発達障害と診断後、子どもの成長のためにはどう関われば良い?
授業参観で10年前は想像できなかった娘の成長を実感。
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発達障害の娘は現在小学6年生。今年の授業参観日では、国語の授業で詩を創作し、発表していました。それを見た私は、「こんなことまでできるようになったのか」と感心しました。
なぜなら10年前には、今の姿を想像することすらできなかったからです。
娘の成長が気になったのは、2歳頃でした。言葉が出始めるのが遅く、コミュニケーションも、ほとんどとることができませんでした。多動もあり、いつも自分の好きに行動していました。
その頃から療育にも通っていましたが、落ち着きなく自由奔放な行動を見て、果たして療育の効果はどれほどなのか?とよく不安になったのを覚えています。
診断後、療育を家でも取り入れた。最初は上手くいかなかった
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療育施設に通いだした頃、娘はなかなか着席ができず、座ってもすぐに立ち歩いていました。
この頃ほぼ同時期に、ABAという行動分析を家庭に取り入れている、親の会に入りました。そこで受けたアドバイスは、子どもの楽しさや主体性をとても大事にしたものでした。
私は、このアドバイスを参考に、親の指示通りに椅子に座る練習を、取り入れてみることに。
しかし、これまで自分の好きに立ち歩いていた娘。急に「座って」と言っても座ってくれません。座ることが嫌にならないよう、好きな遊びの最中、機嫌の良いときにイスに座らせてみました。
しかしすぐ立ち上がるため、娘の膝を少しだけ押さえるなどの補助を入れましたが、やはり立ってしまいます。
それでも、遊びの合間の短い時間、「座って」「立って」の声掛けのタイミングと同時に、体を支える補助を何度も繰り返しました。
最初はなかなかできませんでしたが、根気よく続けた結果、2ヶ月ほど経って徐々に指示を理解し、着席ができるようになってきました。しかし、座っていられる時間はまだまだ短いものでした。
まずは「机に向かう練習」から、楽しんで取り組めるように
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年長になり、小学校への就学を視野に入れた私は、長時間机に向かって座っていられることを、目標にしました。
これは、長時間の着席が目標なので、着席している間に飽きて集中が途切れないよう、娘の好きなおもちゃやゲームなどを活用し、遊ぶことにしました。
しかし、娘1人の遊びではすぐ飽きてしまうかもしれない。そこで、私も一緒に娘と遊ぶことにしました。
着席の練習と同様、娘が機嫌の良いときに、15分程度から取組みました。
また、学校での学習にも慣れるよう、興味の低い活動でも少しずつ練習しました。
この時も、集中ができるだけ続くよう、合間に娘の好きなお絵描きの時間を挟むなど、していました。
この方法は娘には合っていたようで、着席できる時間は、少しずつ増えていきました。
小学生になり、集団参加も安心…と思いきや
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指示や場面に応じて着席することや、長い時間座ることに慣れてきた娘。
しかし、いざ就学すると、今度は別の問題が生じてきました。それは、みんなが手を挙げるのを見て、解からない問題でもつられて手を挙げてしまうことでした。
そんなとき、娘の「聞く力」を伸ばしたのはフルーツバスケットだった
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この問題を療育の先生に相談したところ、「指示の聞き分けを、ゲーム感覚で練習してみましょう」とアドバイスをもらいました。
さっそく家で練習です。
フルーツバスケットの応用で、方法は簡単です。・家族4人(2人以上が良いです)で、それぞれ違う種類の果物を持ちます。
・司会の人を決め、その人に「みかんを持ってる人~?」と聞いてもらい、実際に持ってる人だけが返事をして手を挙げます。
・手に持つのは、子どもが理解していれば、果物でなくても構いません。参加人数が多ければ、何名かは同じ種類を持った方が、より実戦向きかもしれません。
最初は、授業中と同様に戸惑いながらも、周囲と一緒に手を上げていた娘。
間違えたときには「あれ?今はみかんだっけ?」など、司会が言った言葉を確認できるような声かけをすると、娘も自分で間違いに気付けるようでした。
このゲームも、学習というよりは、ちょっとした息抜きの時間に、遊ぶ感覚で取組んでいました。
このような時間を家族で楽しみながら、繰り返していくうちに、少しずつ指示の聞き分けができるようになっていきました。
子どもが学ぶことを楽しめるように
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学校で役に立ちそうな方法を例に挙げてみましたが、コツは楽しくゲーム感覚で練習することです。
療育先などでアドバイスをもらうと、つい結果を求めてしまいがちだと思います。しかし、親の気持ちを優先し、子どもの「やりたい気持ち」を置いてきぼりにしては、学習そのものが、嫌な時間に変わるかもしれません。
成長を待つことが、結果として子どもの主体性を伸ばし、学習意欲につながるのではないでしょうか?
我が家では、楽しさの中でいつの間にか学校生活にも順応できるようになった。
そのような関わりや取組みを、心がけています。