不登校の子は家で何をしているの?笑顔が絶えない娘の過ごし方
私が抱いていた不登校のイメージは、ネガティブなものだった
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皆さんは「不登校」という言葉にどのようなイメージをお持ちでしょうか。
私はとても暗いイメージを持っていました。人の目を気にし、暗い部屋でじっと息を殺して暮らしているような、そんな勝手な想像を漠然と抱いていました。
しかし実際に子どもたちが「不登校」になり、家で過ごす様子を見ていると、その言葉のイメージとのギャップに戸惑いを覚えるようになりました。
不登校の様子は以下の記事をご参照ください。
子どもたちの様子に「不登校」という言葉は似合わない
学校や幼稚園に行かなくなってから、子どもたちはとてもよく笑うようになりました。毎朝必死で登校し、疲れ果てて帰宅していた頃には1度も見たことのなかった、のびやかな笑顔です。
こんなに明るい「不登校」があったのか!と、自分でも驚いています。
現在2万5千人ほどいると言われる小学生の不登校児。もちろん、その家族の数だけさまざまな過ごし方がありますので、私が抱いていたイメージのようなご家庭もあるのかも知れませんが・・・。
実態を知らずに勝手なイメージを抱き、それを固定させるのは本当によくないな、と自分に言い聞かせています。
とにかく、とても明るく家で過ごしている子どもたち。私たちは、学校や幼稚園に行かずに家で過ごすことをマイナスイメージの強い「不登校」ではなく、ポジティブなイメージの「ホームスクール」と呼ぶことにしました。
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab201201/detail/1324454.htm
不登校児童生徒数の推移(文部科学省)
それでも娘の不安は尽きないようで…
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小学3年生の娘が学校に行かなくなって初めの半月ほどは、何も言わずにやりたいことをやらせてみました。
読書が好きな娘は1日中本を読み、人目が気にならない時間帯に庭で遊び、自由を満喫していました。
学校へのストレスが原因でチック症状がたくさん出ていたので、自由に過ごすことで少しでもそれが軽減されればと思っていたのです。
そうしているうちに、娘が自分から「お勉強をしなくてもいいのかな?」「お友だちはどんどん先へ進んでいるのに」と言うようになりました。
それならばと、国語・算数・理科・社会・音楽・図工・体育の7教科を毎日30分ずつ時間を決め、勉強することにしました。
これは、元来自由時間を過ごすことが苦手な娘には、とても良いやり方でした。
「何をしてもいいよ!」と言われると、何をすればいいのか決められず、ただただぼんやりとした時間が過ぎていき、娘自身もそれに焦りを覚えていたからです。
30分ごとに鳴るアラームに合わせて予定表を確認し、「よし!次は社会だからあの本を読んでみよう!」「あ、次は体育だからDVDを観ながらダンスをするね!」とくるくる動き回る娘は、本当に楽しそうでした。
ルールに厳しいアスペルガーの娘。「ホームスクール」は特性への対応を学ぶいい機会に
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ある日、図工の時間に「絵の具で絵を描きたいけどいい?」と尋ねられました。
私「もちろん!それがホームスクールの醍醐味だからね!」
娘「でも、絵の具を使ったら30分で終わらないと思うんだけど・・・」
私「それだったら、予定を変更してみてもいいんじゃない?やりたいことが見つかったら、思い切りやったらいいよ。ここは学校じゃないから、絶対にスケジュール通りに動かないといけないことなんてないんだよ。
臨機応変にね!」
娘「わかった!」
娘はその後の予定を2つキャンセルし、たっぷり1時間半、画用紙に向かって絵の具で絵を描き続けました。
こうして、たとえ予定を立てていても、やりたいことが見つかった時には少しずつ予定を変更しながら毎日を過ごせるようになりました。
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「急な予定変更に弱い」「決めたルールは頑なに守る」という特性を持つアスペルガーの娘ですが、これを機に「まあいいか!」と割り切れる瞬間が少しずつ増えてきたように思います。
今はまだ、自分で決めたスケジュールの変更を許せるようになった段階。
これが少しずつ広がって、他人の都合でスケジュール変更が行われた時も、怒ったり泣いたりせずに「まあいいか!」で乗り切れるようになってくれればいいな…と思います。
時間を自由に使えるのも、ホームスクールならではの良さ
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そうこうしているうちに、「今日は1日絵を描いて過ごしたい」「今日は1人になって読書に専念したい」「今日はずっとアイロンビーズをやりたい」と言うようになり、いつの間にか30分区切りのスケジュールを立てることはなくなってきました。
学校に行かなくなってすぐは、学校のお友だちに遅れないように、学校の進捗に合わせて勉強しておかなくては!という意気込みが私にも娘にもあったように思います。
でも最近は、せっかく思い切ってレールを踏み外したのだから、学校の進捗にこだわることはなく、思い切り好きなことに没頭するほうが人生が豊かになるんじゃないかな?と思うようになりました。
ただしテレビやゲームといった、誰かが作ったものを一方的に受け止めるようなものに時間を費やすのはもったいないので、ゲームは1日30分、テレビも決まった時間に親と一緒に観るようにしています。
今は芸術の秋・読書の秋ということで、1日中LaQで何かを作ったり、本を見ながらひたすら新しいおりがみに挑戦したり、アイロンビーズであらゆるモチーフを作ったり、テーマを決めて図書館で借りた本をたくさん読んだり、同じ映画を何十回も観たり・・・。そんな風にしながら毎日を過ごしています。
勉強もしないと!という気持ちは、漢字検定に挑戦したり、算盤や学研などの習いごとに通うことで解消するようにしています。まだまだわが家のホームスクールは始まったばかり。これからどんな風に変化していくのか、私自身の楽しみでもあります。
http://www.laq.co.jp/product/
LaQ (ラキュー)
ルールから外れて1番不安なのは子どもたち。だからこそ、楽しい時間を大切にしたい
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不登校になって、どのように過ごせば良いのかわからない、というお声をよく耳にします。
わが家では「子どもの笑顔が引き出せることかどうか」を最優先に考えています。
その時にやりたいことが見つからなければ、「こんなのがあるけどやってみる?」「こんなイベントがあるけど行ってみる?」と声をかけ、子どもが興味を持ったものだけを一緒にやってみるようにしています。
そうすることで、少しずつではありますが、子どもたちの世界を広げていくことができるのではないかと思います。
そして、親子が一緒に没頭できる何かを見つけることができれば、喜びを共有できる瞬間や会話が増え、子どもは「この家にいていいんだ」「学校に行かなくても楽しんでいいんだ」「お母さんは私の気持ちを分かってくれるんだ」という安心感に包まれて過ごすことができるようになるのではないでしょうか。
子どもだけに合わせるのではなく、親も一緒に楽しめる何かを見付けることができるといいですね。
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