「お母さんもうやめて…」私の子育て相談が、息子の心を傷つけていた
発達障害児の子育てに、親の相談の場は不可欠。しかし、子どもにとってはどうだろうか
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発達障害児を育てていると、診断されてから何度も何度も、様々な相談に赴くことになります。
私の場合、1番最初の相談は市の発達相談でした。その次は病院の発達外来、そして言語療法や音楽療法などでは、その後に先生方との面談もあります。他にも、幼稚園や小学校の先生との面談…。
実は1ヶ月に数回は、「子どもの状態」について相談しています。
この相談は、親にとってとても大切なことです。どうしていいのか分からなくなったとき、何度となくこの相談に私は救われました。
「ちょっとこんなことで困っていて…」と、相談できる場が沢山あるありがたさ。
発達障害児を育てている親が、追い詰められないためにも、このような相談の場は絶対に必要だと私は思います。
一方で、子どもが少しずつ大きくなり、理解力がついてくると共に、考えなければならないことがあります。
それは、この相談の場には子どもも常に一緒にいて、内容を聞いているということ。そして、それはその子にとって、必ずしも嬉しい内容ではないということを。
発達検査の報告で息子の様子が急変。「もうやめて…」
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ある日のことです。発達外来で担当医と話をした後に、息子が私の手を掴んで言ったのです。
息子「おかあさん、僕、ドキドキする」
私「え?なんで?」
息子「僕のテストの結果をお母さんが誰かと話すたびにドキドキする。もうやめて。」
これを聞いて、私は心の底から「やってしまった!」と反省しました。
私は相談することに追われ、側でいつも息子が聞いているという事実をすっかり忘れていたのでした。
その頃はちょうど、小学校就学に向けて発達検査を受けたあと。発達外来や言語療法、そして就学相談など、あらゆる場所で私は、検査結果についての相談に追われていたのです。
子どもの将来への不安で頭が一杯だった私、息子の気持ちに気付けなかった
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そもそも発達検査には、その子の苦手な部分を知り、支援することで日常生活を円滑に送れるようにする、という目的があります。
ですから、検査結果の話をするときは、大抵「この子はこういうことが苦手なんですね」というように、その子の苦手について話すことが多くなります。
大きくなって理解力のついてきた息子は、これを聞いてどう思ったでしょうか。いつもお母さんは、僕の苦手なことを話している、いつもいつもお母さんは僕のことで困っている…そう思ったに違いありません。
ただでさえ、発達検査は子どもにとっては大変なストレスです。
頑張って検査を受けたのに、その後にいつも目の前で「自分の苦手な部分」について話をされる息子は、一体どんな気持ちだったのでしょうか。
このときは本当に、自分の無神経さに落ち込みました。
とはいえ、子育ての不安をそのままにもできない。ではどうしたらいいのだろう?
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実はこれはとても難しい問題で、発達相談にせよ就学相談にせよ、「相談」と言われる場所には、本人同伴が基本です。
それは、本人の態度なども、その場で行動観察として見られているからです。
また、そこで本人を慮って、良い話だけで終わらせるというのも、なかなか難しいのが現実です。相談に来るということは、親も少なからず、追い詰められている状態だからです。
とはいえ、このままでは息子の不安は増すばかりです。
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最近、私が工夫しているのは、相談ごとをあらかじめ書面にまとめておくことです。
発達検査の結果を関係機関に伝えるときには、解説や支援方法などを自宅でレポートにし、封筒に入れて渡すことにしました。
医師や相談員の方には、後で目を通してもらうようにして、子どもに聞こえる場所では、得意な部分や成長した部分についての話題を中心に話しています。
子どもの成長と共にこうして、いろいろと配慮しなければならないことも増えていくのかもしれません。