【専門家が解説】「いじめ」60万件。今、子ども達はその事実をどう捉えているのだろう
大津のいじめ事件を契機に、2013年に「いじめ防止対策推進法」が制定されました。
これは、国をあげていじめ防止の歴史が大きく動いたように見える出来事でした。
(いじめの禁止)
第四条児童等は、いじめを行ってはならない。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1337278.htm
けれども、いじめ認知件数は減ることはなく、私が学校で出会ったのは大津事件とさして変わらないような、想像を超える犯罪レベルのいじめに苦しむ子どもたちの姿でした。
5000人を超える子ども達への出張授業、必ず聞く2つの質問
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28057000025
今年も、児童館・学校でのいじめ防止授業を行いました。これまで、約5000人を超える子ども達といじめ防止授業を行ってきました。
その授業で、私は必ず次の2つの質問をしています。
「いじめって何?」
「将来の夢は何?」
東京のある学校の小学1年生の女の子が、手を挙げてこう答えてくれました。
「はーい。いじめって、汚いゴミ箱に入れること」
別の学校の小学5年生の男の子はこう話してくれました。
「はい。今僕はいじめられています。死ね。うざい、と毎日言われています。このクラスの皆からです」
この発言に生徒たちはシーンと静まり返りました。
その様子を担任の先生は驚いて見ているだけでした。
ある東京の中学で、1年から3年まで500人に、学校のご協力のもと、事前アンケートを取っていただきました。子ども達の答えをここでご紹介しましょう。
「いじめって何?」
・命に関わること
・心も体もダメージをもたらすもの
・学校に一番あってはならないもの
・一対多での暴力・暴言・無視
・いじめている本人には楽しいゲーム
・いじめられている本人には最悪のゲーム
・何の価値もない、何も生み出さない、ちっぽけなもの
・人の無関心な心が生み出す残酷なもの
・人から幸せを奪うもの
・嫌がらせ
・孤立させる
・一人ぼっちでまわりが信じられない
・自殺につながる
・見ていても何も言わない人も、いじめている人と同じ
・弱い人間がする事。最低な行い。人権を侵害する事
・集団VS圧倒的少数
このリアルな答えに、私は驚きました。