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自閉症児はママに興味がない?後追いすらしなかった長男、6歳になると…

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次男とはちょっと違う、長男の遊び方…もしかして自閉症なの?


1歳になる前の長男は、まだ自閉症だとわかっていませんでしたが、定型発達の双子の次男に比べると変わった行動をとっていました。突然テーブルに頭をゴンゴンと打ち付けたり、重ねて遊ぶコップのおもちゃを回し続けたりするのです。

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いずれは次男のように積み木で遊ぶようになる…私は長男の行動が気になりつつも、成長すれば変わっていくだろうと思っていました。けれど、3歳を迎える頃になっても行動に変化はありません。飽きることなく、むしろ執拗といっていいほどに繰り返される遊びに不安を抱き、私はパソコンでこの行動について検索しました。

そして浮かんできたのは自閉症という文字…。思い当たることはありました。

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「おいで」と長男を呼んでも目をそらされ、抱きついてくるのはいつも次男だったこと。


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呼びかけに反応せず、触れることを嫌がり、たまに目があってもガラス玉のような瞳で私を見ていたこと。

そこに母への甘えや愛着といった感情は一切読み取れなかったのです。

3歳になってすぐ、こども病院の保健発達課を受診しました。結果自閉症であると診断され、お医者さんからは療育へ通うことをすすめられました。悲しみにくれる間もなく、市役所で療育への入園手続を済ませた時、これからどうなるのか――という不安が押し寄せてきたのを覚えています。

初めてひとりで療育に行く日も、淡々としている長男。ママに甘えてくれる日は来ないのかな?

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不安な気持ちを抱えたまま数ヶ月がたち、やっと療育に通えるようになりました。

桜の舞う4月の入園日、どうかこの子がママと言って甘えてくれますように、そう願いました。もし言葉が出なくても、せめて嫌がることなく抱きしめさせてほしいと思いました。


けれど長男は初めて一人で通園するというのに、お母さんと別れて悲しい、嫌だというそぶりも見せず、淡々とした表情でバスに乗り込みました。長男を見送りながら、そんな日がくることはないのかな……と悲しい気持ちになりました。

それほど当時の長男は、感情というものがみえにくい子どもだったのです。

療育に通うことで表情が少しずつ変わり始めた!


けれど療育に1年2年と通ううち、長男の表情が目に見えて明るくなっていきました。ふれあい遊びという時間では、先生方は音楽に合わせて長男のお腹をくすぐったり、リラックスさせて顔や手足に触れたりします。

お友達と手をつないだり人同士が《触れ合う》練習をさせていくことで、次第に長男は触られることを嫌がらなくなりました。そして少しずつ笑顔も増え、表情が豊かになっていったのです。

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後追いすらしなかった長男が、初めて母の私に見せてくれた表情は…


療育に通って3年目の時だったと思います。
その日は親子で通園する日だったのですが、父兄の懇談会が重なっていました。私はクラスで一緒に過ごした後、長男と別れ、懇談会のあるホールへ移動しました。懇談会が終わった後、私はもう一度長男のいる教室を覗きました。

給食を取りにいこうとする長男の姿が見えました。特に私の姿を探しているようには見えません。普段から私を後追いしたり求めたりしない長男です。

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たぶん反応しないだろうなと思いながらも、私は先生の後ろに隠れ、ぱっと現れて声をかけてみました。すると長男はビックリした顔をして突然手で顔をおおい、その場にしゃがみこみました。


えっ?と思って見ていると、長男はぱっと立ち上がりました。覆っていた手をはずしたその顔には満面の笑みが浮かんでいました。

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こんなに嬉しそうな長男の顔をはじめて見た――そう思ったとき、長男が私の元に走りより腰にしがみついたのです。
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「ママ、帰ってきてくれた。もう離れちゃだめだよ!」

私にしがみつく息子の強い力を感じながら、私は初めて療育へ来たときの願いが今、叶ったのだと涙がでました。

自閉症児の親だからこそ、子どもの小さな変化が大きな幸せになる


長男が私に体を寄せてきたり、膝に乗って甘えたり、目に見える形として愛情を示してくれるまで、長い長い時間が流れていました。

この子が自閉症でなければよかったのに、何度も何度も思いました。けれど甘えてきたり、言葉を話したりすることが生まれつきの障害ゆえ、すぐにできない子どももいるのだということを療育へ通ううちに知り、決して私は一人ではないんだと多くの親子さんとの交流の中で気付きました。
そして親子通園でたくさんの子ども達を見ながら、どんどん成長して変わっていく様子も見させていただきました。

そのたびに思ったのが、発達がゆっくりな子どもの初めての瞬間に立ち会えることは、とてつもなく幸せだということ。

例えば「お母さん」というたった一言の言葉を投げかけてくれるそれだけでも……

定型のお子さんが自然に身に付けたことを、何倍も時間をかけてできるようになったとき、ほんとうに大きな大きな喜びを運んでくれるのです。

おそらく、当時の私のように感情を示さないお子さんに不安を抱えている方がいらっしゃると思います。けれどその暗闇はずっと続くわけじゃないんです。いつかその子だけにしかできない、大きなご褒美をお母さんに届けてくれる日がくるということをどうか、知っていただければと思います。

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