不登校の子どもの居場所、そこには誰もが笑顔になる理由がありました
自信を失った子どもたちの居場所、そこでの子どもたちの変化
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発達が気になる子や、イジメ、不登校などで自信を失っている子に、どうしたら自信を取り戻してもらえるのか?悩む親御さんは多いと思います。
見守ることも1つの方法ですが、今回は、子ども達の可能性を広げる、様々な活動についてご紹介したいと思います。
私の参加している親の会では、淀川キリスト教病院の医師、谷均史先生を迎え、ゆっくりお話する機会がありました。
谷先生は奄美大島で、不登校や発達障害の子どもたちが集まる「おばぁの会」を支援しています。そこでの、子ども達の変化について教えてもらいました。
会が発足した当初、たこ焼きパーティを企画したところ、とても盛り上がって人も集まるようになったそうです。ただ集まって食事をし、おしゃべりする場になったことで、子どもたちがイキイキし、それぞれ特技を発揮できるように。
学校では集団行動になじめず、叱られて辛い気持ちを抱え、「死にたい」と言っていた子どもたちが、おばぁの会で自由に過ごすことで元気を取り戻していったそうです。
先生に写真を見せてもらったのですが、子どもたちが思い思いのことを楽しみ、「安心して存在できる場があると、子どもってすごい力を出すんだなぁ」と感じました。
様々な理由で学校にいけない子どもたちと、親たちが集まって、ごはんを食べよう!という『おばあの会』ができて五年。できた当時、大変な状況を抱えていたMITSUKIが知的障害者枠でバスケットボールの鹿児島県代表に選ばれました!よくここまで来ました!(谷均史)
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料理には、人と関わる楽しさがある
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私の参加している親の会でも、おばぁの会のような活動をしているのか、聞いてみたところ、以前は料理教室をしていた時期があったそうです。そこで調理を教えてくれたA先生は、現在、障害者の料理教室をしています。A先生によると、重い障害がある人で、作業は一切手伝えなくても、その場にいるだけでニコニコとして、嬉しそうな表情を見たそう。
それぞれの人が、自分のできることをして、全員で食べる。それだけでその場に、笑顔があふれるのだそうです。
栄養士でもあり、ケースワーカーでもあるA先生から聞いて、印象に残っているのは、
「お料理ってね、発達障害の方の訓練にもなるんですよ。
いろいろな手順があって、どういう順番で取り組むか考えたり、材料を計ったり、手先も使いますし。やることがいっぱいあるから良いんです。
そして何より、食べることは喜びで、人にも喜ばれるし達成感がある。それがいいところなんですよ。」
という言葉でした。
モノ作りは、子どもの自信につながることも
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料理だけではありません。カバン作りなど、裁縫が趣味で、それが仕事に結びついた人もいます。
引きこもっていたBさんは、裁縫が好きで作品を作っているうちに、注文が入るようになり、それで収入を得られるようになった方です。
Bさんは最初、材料を全て母親に買ってきてもらっていたそうです。
しかし、母親が選ぶものは、Bさんが思っていたイメージと全く違っていたそう。
結局、自分で買いに行くようになり、そのつながりで、一緒に材料を選ぶお友達もできたのだとか。
料理や裁縫に限りませんが、モノ作りというのは、人から評価を得たり、自己表現もできますし、子どもの自信につながるのではないか、と私は思います。
娘がめずらしく興味を持ったモノ作り。しかし、そこに居た先生は…
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不登校の娘が中1のときです。編み物カフェに誘うと「行ってみたい」と言い出しました。おばあちゃんに、カーネーションのコサージュを編もうと考えたようでした。しかしいざ行ってみると、編み物の先生は、娘が学校で嫌な思いをした先生に、外見がそっくりだったのです。
最初は怖がって、おそるおそる聞いていた娘でしたが、何度「わからない」と聞いても、嫌な顔1つせずに教えてくれる先生に、安心できたようでした。
家庭科の授業には出たことのない娘です。いろいろな編み方を駆使するコサージュ、果たして完成するのかどうか?心配でした。
でも、集中力を発揮できたおかげで、みごと4時間で完成したのでした。
生きる楽しさや自信は、好きなことで見つかるかもしれない
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帰り道に娘が言った言葉です。
「編み物の先生は、私が何度聞いても怒らずに教えてくれた。すごく嬉しかった」
学校で机に突っ伏していた姿を思い出すと、ちょっと泣きそうになりました。
学校に行けないことで、自分を責め、自信を失っていた娘。
少しでも何かに取組んで、自信を取り戻してほしいと願うのは、親の本音だと思います。
そんなとき、娘が自分で「やってみたい」と言ってくれたことは、私にとって、とても嬉しいことだったのです。
娘は「またあのカフェで編み物がしたい」と言っています。この頃には、料理にもチャレンジするようになりました。
こうした体験を積み重ねて、生きる楽しさと力を身に付けてくれたら…と願っています。