発達障害は遺伝するもの?確信したのは私の父の特性でした
私の父にそっくりな息子
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発達障害は遺伝の要素が強いとは言いますが、それを実感したエピソードがあります。
息子と私の父は間違いなく同じ特性を持っています。
息子が発達障害の診断を受ける前からずっと、私は息子の様々な行動が私の父にそっくりなことに気付いていました。
「動き方がおじいちゃんみたい」
「自分勝手な行動がおじいちゃんそっくり」
「じっとできないところがおじいちゃんと同じ」
と、家族もみんな言っていました。そのせいか、私の父はどの孫よりも息子のことを特別可愛がっていたように思います。
私の父と言えば、まずとんでもなく不器用。お皿を割らずに皿洗いができない人です。そして、シングルフォーカス。
庭に水やりをしてと頼むと、足元の花を全部ふんづけて水を撒いています。
衝動性は凄まじく、思ったことをそのまま口に出すため母が「恥をかかされた」と怒って外出先から泣いて帰ってくるなどしょっちゅうでした。
また、残念ながらカッとくると感情のコントロールができないので、家族は大変。
多動と多弁は70を超えた今でもそのまま残っており、「ガサガサゴソゴソしないで!」「ちょっと黙って!」と周囲によく注意されています。
制御がきかなかった父の幼少期
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父の特性がよく分かる話を、今は亡き祖母がしてくれたことがあります。
「幼稚園に入園させたらねえ、毎日手がつけられないほど泣いて叫んで暴れて…。先生たちが困り果てて、結局1ヶ月で退園させられちゃったの。」
「家にお客さんがくると、いつもと違う状況に異常にテンションが上がっちゃってね。もうどれだけ注意しても大はしゃぎで、本当に大変だった。」
「小学校に上がったら、授業中に鉄棒しに勝手に出ていっちゃったりしてね…」
とにかく父は「大変な子」だったようです。
問題児だった父を変えたひと言
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幼稚園は強制退園、小学校は立ち歩き脱走ばかりしていた父。
小学校低学年までは成績も悪く、勉強も大嫌いな子だったそうです。
しかし、最終的には某国立大学を首席で卒業し、表彰式の模様はテレビで放映されました。大学卒業後は企業の営業職として抜群の営業成績をおさめ、リタイア後は法律関係の仕事をしています。
周りにずっと「ダメな子」認定されていた父が変わったきっかけは何だったのでしょうか。
以前、父が話してくれたことがあります。成績が悪く立ち歩きをする父に、小学校4年生のとき担任の先生がこう言ってくれたそうです。
「君は、本当はすごく出来る子なんだよ。
僕は知っているよ。」
その先生の言葉が、父に革命を起こしたと言います。それまで何をやっても自分はダメだと思っていたけれども、たった1人でも自分を認めてくれる人がいる、それは父の中で大変なことだったのです。
それからというもの、父は勉強を含め様々なことに前向きに取り組むようになったそうです。
当時、周りと同じことをするのに数倍の努力が必要でしたが、その先生の言葉のおかげで父は努力をし続けることができたと言います。
良き大人との出会いが人生を変える
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父のこのエピソードは「窓ぎわのトットちゃん」と重なるものがあります。
小学校を退学処分になったトットちゃんに、新しい学校の校長先生が「きみは、ほんとはいい子なんだよ!」と言うという話は有名です。
自分を認めてくれる良き大人との出会い、これは、子どもの人生を変えるものです。
日常的に自信を失うことが多い発達障害児にとって、こんな言葉をかけてくれる人はどれほど貴重なことでしょう。
自分を認めてくれる良き大人、そんな人と子どもが出会うことを信じながら、日々育児に取り組んでいます。