子育て情報『アスペルガー症候群(AS)の原因は?遺伝する確率はあるの?』

2018年10月5日 19:30

アスペルガー症候群(AS)の原因は?遺伝する確率はあるの?

以下の中から複数の原因を持ち合わせている場合もあれば、脳以外がアスペルガー症候群の原因となっているとも考えられます。

1.脳領域間の機能的連結低下
脳内のネットワークの連結機能がうまくいかず、定型発達の人の場合と比べて機能が低下していることからアスペルガー症候群になるのではないかという説があります。これはアスペルガー症候群に限らず、自閉症スペクトラム障害に含まれる全ての障害に関しての原因だと考えられています。

2.社会的な活動をするための脳の部位の機能異常
人の脳には部位ごとに役割があります。その中に社会的な活動をするために使う部位もあり、以下のような部位に異常が起きたり働きが弱かったりするため、うまく人の表情や感情が理解できないのではないかと言われています。
・扁桃体(へんとうたい)…人の表情を認識し感情を読み取る部位です
・紡錘状回(ぼうすいじょうかい)…紡錘状回は人の顔を認識する部位です
・上側頭溝…人の目や口などの部位の動きを認識する部位です
・前頭葉…前頭葉にはミラーニューロンと呼ばれる神経が存在しており、人に対する「共感」の感情に関わっています

アスペルガー症候群(AS)の原因は?遺伝する確率はあるの?の画像

Upload By 発達障害のキホン

3.小脳の異常
小脳は、平衡感覚や強調運動などに関わっていると言われています。そのため小脳に異常が起きると、バランス感覚をあまり持てなくなると言われています。ほかにも、小脳に異常が起きると感情や認知にも影響があるのではないかと報告されていますし、自閉症スペクトラム障害の中には実際に小脳への異常が見られた人もいます。


4.脳内物質の異常
アスペルガー症候群が含まれる自閉症スペクトラム障害では、脳内物質に異常があるという報告があります。普通の人と比べて、血中オキシトシンが低い、セロトニンが高い、血中グルタミン酸が高いという違いが見られたという研究があります。


アスペルガー症候群は親から子どもへ遺伝するの?

アスペルガー症候群が含まれる自閉症スペクトラム障害に遺伝的な要因については、すべてが解明されているわけではありません。

ですが、一つの遺伝子の変異が発症につながる障害ではないと考えられています。素因となる関連遺伝子が多数あり、その組み合わせや相互の影響による多因子遺伝であるため単純に親からの遺伝子が原因となって発現するということではありません。また、遺伝子だけではなく、そのほかの環境的な要因が複雑に重なった場合に現れるため、親にアスペルガー症候群があるからといって100%子どもに遺伝するとは言えません。

関連記事
新着子育てまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.