「同僚はADHDかも?」今日からできる職場での4つの工夫とADHDの特徴
「ADHD」最近よく聞くけど…一体何のこと?
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ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、英語でAttention Deficit Hyperactivity Disorderといいます。
これは、
・不注意性(集中力がない)
・多動性(じっとしていられない)
・衝動性(考えずに行動してしまう)
の3つの症状がみられる脳の機能障害であり、発達障害の1つです。
年齢や発達に不釣り合いな行動が社会的な活動や仕事に支障をきたすことがある障害です。「大人の発達障害」と言われる中でも、最も割合が高いとされているのがADHDです。
大人になると、「大人としての行動」を求められたり、働く上で様々な責任を求められたりと、幼少期にはぶつからなかった困りごとが増える人も多いそうです。
今日は、ADHDの方が働く上でどんな困難を抱えることがあるのか、ご紹介したいと思います。
ADHDの人が仕事で困りやすい10の症状
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遅刻やうっかりミスなどで、「大人なんだから」と周囲の人を怒らせてしまうことも。
不注意によるケアレスミスが仕事でもプライベートでも多く、業務を先送りにして締め切りに間に合わない、という経験のある方も多いようです。
集中を持続することが苦手で、手間がかかったり、時間がかかったりする業務を後回しにしてしまうことも。
その一方で、限られた興味のあることに対してものすごく集中することはありますが、逆に集中しすぎて切り替えができないこともあります。
ADHDの人は、単純作業や雑務が苦手なことが多いです。
注意散漫になりやすく、単純な書類の記入漏れをなくす、書類の数をきちんと数える、いくつかの仕事を同時にすすめる、などが苦手でどれも中途半端になってしまう事もあるそうです。整理整頓は基本的に苦手な傾向があります。注意力が散漫になることが多いので、何かをやりっぱなし・ほったらかしにして片付けられないことが多いです。
ADHDの多動の症状として、落ち着いてじっと座っていられなかったり、そわそわして体が動いてしまったり、長時間座っていると手足がむずむずしてくることがあります。
「頭の中が多動」ともいわれるADHDの人は、同時に多くの情報を取り入れるのが苦手。
そのため一度に多くの指示やタスクを与えられたり、長い説明をされたり、作業中に指示を出されると混乱してしまいます。
衝動性というADHDの特性から、人が話している最中でも思いついたらすぐに発言してしまったり、他の人の作業を悪気なく遮ってしまったり…。
ほかにも、順番を待つことを好まない方、並んで待つということに耐えられない方もいます。
計画的に物事を行うことが非常に苦手な一面もあります。
衝動的に行動する事が多くスケジュールがあったとしても、その通りに進めることが苦手な方もいます。
ADHDの人は子どものころはすぐカッとなって暴力的な行動に出ることがありますが、ある程度の年齢になればむやみに感情を爆発させることはあまりありません。しかし、イライラしやすかったり、せっかちな行動をとりやすく、思い通りにならないとすぐにいらだち、対人関係でトラブルを起こしてしまうことがあります。
仕事でトラブルがあった際に上司への報告をしようとする途中で、他のことに気を取られ報告が遅れてしまったり、業務の優先順位を見誤ってしまう事もあります。
職場にADHDの人がいたら、周囲の人はどうすればいい?
ADHDの診断はなくても、仕事をするうえでこのような傾向がある方はもしかしたら多いかもしれません。そんなとき、周りはどう対応すれば良いのでしょうか。
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「この資料を整理したら、コピーを3部ずつ取って、○社と△社に連絡して」というような依頼の仕方だと、混乱してすべての仕事が中途半端になってしまう可能性があります。
一つずつ、具体的かつ簡潔な言葉で依頼をするとお互いにスムーズに業務に取り組めるでしょう。ADHDの人は、多くの仕事を抱えると混乱したり、頼まれた仕事そのものを忘れてしまうことがあります。
業務内容をすべて書きだしてもらうことで、今自分がするべきことが分かりやすくなります。
また、マニュアルや指示書などを作ると視覚的に手順を追うことができるので効果的です。
ADHDの人は、目や耳から入ってくる情報が多すぎると気が散って集中できなくなってしまいます。
本人のデスクをパーテーションで区切ったり、必要なもの以外をデスクに置かないようにするなど、環境を調整することが効果的です。
本人がADHDがあることを自覚しており、また会社にもそのことが共有されている場合は、どんなことが苦手でどのようなサポートが必要なのか、本人と直接相談するのも一つの方法です。
本人も周りの理解を得ることで仕事がしやすくなり、1人で抱えているつまづきを共有してくれるかもしれません。
一方で、特にADHDであると共有されていない場合は、診断の有無を本人に聞くのはなかなか難しいですよね。
まずは「どうすれば◯◯さんは仕事がしやすくなりそう?」と一声かけて、お互いの業務がきちんと完了する方法をさがしてみるのも良いでしょう。
ADHDの特徴と上手に付き合い、本人も周囲も気持ちよく働けるように
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ADHDには不注意性・多動性・衝動性の3つの特性がありますが、そのなかでも不注意性の傾向が強い人、多動性・衝動性の傾向が強い人、すべての傾向を持ち合わせている人など、症状や特徴は人それぞれです。
また、ADHDだから仕事ができないというわけでは決してありません。
ADHDの人は、興味があるものに対する情熱、自由な発想、行動力から、研究職や営業職・販売職、独特の感性を発揮できるコンピュータ・プログラマー、CGアニメーター、広告関係、デザイナーなどに向いていると言われています。
本人が自分の特性を理解し、周りともうまく共有しながら仕事をすることで、本人も周りも気持ち良く仕事ができるのではないでしょうか。