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音楽の授業は絶対イヤ!息子が音楽室に行けない理由を親子でじっくり考えた

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音楽室への移動時間、長男は突然涙目になり…

音楽の授業は絶対イヤ!息子が音楽室に行けない理由を親子でじっくり考えた

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小学校入学直後から「学校いかれへん!」となった大混乱から、私との付添い登校により少しずつ学校に慣れてきた長男でしたが、小3になって新たな壁になったのが、専門教室への移動が増えたことでした。

これまで音楽は音楽室、図工は図工室へ移動するときには、支援級の先生につき添いをしてもらっていました。

しかし、支援級の先生1人で2人以上の子を担当する体制になったことで、常時サポートが難しくなり、私の付き添い登校時間を再び増やさざるを得なくなりました。

その日の4時間目は音楽。クラスメートが列をつくって移動し始める中、長男は「行かれへん!」と叫び、教室に戻ろうとしました。なおも進もうとする先生や私を押し戻そうとするので、廊下で相撲をとっているような感じになりました。

「どうして行かないの?」という先生の問いかけにも、涙で目を赤くして「とにかく行かへん!」と言い続けるばかりです。

音楽を学校で習いたいと思えない。目的が見出せないと納得できない長男

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なぜ音楽室に行きたくないのか理由を聞いてみました。

私「しっかり聞くから考えていることを言葉で説明してほしい」

長男「だって、行く意味がわからへんもん…図工は、その日にその作業をしないといけないって理解してるから行ける。陶芸だったら、みんないっしょに窯に入れないといけないとか。

でも音楽は、自分はぜんぜんやりたくないし、今日絶対にそこにいないといけないってことが理解できへん」

先生「音楽も一緒。今日は〇〇っていう曲を始めて鍵盤ハーモニカで吹いてみる日だから、聞いておいてほしいなって思ってるの」

長男「自分は、ぜんぜんふけないし、みんなのをただ聞いててもしんどい。絶対暴れるか、床に寝てるしかできない!
手と目の協調運動が極端に苦手な長男は、聞くことにも集中しなくてはならない楽器の演奏が、ものすごく苦手なのです。

長男「無理や!」
そう言うと、と先生から逃げて私の方にきて、手をひっぱってその場を離れようとします。

私「そんなにひっぱったら痛いよ!」

その後の先生との話し合いで、先生には先に音楽室へ行ってもらうことにしました。

どうして行けないの?ゆっくり話すことで出てきた本音

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その後私と2人だけになったので、落ち着ける場所へ移動して話すことにしました。


植物が大好きな長男が落ち着ける場所は菜園です。冬野菜が育ち始めている学校の畑のへりに、とりあえず2人で腰をおろしました。

長男「なんで自分は音楽室に行かれへんのやろう」

私「予想だけど、音楽室へ行くことが自分の中から湧き出してきた考え、行動じゃないからだと思う。自分でやりたい!と思ったことなら難しいことでもできるけど、しなさい!と言われたことはかなり簡単なことでもできない。キミにはそういう特徴がある」

長男「それって、先生とかに理解してもらう必要ある?」

私「半分ぐらいは、あるかなあ」

長男「なんで?」

私「それがわからないと、今みたいにお互いに嫌な思いしなきゃいけないから。行きましょう、行けません、の繰り返しで平行線。音楽室に行くだけなら、普通そんなに難しいことじゃない。理由がわからなくて先生や周りの人もイライラしてしまうでしょう」

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長男「自分は、理解してもらわんでもいいと思ってる」予想通りの反応。
でも、言葉の奥には葛藤がありそうな気もしました。

私「まあ、正直、完全に理解してもらうのは難しいし、必要はないかもしれないと思ってるよ」

長男「なんで?」

私「理解してくれたとして、『じゃあ、〇〇くんはもう音楽室に行かなくてもいいよ』って言ってもらう?そしたら、音楽室に行く力が身につきにくいと思う。できれば、大きくなるころには音楽室に行ける体質になれるほうがいいと思わへん?」

長男「そう…やろな。やけど、やっぱり無理やわ」

私「今はね。けどいつか、いろいろやってるうちに、ひょっと行けるようになると、お母さんは思ってるよ」

その後、2人で音楽室へ。先生は来てくれたことを喜んでくれたけれど…

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私が「そろそろ行こか」と言うと、長男はゆっくり歩きはじめました。音楽室に着くともうすぐ授業が終わる時間で、何も楽器はできませんでした。

先生「気持ちを落ち着けて、よく来てくれたね」

私「どうして音楽室へ移動できないのか?2人で話しながら理由を考えていました」

先生「音符を読みながら吹くのが難しいと感じているのかなと思い、カタカナで書いておきました。支援していきますから、頑張ってほしいです」

私「先生、楽譜にドレミを書きこんでおいてくれたよ」と長男に伝えました。


話しながら、先生は本当に理解してくださっていないかもしれない…と、頭の隅で思いました。

長男の特性では、「難易度を下げる」ことは「がんばり」のエンジンになりにくいのです。それよりも「音楽をやることが腑に落ちる」「音楽をやるのが楽しく思えるアタマとカラダになる」のが行動を変える早道なのです。

どうアプローチすれば、長男の行動は変わるのだろうか?

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今のところ、私を含めて他人の指示をキャッチし、カラダを動かすのがとても難しい長男。

彼自身のアタマがカラダに「音楽室、行ってみたら。行ってみてもきっと大丈夫だよ。それどころか、もしかしたら楽しいかもしれないよ」と命令できるようにするのがポイントかな、というのが私の推論です。

他者の指示を聞いてすぐに動けるアタマとカラダの持ち主である先生には、想像しにくい特性だと思います。
言えばわかってくれる、動いてくれると私自身もずっと思っていましたが、ずっと観察してやっと「こういうことかも」と思うようになりました。

家では替え歌を作ったり、楽器を作ってみたり、また知り合いの音楽の先生のおうちに遊びに行ってピアノを触らせてもらったり、アタマとカラダを耕す感覚でいろいろ試しています。

思ったよりはノリがいいので、心の底から音楽が嫌いではないんだとわかり、ちょっと安心もしました。

しんどさはなくならない。でも、現場でしかわからないことがある

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我が子が暴れたり、他の子ができてることができない姿を見るのは、「しんどいな…」と感じる時も多いですが、やっぱり学校は、できること、できないことを見わける機会として活用できるように思います。

「あー、がっこうって、ほんまに、しんどいわ」

と、毎日口ぐせのように言っていますが、今のところは「そやなー、けど、ぼちぼちでOKだから登校を続けてみたら」と言っています。

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