大人の「一方的な注意」は、子どもにどんな影響を与えるのだろう
目を疑ったのは、クラスの中で1人で過ごす男の子の姿
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娘が1年生のとき、私はボランティアで小学校の「読み聞かせ隊」に入っていました。活動は月1回、クラスに2人ほどで入って、1冊ずつ絵本を読み聞かせるというものです。
絵本に見入る子ども達の中に、とても印象に残っている男の子がいました。
その日、私が入ったのは1年生の娘のいるクラス。そこには「発達障害があるらしい」と噂されていた男の子がいました。初めて彼を見たときは、正直びっくりしました。
怒り狂った表情で机の下にもぐり、上靴を黒板に向かって投げていたからです。
クラスではいつも1人で過ごし、授業中に脱走しても放置され、校庭の片隅に座っているところを、よく見かけました。
ボランティアの帰りに体育館を覗くと、「○○君は悪い子です」と名指しで先生から怒られているのを、見たこともありました。
娘は彼のことが好きだったそうです。「だって○○君は、私がいじめられているとき助けてくれた」「あの子はいい子だ」と、私に教えてくれました。
その日の読み聞かせも同じかと思ったら、いつになく真剣な表情で…
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ある日の読み聞かせの時でした。その日読む絵本は『おこだでませんように』。
読み始めたとき、最初はいつものように、落ち着きなさそうにゴソゴソし、顔もそっぽを向いていた彼。話が進むにつれ、いつの間にか食い入るような目をし、聞いていました。
このお話に出てくる男の子は、母子家庭で妹と母との3人家族。
妹と遊んでいると泣かせてしまい、お母さんに怒られます。
学校では大声で歌ったり、自分を仲間はずれにした友達を殴ったりで、先生に怒られる。怒られてばかりの毎日に、絶望を感じ始めます。
そんなある日、授業で七夕の短冊を書くことになり、彼は心からのお願いをします。
おこだでませんように
終わったときの、彼のいつにない真剣な表情が、とても印象的でした。https://www.amazon.co.jp/dp/4097263293
「おこだでませんように」くすのき しげのり著
絵本に聞き入る子どもたちから教えてもらった、大人への真剣な思い
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この絵本に引き付けられたのは、彼だけではありませんでした。