普通級から支援学級への転学を経て。発達障害の長男が語った心境とは
普通級から特別支援学級へと転学した長男。過ごしやすさはどう変化した?
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小5の長男には、自閉症スペクトラム・ADHD・学習障害の診断が出ています。
就学相談では普通学級を勧められて小学校へ入学しました。ところが学年が上がるごとに学習障害に苦しめられ、学校に行くことができなくなった長男。
いろいろ悩みましたが夫婦で話し合った結果、今年の2学期から知的障害対象の特別支援学級に転学しました。
長男が現在通っている支援学級では、3人の担任と4人の介助員とで、1年生から6年生まで十数人の子どもたちを指導しています。
授業では、学年ごと3、4人の少人数指導で、1人ひとりの実態と目標に合わせた課題の提示をしてくれるので、今まで授業のスピードについて行けず、わからなくても聞くこともできずに、ただ授業時間を耐えていた長男にとっては、やっと「学べる」授業を受けられるようになったのではないかと思います。
生活面では、朝学習と朝の会から始まる規則正しいスケジュールで時間にもゆとりがあり、スケジュール変更や慌ただしいことが苦手な長男にとっては、過ごしやすいようです。
また、友達と遊ぶことが大好きな長男に、新しい学校で友達ができるのか?楽しく遊べるようになるのだろうか?という不安もありました。
今は同じ学年の交流学級には行かず、支援級だけで学習や生活をしています。その中で、下級生の面倒をよく見るので慕われているらしく、6年生のお兄さんとは意気投合し、放課後お互いの家で遊ぶほど仲良くなることができました。
先生方のフォローなどがきっと行き届いていることもあるのでしょうが、すぐにみんなと仲良くなれて、休み時間には楽しく遊ぶ毎日を送れていること、本当に良かったと胸をなでおろしています。
それでも、悩みや不安は尽きなくて…
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彼の特性に合ったカリキュラムにはなったけれど、長男本人にとっても、以前より学校生活は楽になったのかな…?
私たち親にとっては、それが何より気になるところです。
家での様子は、以前に比べて穏やかになったと感じています。イライラして当たり散らしたり、自分を責めて大泣きしたりすることは減ってきました。
それでもたまに、「学校いやだな~」「今日も疲れちゃったよ…」という言葉を長男から聞くたびに、「なんで?何があったの?何がまだ辛いの?」とビクビクしてしまう私がいます。
支援級に移ってもまだ毎日が辛いなら、後はどうしてあげたらいいの?わからない…。
また、将来のことを夫婦で話し合うたびに、「支援級に移ったことで、長男が将来やりたいことができなくなったらどうしよう…」という弱音を吐いてしまいます。
今まで辛そうな長男をずっと見てきたので、親の私が少し過敏になっているのかもしれません。
そんなある日、長男が自ら語ってくれた現在の心境
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そんなある日のことでした。
大好きなハンバーガーショップでニコニコとお昼を食べていた長男が、私と2人きりになったとき、急に話し始めました。
長男「お母さんあのね…、今ね、毎日楽しいな~と思えるんだ。大変なこともあるけど、前より楽になった感じ。」
私は急に話し出した長男にビックリしましたが、笑顔で「うんうん」と聞くことにしました。
長男「そうだな~…小さい頃の僕に戻った感じかな。いろんなことが楽しいって思えるし、嫌なことがあっても、まあいっかって思えるんだ。
幼稚園の年中さんぐらいからね、僕ずっと辛かったんだ。グラグラする吊り橋にずっと乗ってるみたいで、いつかヒモがブチっと切れるんじゃないかって、怖かった。
今思えば、1番辛かったのが、3年生の頃だったな。色んなことがワーッて僕を襲ってきて、どうしたらいいのかわからなかった。今はね、大丈夫だなって、思えるんだよ。」
私たちの選択は適切だった。長男に、そう励まされた気がして…
私はただ笑って、彼の頭を優しくなでていました。
次男がそのとき席に戻って来なかったら、たぶん泣いていたでしょう。
長男は、幼児の頃から自分が抱えている辛さを自覚していたのでしょう。でも、上手に表現できなかったし、助けを求めることもできなかった。
ただただ「幼稚園行きたくない、学校行きたくない。」と言って泣くことしかできない彼に、当時の私は「わがまま言わないの!」と理解してあげられなかった…。
どれほど絶望的で救いがなく、辛い毎日だったのか…。
その頃の気持ちを客観的に捉え、今こうして表現できる長男に本当に驚きました。
そして、今を「楽しい!」と笑顔で話してくれた長男に、私の方が救われたような気がしたのでした。
夫婦で思い出したのは、子育てで最も大切なことだった
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ちょうどその日の翌日、夫が嬉しそうに私に話しかけてきました。
たまたま通勤途中に長男の学校を通りかかったところ、支援級のみんなで朝マラソンをしている長男に会ったそうです。
友だちと笑顔で話したり、じゃれあったり…本当に楽しそうだったとのこと。
夫「俺、思い出したんだよ。
長男は小さい時、あんなふうに底抜けに楽しそうな笑顔をする子だったよね。長いことあんな笑顔見ていなかった気がするけど、そういえば最近また見られるようになったと思わない?」
ああ…支援級に移って、あの子は本当に良かったんだ。
やっと心底、そう思えるようになった瞬間でした。
不安は尽きない。それでも「楽しい!」と思える日々が、きっと将来への道につながっている
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それでも、将来への不安はやはりあります。彼が幸せな大人になるための道を、これからも親子で真剣に模索していかなくてはならないし、支援級にいたことで辛い思いをすることが、今後出てくるかもしれません。
それでも、今を「楽しい!」と言って、前を向いて生きていける。本来、長男が持っている明るさや優しさを活かし、伸ばすことができる。そんな長男なら、きっと困難にぶつかっても乗り越え、自分の道を前へと進んで行けるんじゃないか…。
今の彼を見ると、そう思えるのです。私たち親にできることは、彼が「楽しい!」と思える毎日を過ごせるよう、環境を整えていくこと。そして、困難にぶつかったときに、「一緒にいるよ」と伝えて、共に乗り越えていくこと。
これからも揺らぐことはあると思いますが、改めて親として彼を支え、見守っていきたいと思います。
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