【専門家が解説】「いじめ」60万件。今、子ども達はその事実をどう捉えているのだろう
これは中学生だからでしょうか?いいえ、そんなことはありません。小学生に聞いても同じような答えが返ってきます。
毎年8月に都内の児童館で小学1年~6年まで、いじめ防止学習会を開催していますが、この時も無邪気な表情で話すシビアな現実に驚かされました。
「はーい。人の心を傷つけることです」
「うざい。キモい。死ね、とか言います」
「仲間に入れない事です」
文部科学省の調査では、教育委員会から文部科学省に報告があがる、いじめ認知件数は、8万件を超えています。
ですが、その水面下で起きている報告にあがらないいじめは、その数十倍、約60万人にものぼるといわれています。
まるで、その一端を垣間見るような教室でした。
夢を描く力は人間が持つ才能。心を傷つけたら夢は描けなくなる
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10250006664
子ども達に、「いじめって何?」と聞いた次は「将来の夢は?」と問いかけます。
そして十人十色の様々な夢を教えてもらった後に、『13歳からの道徳教科書』(育鵬社)と言う本にある大リーガーのイチロー選手の“子供の頃の夢”の部分を朗読しています。
最初はイチローという名前は出さずに「ここで、皆と同じ小学生の時に、ある生徒が描いた作文を読みますね。…さて、誰だかわかるかな?」と問いかけます。
「はーい!イチロー!」とすぐに答えが。
「えー!イチロー!?」と他のみんなからはどよめきが起こります。
そして、私は続けます。
「あのね、“夢”を描けるというのは、人間だけが持っている才能なんだよ。
夢を描いて、その夢に向かって一生懸命勉強する、努力をする。それは人として一番尊敬される行為なんだよ。
夢を諦めないで努力すれば、必ずいつか実現する。今、語った夢を諦めないで。自分の夢だけでなく、お友達の夢も忘れないでね。」
「なぜ、夢が描けるかわかるかな?それは、人間に一番大切な“心”があるから。
心があるから、夢を描く力や夢に向かう力が生まれるんだよ。」
そして、最後にこう伝えるのです。
「なぜ、いじめがよくないか、わかるかな?
いじめられて心が傷ついたら、夢を描く力がなくなるんだよ。自分の夢が大切なように、お友達の夢も大切。
だから、夢を壊すいじめは、絶対にいけないんだよ。