もし娘が自閉症じゃなかったら…そう考え続けたあの頃にみた夢
自閉症の娘。1つ1つの成長が、飛び上がる程に嬉しい!
Upload By 553kmn(こころ)
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我が家の娘は自閉症と診断されています。
娘の自閉症を疑う前まで、私は自分の娘は当たり前のように成長していくものだと思っていました。
娘が生まれて、初めて首がすわったり、寝返りをしたり、立って歩き始めたり…
娘が赤ちゃんのときに見せてくれた1つ1つの成長の感動は今でも忘れていません。
でも娘が自閉症だと分かってから、娘の成長は当たり前ではないんだと気づいてからは、
娘の言葉が1つ増えた。ジャンプができるようになった。興味の幅が広がった。
それだけで、娘が赤ちゃんだったころの成長を遥かに上回る喜びを感じています。
「もし娘が自閉症じゃなかったら…」そんなことを考えた毎日
娘が自閉症じゃなければ、もう少しお出掛けが楽だったかもしれません。
今は純粋に娘の成長を喜ぶことができていますが、まだ娘が自閉症であるということが受け入れられていなかったころが私にもありました。
「もし娘が自閉症じゃなかったら…」そんなことをしょっちゅう考えていたのです。
娘が自閉症じゃなければ、今頃はきっとママ友とどこかに出掛けて、娘にも友達ができていたかもしれない。
療育のことなんて何も考えず、もっともっと毎日が楽しかったかもしれません。
こだわりも偏食もなくて、自宅で作る料理ももっとレパートリーを増やせたかもしれない、いつも決まった場所にしか行けない外食ももっと楽しめたかも…
そしてなによりも、自閉症じゃなければ、今頃娘と会話ができていたでしょう。
そんな想像をしていた頃、私はある夢をよく見ていました。
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その夢の中では、娘は上手にお話ししていて、色んな話を私にしてくれます。娘はとってもおしゃべりで、私と楽しく会話しているのです。
でも目が覚めると、いつも通りの朝。
いつの間にかこぼれていた涙を拭いて、ああ、また嫌な夢を見たなぁと思いながら1日が始まる。そんな日が続いていました。
娘の自閉症を受け入れた日。夢の中の娘から私への言葉
「娘が自閉症でもいい」ようやくそう思えるようになった日に、
娘は違った形で夢に現れました。
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翼をつけた娘が「ばいばい」
それだけを言い残して空の彼方に消えていく夢でした。
私はすぐに気づきました。
私の憧れていた、自閉症じゃない娘がさよならを伝えにきたことに…。
あのおしゃべりな娘は、あれから1度も夢に出てきていません。
ゆっくりな成長も、独特のこだわりも、今そのままの娘が愛おしい
もしも娘が自閉症じゃなければ、子育てにこんなに強い不安や心配を感じることはなかったかもしれません。
でもそんな娘がいなければ、障害のある子どもを育てる親にとって、1つ1つのささやかな子どもの成長が言葉だけで表わせないくらいに嬉しいということを、私は知ることができなかったと思います。
今は自閉症の娘が大好きです。
最近の研究で、自閉症を発症するメカニズムの一端が解明されたという記事を目にしました。
その記事を見て私は思いました。
もしいつかの未来に、自閉症を100%治療できる薬が開発されたとしても、今の私はそれを使うのをためらってしまうかもしれません。
娘は自閉症で。
自閉症だから娘で。
自閉症じゃなくなった娘は、娘じゃないような気がしてなんだか寂しいのです。