「ちょっと変な子」と言われるけど…私が娘の個性を大切にしたい理由
アスペルガー症候群の娘が遊ぶ姿は、まるで蝶々
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私の娘にはアスペルガー症候群があります。
私が幼稚園を訪れると、園庭で遊んでいる娘を見かけることがあります。
基本はひとりで遊んでいます。
ふわふわと中途半端な位置で舞っていたり(笑)、
ふわ~っと遊具のところへ行って遊んだと思えば、またふわ~っとどこかへ…
その様子はまるで蝶々のようです。
娘は自分のペースで、自分のイマジネーションの中で遊んでいるんだなぁと思いながら見ていると、私はとてもあったかい気持ちになります。
幼稚園の先生方もそんな娘を暖かく見守ってくださり、
空気や顔色が読めない娘の発言を「だからこそ真実味があって信用できて、心に響く」と評してくださったりします。
周りの方のそんな言葉を聞くのはとても嬉しく、また娘を誇らしく感じていました。
就学相談担当者から指摘された、娘の様子
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そんなある日、就学相談の担当者の方が幼稚園での娘の様子を観察しに来ました。
その担当者の方の口から娘の様子を聞くと、
・ホールに集合してみんなで先生の話を聞いているときに、誰に何の断りもなく水を飲みに行った
・自分の近くに置いてあるペンをお友達に「取って」と言われても、名前を呼ばれるまで自分が言われていることに気づかなかった
など色々な指摘をされましたが、あの蝶々のように遊ぶ娘の様子についても報告がありました。
ジャングルジムに登って、そこにいたお友達とちょっと喋ったと思えば、
園庭の隅にある、娘お気に入りの葉っぱを取りに行き、
そこへいた年少さんと少し言葉を交わし、今度は砂場で遊んでいたお友達に声をかけたと思えば、
ふらふら~っと今度は鉄棒のところへ行って前回りを数回、その後…
と、いつも見かけるような様子を微笑ましく聞いていたのですが、担当者の方はこう言いました。「お友達とじっくり関わったり、腰を据えてじっくり遊ぶことがなかったですね。」
他の子にはない娘の良いところを、つぶしたくない!
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まるで娘の遊び方に問題があるかのようなその言葉に、私は考えさせられました。
「うーん、私は全然そんなこと問題だと思わないんだけどなぁ…
むしろ彼女の持つ空想力というか夢見がちなところを大事にしたいんだけどなぁ」
そう思うと同時に、
「ああ、これは大事にするっていうか、守ってやらなきゃ潰れてしまう!」
と決意と危機感が合わさったような気持ちになったのです。
娘の個性を大事にしたい。そう思えるようになったのは、自分の幼少期を思い出したから
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今でこそこんな娘の様子を「守ってあげたい」と思うようになった私ですが、娘に「凸凹がある」と指摘されたばかりのころは、「娘のことがわからない」と悩んだこともありました。
娘の個性を大切にしたいと思えるようになったきっかけは、自分の子ども時代を思い出したことです。
親に「どんな子だった?」と聞くと、私は必ず「ちょっとませた、変な子だった。」と言われます。
幼稚園の頃の記憶を思い返してみると、園庭の一角にあった小さな森のような場所が大好きでした。
そこに一人で座って、リスやクマ、ウサギやシカなどの森の動物がやって来て、木の実でパーティーをやるという妄想をしながら遊んでいました(笑)。
またある時は、朝食のパンに入っていた小さな四角いチーズを持って、「ここははネズミのお家に違いない」と思っていた建物のひび割れに空いた穴に詰めに行ったり。
親や周りの大人からは「変な子」と思われていたかもしれないけれど、私にとってはとても幸せな思い出です。
娘にもそんな素敵な思い出を大事にしてほしい。
他の子と少し違うからといって、すぐそれを「問題」と決めつけて娘の個性をつぶしたくない。そう考えた出来事でした。
「わが子のことが分からない」と行き詰まったときは、自分やパートナーの子どもの頃はどうだったか?と周りに聞いてみたり、思い返してみたり、家族で話してみてはいかがでしょうか。