隣の席や同じ班でペアワークをしたり話し合ったりすることが多くあります。いろいろな人と関わることで、いろいろな考え方に触れることができ自分の思考の幅も広がります。
また気が合うお友達と知り合えて、一緒に遊ぶことが多くなるなど交友関係も広がっていきます。
席はどうやって決めるの?
まずは授業中に困らないよう、配慮が必要な子の席を決めます。視力の弱い子はどこまでなら見えるのか確認する、いろいろな刺激が目に入ると勉強に集中できなくなってしまう子は掲示物が目に入りにくい場所にするなどを考えていました。
黒板が見えるようにするには身長が低い子は前、高い子は後ろばかりになってしまいますが、机をななめに配置するなど工夫してなるべくいろいろな席に座れるようにしていました。
配慮が必要な場合は早めに担任へ
座席に関して配慮が必要な場合、早めに担任の先生に相談しておくと対処してもらえると思います。
学校では生活班で行う活動も多いので、スムーズに活動できるよう班編成にも配慮します。男女比を同じにしたり、ケンカばかりする子ども同士は離したり、逆に友達ができないと相談を受けた子は気が合いそうな子を同じ班にしたり。
手がかかる子にはしっかりした子にフォローに入ってもらい、フォローに入ってもらった子は次の席替えのときには落ち着いた班の席にするなど負担をかけすぎないようにしたり。
おしゃべり大好きな子には環境に流されずに学習できる子をペアにする、まわりに頼りがちになってしまう子にはあえて自分のことしかやらない子を隣にする、先生の手助けが必要な子をあえて1か所に固めて、そこを重点的に見るなど、どうしたら子どもたちの学びに効果的か、毎度試行錯誤しながら決めていました。
また、なるべく一度隣になった子とは隣にならないように、前回とは場所が同じにならないようになど、そのほかにも気にしなければいけないことが多く、毎回難問のパズルを解いているようでした。新しい席で授業が落ち着いて進んでいくとほっとしたものです。
たくさんの友達を関わって学びを深めてほしい
現在は新型コロナウイルス感染症対策で、グループワークやペアワークは少ないかもしれません。子どもたちの座席も一人ひとり離れた席になっていると聞きました。
とはいえ学校生活は友達との協力なしでは送れません。たくさんのお友達と関わって、いろいろな友達のいろいろな考え方に触れて、たくさんの学びをしてほしいなと思います。
<文・写真:ライターHIDE>