緘黙症(かんもくしょう)とは? 話さないのではなく、話せない…症状、相談先、接し方まとめ
場面緘黙症の診断
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診断基準には、大きくわけて、2014年に出版されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計のマニュアル』第5版)と世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)の二つがあります。
ICD‐10では、小児期の情緒障害に含まれています。これは、ICD-10では、場面緘黙症は、子どもが発症する疾患という見方が強いことを示しています。一方、DSM-5 において場面緘黙症は、不安障害の一種とされており、不安や恐怖心が一因になっているのではいかという見方をしています。今回はDSM-5の診断基準をご紹介します。
1.ある特定の状況、場面以外では話すことができるが、そのある特定の社会的状況、場面では常に話すことができない。
2.この疾患により、学業上、職業上の成績が適正に評価されない、または対人コミュニケーションを円滑に行えない。
3.この疾患が少なくとも一カ月続いている。
4.場面に応じた知識があり、会話の楽しさを知っているが、話すことはできない。
5.コミュニケーション症(例:小児期発症流暢症)ではうまく説明されず、自閉スペクトラム症、統合失調症またはその他の精神病障害の経過中にのみ起こるものではない。
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場面緘黙症は、5歳前後で発症することが多いですが、話す機会の増える学校へ行き始める時期まで、症状が顕在化しないことが多いです。
研究では、成長とともに場面緘黙症の症状が改善するというものもありますが、研究段階であり、確証はありません。一方、青年期、成人でもまれに場面緘黙症を発症します。
場面緘黙とその他の疾患との関係
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場面緘黙症は不安障害の一種と考えられていますが、その他の疾患・障害との併存もしやすいようです。以下では、場面緘黙症との併存が多い疾患・障害について説明していきます。
場面緘黙症の併存症で最も多いものは、他の不安障害との併存です。
不安障害群の中でも、社交不安症が最も多く、次いで、分離不安症や限局性恐怖症が多いと言われています。