学校へ行く朝に「足が痛い…」と訴える娘。それは本人も自覚しない"SOS"でした
幼いころから続いた、娘の「足が痛い」という訴え
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8歳の娘にはアスペルガー症候群の診断が出ています。ある日「学校をやめる」と宣言してから、毎日家で過ごしています。
そんな娘ですが、不登校になる前はよく、足の痛みを訴えていました。
そのたびに「成長痛かな?」「きっと身体が大きくなろうとしているんだよ」と軽く聞き流していました。
しかし、ピアノの練習や宿題の最中など、「どうして今?」という場面でも痛みを訴えるため、不思議に思っていた私。
足の病気かな?と不安に思ったりもしましたが、遊びの時間になると「もう治った!」と走り回っているので、病院へ行く程でもないのかな…と様子見を続けていたのです。
本当に痛いの?どのくらい痛いの?あまりにも辛そうな娘を前に
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足の痛みが子どもの心と繋がっていると気がついたのは、娘が登校を嫌がるようになってからのことでした。
毎晩「足が痛い」「動かせない」と訴えるようになり、ベッドで娘の足をさすってあげる時間が増えました。
学校をお休みすると痛みは引いていき、また夜になると痛みを訴えるのです。
登校のストレスが、娘の体に痛みをもたらしていたのですね。
学校を休みがちなお子さんの中には頭が痛い、お腹が痛いと訴えるケースが多いというのは知っていましたが、まさか足にくるとは!気がついたときは、目からウロコ状態でした。
このような話をすると、「そう言えば休ませてもらえるから『痛い』って言ってるだけじゃないの?」「親が甘やかすから図に乗る」などと言われることがあります。
確かにそのようなケースもあるのかも知れません。それでも、子どもがそこまで追い詰められているのならば、休ませてあげるのも大切な選択肢の1つなのかも知れないなぁ…と、個人的には思っています。
娘と一緒に、痛みが現れるタイミングを洗い出してみた
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さて、子どもが足の痛みを訴えてきたとき、それが本当の痛みなのか?本当ならどの程度の痛みなのか?他人である私にはわかりません。それでも、涙目で痛みを訴えてくる子どもの言葉を信じることから始めてみることにしました。
そして娘と一緒に、「どんな時に痛みが出るのか」を観察してみることにしたのです。観察を続けて行くうちに、少しずつ痛みの出るタイミングが見えてきました。
前日から学校を休むと決めている場合は、痛みが出ることはありません。
行けそうなら行ってみよう!と言ってベッドに潜ると痛みが出てきます。学校だけではなく、新しい習い事の体験日が迫っている時なども、痛みが出ることが分かりました。
そうして長期間観察した結果、「安心できる場所以外へ出かける予定がある場合、足に痛みが出る」という結論に達しました。
極度に緊張する場面で、手に汗をかくなどの反応が出る人もいますが、娘の足の痛みもそのような反応なのだと考えることで、少しずつ娘の不安を探る手段にもなっていきました。
観察や分析を繰り返すことで知った、子どもが抱えている漠然とした不安
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ある日の会話です。
娘「ママ、ここのところずっと足が痛いんだけど、どうしてかな?」
私「あれ?特別なところに行く予定はないはずだけど...」
娘「そうなの。でも痛いからどうしてかなぁと思って。」
母「そうねえ・・・。あ!もしかして、この間水泳教室でテストに合格したから、次から平泳ぎに入るでしょ?それでちょっと水泳教室に行くのが不安に思えるのかも?どうかな?」
娘「確かに!平泳ぎはやったことがないから、怒られたらどうしようってずっと怖かったんだ!ママ、ありがとう!それだ!」
母「そっか。じゃあ少しでも不安を軽減させるために、パソコンで平泳ぎの基礎を調べてみたらどうかな?いろんな動画もあると思うよ!」
娘「なるほど!やってみるね!」
母「きっと、一度水泳教室で平泳ぎを教えてもらえば足の痛みは取れるから、それまではマッサージしたりして乗り切ろうね。」
娘「そうだね!次の水泳教室までの我慢だね!」
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こんな風に会話することで、娘の中でよく見えていなかった不安を洗い出せるようになっていきました。
生活の中で漠然と抱えている不安要素を、足の痛みをきっかけにきちんと捉えることができるようになり、娘自身理由が分からないまま機嫌が悪くなったり、他人にきつく当たったりすることが減っていきました。
一時は娘が足の痛みを訴えるたびに「何がいけなかったのか」と、鬱々とした気分になる私でした。
でも今では、「足が痛い」と相談されると、「いいサインを出してくれたね!何が不安なのか、一緒に考えてみよう!」と、プラス方向に捉えられるようになりました。
子どもの訴えを信じることで、見えてくるものがある
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「足が痛い」「頭が痛い」「お腹が痛い」…。
子どもからいろいろなサインが出たとき、「気のせいだよ」「頑張りなさい」と痛みを無かったことにしてしまうのは、実はとてももったいないことなのかもしれません。
まずは一旦痛みを受け止め、子ども自身がきちんと掴み切れていないストレスの原因を探るチャンスに変えてみても、よいかもしれませんね。