自閉症児はママに興味がない?後追いすらしなかった長男、6歳になると…
ふれあい遊びという時間では、先生方は音楽に合わせて長男のお腹をくすぐったり、リラックスさせて顔や手足に触れたりします。
お友達と手をつないだり人同士が《触れ合う》練習をさせていくことで、次第に長男は触られることを嫌がらなくなりました。そして少しずつ笑顔も増え、表情が豊かになっていったのです。
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後追いすらしなかった長男が、初めて母の私に見せてくれた表情は…
療育に通って3年目の時だったと思います。その日は親子で通園する日だったのですが、父兄の懇談会が重なっていました。私はクラスで一緒に過ごした後、長男と別れ、懇談会のあるホールへ移動しました。懇談会が終わった後、私はもう一度長男のいる教室を覗きました。
給食を取りにいこうとする長男の姿が見えました。
特に私の姿を探しているようには見えません。普段から私を後追いしたり求めたりしない長男です。
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たぶん反応しないだろうなと思いながらも、私は先生の後ろに隠れ、ぱっと現れて声をかけてみました。すると長男はビックリした顔をして突然手で顔をおおい、その場にしゃがみこみました。
えっ?と思って見ていると、長男はぱっと立ち上がりました。覆っていた手をはずしたその顔には満面の笑みが浮かんでいました。
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こんなに嬉しそうな長男の顔をはじめて見た――そう思ったとき、長男が私の元に走りより腰にしがみついたのです。
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「ママ、帰ってきてくれた。もう離れちゃだめだよ!」
私にしがみつく息子の強い力を感じながら、私は初めて療育へ来たときの願いが今、叶ったのだと涙がでました。
自閉症児の親だからこそ、子どもの小さな変化が大きな幸せになる
長男が私に体を寄せてきたり、膝に乗って甘えたり、目に見える形として愛情を示してくれるまで、長い長い時間が流れていました。
この子が自閉症でなければよかったのに、何度も何度も思いました。けれど甘えてきたり、言葉を話したりすることが生まれつきの障害ゆえ、すぐにできない子どももいるのだということを療育へ通ううちに知り、決して私は一人ではないんだと多くの親子さんとの交流の中で気付きました。そして親子通園でたくさんの子ども達を見ながら、どんどん成長して変わっていく様子も見させていただきました。