「知的レベルは1歳未満」そう言われた次男のiPadを覗くと…
発達検査の結果はいつも「測定不能」の次男。
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我が家のもうすぐ年長になる次男は、これまでに受けた発達検査で一度もまともに取り組むことができず、結果はすべて「検査不可」「測定不能」の状態です。
「積み木を積んで」の指示がわからず、「丸描いて」の意味もわからず、そもそもテストをしているということすら認識していない様子でした。
検査員の方が「この数字がそのまま彼を現しているとは決して言えないけれど…」と前置きをしたうえで、「知的レベルは1歳に満たないというのが測定の結果です」と私に告げるのも毎度のこと。
そりゃそうです、一問も答えられていないのですから。
それでも次男が検査の場所に(ときには大泣きしながらも)がんばって居られたことが立派だと思うばかりで、「検査結果がこうだから、なんとかして数値を上げなきゃ」というように思うことは、私にはありませんでした。
「ありのままで成長してくれれば」その願いの裏で、どこか感じていた”諦め”
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我が家の長男も発達障害の診断を受けていますが、ナイーブ・センシティブな長男とは打って変わって次男は生まれてこのかたずっと大らか。
同じような特性を持っていてもこうも違うものかと、「特性」「個性」「性格」の違いをまざまざと見せつけられる毎日です。
次男は散歩している犬を見かければ寄って行き、公園では木々が風でそよぐ様を見てずっと笑っているような、自然が好きでおっとりとした男の子です。
「検査の数値がどうであろうと、君は君の感性で、君の早さで大きくなればいいよ」
そう思っていました。
でももしかしたら私は次男のことを「ありのままで」という美辞麗句の裏で、「こちらが必死で働きかけても仕方ない、できない子」だと思っていたのかもしれません。
知的レベル1歳未満の次男が、iPadでつくったもの。それは…
そんなわけで、私は次男は今のありのままの感性を生かして、将来は動物に関わる場所で仕事をしてはどうか。自然が大好きだから、どこか遠い島でのんびり暮らすのもいいのかも。なんてことを勝手に考えていました。
しかし、驚きの事態が起こります。
次男には、「動画を見るくらいにしか使えないだろう」と思いつつiPadを渡していました。なにやらそのiPadに夢中になっている次男。
人気ゲームの「マインクラフト」で遊んでいます。その手元を見てみると…
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え?
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え!??
3次元では積み木を指示通りに積めなかった次男は、2次元の世界で積み木らしきものを積み上げて、なにやら建造物やオブジェを作っていました…。
私にはもうよくわからない「回路」たるものまで出来上がっているそうで…。
「うそでしょ?これ誰が作ったの??」
本当に本当に申し訳ないのですが、疑ってしまいました。
だって「知的レベルは1歳に満たない」と言われた子がこのような物を、しかも誰にも教わらずに作れるなんて想像できるでしょうか?
数値だけでは分からない、次男の本当の姿
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「たくさん話しかけて」
「絵本を読んで」
「テレビは見せないで」
「もっと愛情を注いで」
世の中一般的に子育てでするべきといわれていることですが、周りからこんな言葉をかけられるたび虚しい思いをしてきました。
だって何をやっても彼は1歳未満のままじゃないか。積み木は積めないし、円も描けない。
ですが、この一件で頭を強く打たれた思いをしました。
3次元の積み木を積むこと、紙に鉛筆で円を描くこと、それによって導き出された数値を追いかけるのはやめよう、と。
次男の可能性は、これまでの尺度では計り知れない
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さて、次男のことを「自然や動物が大好きな男の子」とだけ認識していた私ですが、どうやらそれだけではなかったようです。
もしかしたらこれまで「できない子」とされてきた人たちが今の時代を生きていたら、昔にはなかったツールを経て「できる」ことがもっともっと見つけられたかもしれない。
可能性はもはや既存のルートだけに落ちているわけではないのかもしれない。
そう思うと、「知的レベル1歳未満」の次男を見てワクワクすら覚える日々です。
私自身は発達検査の方法やそれを行うことに対して反対ではありません。ただ、その結果を見て「成長のために絵本を読ませるといい」「テレビを見せるのはよくない」「iPadなんて育児放棄だ」と言いたくなる方もいるかもしれません。
それでも、これまでの尺度で私の子どもを測らないでほしい。
既存の「健全な子どものあるべき姿」にとらわれず、「2次元では積み木積めますが、何か?」と胸を張れる世の中になってほしい、と願うばかりです。