息子の歌声はまるで騒音…イライラする家族を見て、娘が言ったひとこと
ある朝。気分の良い息子は大声で歌い出し…
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子どもの純粋な発想や言葉というのは、ときどき大人をハッとさせることがあります。
ある朝のこと。
ずいぶんと上機嫌な息子は大きな声で独り言を言い、歌を歌いながら学校へ行く支度をしていました。
その様子は、こう書き出すと和やかな雰囲気に感じるかもしれません。ですが、息子はADHDとアスペルガーの特徴を併せもっています。その場に合わせた行動が難しく、声の大きさや気持ちのコントロールが苦手。
息子の歌声は私にとっては、とても耳障りで心をザワつかせるものでした。
周囲の様子に気付けない息子にとって、独り言は自分だけが楽しくあればいいという気持ちのみで、口からとめどなく出続けます。
歌は音量も音程も考慮されていない「騒音レベル」の代物だったのです。
この騒音、穏やかではいられない…でも
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確かに歌声はうるさいですが、息子は誰かを責め立てているわけでもなく、言葉遣いが目に余るほど悪いわけでもなく、支度も進んでいました。
取り立てて注意する必要はないと思いながらも、私はザワザワとする心を押しつぶして食卓につきました。
ふと前を見ると、私と同じように苦虫をかみ潰したような顔をしている夫が…。
目配せとため息をつきながら、「しょうがない。ガマンしよう」…
そのとき、私たち2人は息子の行動に対し、おそらく同じ気持ちを感じていました。
そのとき、娘の呟いた一言が私達の考えを一変させた
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「お兄ちゃんが笑っていて嬉しい」
娘の一言を聞いてハッとしました。
そうだ。
息子は機嫌が良くて心地よさそう。そして、娘はそれを見て喜んでいる。
私たちは、これ以上何を望もうとしているんだろう…。
いつも娘は、息子に大きな声で責められると、怖くて黙ってしまいます。
でも娘は兄のことが好きで、息子は妹のことが大好き。
その2人が幸せを感じているこの瞬間を、私達も一緒に感じるだけでいいのかもしれない…。
そんなことに気が付いた一言でした。
「そうだね、お兄ちゃんが笑ってるとみんな幸せになるね」
子どもたちに気付かせてもらった、家族が笑顔になる方程式
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私は最初、息子の歌声を「不快」と感じていました。
それを無くすため、例えば「もう少し小さな声にして」と息子に声をかけたとすると、楽しく歌っていたはずの息子にも「不快」が生じます。
そこにでき上がる公式は
私の「不快」+息子の「不快」=2人の「不快」です。
息子への注意によって私の不快が消える訳ではないので、2人とも「不快」を感じることになるのです。
しかし、娘の投じた一言は、私の感覚を根底からひっくり返してしまう考え方でした。
つまり、私の「不快」を「快」にしてしまうことにより、息子の「快」も保たれたままになり、結果として2人ともが「快」になるのです。
根本の見方を変えるだけで、家族全員が楽しい気持ちのままいられるということを、2人の子どもたちから教わりました。
「物事の捉え方は考え方次第」と、年長さんの娘から教わるとは
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言うまでもありませんが、この朝は家族全員がご機嫌に過ごすことができました。
どれだけ狭い固定概念の中にいたのだろう…と、娘に思い知らされた朝でした。
だからといって、毎日自分で気が付いて、聖人君子のように息子と接することができるわけではありません。ただ、1度でもそんな貴重な経験ができたことは、これから先息子を育てていく長い時間の中で、きっと役に立つときがあるだろう、と信じてやみません。