子育て情報『[第3回]「心は今でも不登校」そんな僕だからこそ伝えたい』

2017年3月27日 14:00

[第3回]「心は今でも不登校」そんな僕だからこそ伝えたい


学校に行くたび、「あの時の僕」に出会う

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「JERRY BEANS」の講演ライブは、多い年で年間約130件にのぼる。小学5年生から中学3年生まで、ずーっと学校に行けなかった自分が、大人になってからこうして全国の学校を回るようになるなんて、人生って本当に不思議で面白いなと思う。

不登校だったからといって、いま学校を訪ねること自体にしんどさはない。だけど、子どもたちの前で講演をする時は、やっぱり辛くなる。何回やっても慣れない。

でも心や命を伝えることに慣れてしまったらダメだと思う。だからいつも必死で伝えている。

どんな年代、どんな学校の子どもでも、講演に行くたびに、「あの時の僕」と似たような子どもに出会うから。
周りの子どもとの違いを感じ、常に独りぼっちで孤独な感覚を抱えている子どもたちに。

今でも人に発信することは苦手で、始まる前は毎回怖くなる。講演で話していると自分も涙が出てくる。でも前を見ると、子どもたちやお母さんたちも泣いている姿に気づいて、「あぁ、僕はこの怖さに向き合わなあかん」って気持ちになる。

自分の経験を伝えることで、明日死のうと思っていた人が、明日もなんとか生きていこうと思えるようになってくれるのなら、恐怖と向き合って発信していこうと決めた。


学校の先生だって、決して完璧じゃない

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10272002474

5年生の居残り授業で僕に「字が汚い」といった当時の担任とは、卒業するまで話す機会もなかった。だけどその先生は、卒業式のときに僕への謝罪の手紙を書いてくれていたのだ。

その手紙は母がずっと持っていて、長らく読むことができなかった。
当時、僕がまだ不安定だったから、先生の気持ちを知って自分を責めたらいけない、と思って預かっていたそうだ。

講演活動を始めた頃に、ようやくその手紙を受け取った。

「君の気持ちがわかってあげられずごめん。」

その手紙を読んだ時に、「あぁ、きっとこの先生も、必死に子どものことを考えてくれていたんだろうな」と気付き、涙が溢れてきた。思いが真剣でも、その伝え方やタイミングがずれてしまっていることって、たくさんある。それは誰にでも起こる、人間らしい失敗にすぎなくて、先生だって例外じゃない。

子どもも先生も親も、完璧を目指す必要はない。

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