他人のルール違反が許せないのはなぜ?小4の娘と話し合ってみた
家でのルールをうっかり守れなかった息子。するとそれを見た娘は突然…
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わが家には自閉症スペクトラムの診断を受けた9歳の娘と6歳の息子がいます。
アスペルガーの要素が強い娘と、ADHDの要素が強い息子。タイプはまったく違います。
さて、わが家ではYouTubeを観るのは1日30分と決めています。刺激を求め続ける息子は放っておくと丸1日、パソコンの前から離れられなくなるからです。それぞれにタイマーを用意し、「自分で時間をセットしてアラームが鳴ったら終了」というルールにしています。
ですが息子は動画を選ぶのに夢中になって、時々タイマーのセットを忘れてしまいます。
普段は私が声をかけて注意を促すのですが、先日たまたま息子の行動を見ていた娘が、突然怒りを爆発させたのです。
「ちょっと!!タイマーをセットしてないじゃない!!」
「時間を誤魔化そうとしてるんじゃないの!?」
「適当なことばかり!いい加減にしなさい!!!」
と、突然怒鳴りつけ、勝手に息子のタイマーをセットしました。それでも怒りは収まらず、ふんぞり返ってまだ文句を言っています。
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「どうして突然怒鳴りつけるの?」
「タイマーを忘れてるよ、って教えてあげるだけで良かったんじゃないかな?」
と聞いてみましたが、娘本人もどうしてそんなに腹が立つのかわからない様子です。
「ずるい、羨ましいっていう気持ちがあった?」と聞いてみても答えはノー。
では一体、どうして他人の行動にそこまで腹を立ててしまうのでしょうか?
そういえば、自分にも心当たりが。他人には「突然怒った」と思われるけれど
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実は私にも似たような感情があるのです。
まったく関係のない人でも、誰かがルールを破ったのを見てしまうと猛烈に腹が立ち、取り憑かれたようにそれについてばかり考え、怒りの感情に飲み込まれてしまうのです。
誰かがルールを破る行為を見た瞬間、怒りは爆発的に湧いてきます。でもそれを口にする時は我慢の限界を超えたときです。
他人にはこの経緯が見えないため、いつも「突然怒る」という印象を与えるようです。
これは「ルールに厳格である」という特性に、「自分と他人の境界が曖昧」という特性が重なったために起こるのではないかと考えています。
今回の娘の感情を洗い出すと、以下のようになりました。
・ ルールは絶対に守るべき
・ タイマーをセットし忘れるなんて有り得ない
・ 早くタイマーをセットするべきだ
・ どうしてセットしないんだ
・ 私だったら恥ずかしくてたまらない
・ 居ても立ってもいられない
・ あなたがやらないのなら私がセットする
・ これで最悪の状態は回避できた
・ しかしどうしてきちんとルールを守らないんだ!
途中までは息子がルールを守らないことに対して怒り、途中からは息子がルールを破ったことがまるで自分のことのように許せずに怒っています。その結果、勝手に自分の思い通りの状態にしようと強引に行動してしまいました。
思い通りに状態が改善されたにも関わらずまだ怒りが収まらないのは、ルール違反に対する怒りが解消されていないからだとわかりました。
娘の思考は理解できましたが、これでは突然怒鳴りつけられる息子が不憫です。どうすれば皆が快適に過ごせるようになるのでしょうか。
「自分と他人は違う」ということを理解するために、親子で振り返ってみた
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娘にはまず、紙に線を引いて、自分と他人の間には境界線があることを伝えました。
この線はとても大事なもので、他人が勝手に相手の陣地に踏み込んではいけないこと。
ずかずかと踏み込んで、他人の行動を無理矢理変えさせるような人の隣には、誰も寄りつかなくなること。息子のタイマーを勝手にセットしたのは、「相手の陣地に乗り込んで自分の思い通りにする」という暴力的な行為であったこと。
「タイマーを忘れているよ」と教えてあげるのは親切、でも「タイマーをかけなさい」と命令するのは威圧。
たとえ家族であっても、境界線を超えてはいけないこと。
自分にも他人にも、それぞれ物事を選択する自由があること。
今回、息子のタイマーを勝手にセットしたことで、息子が失敗からなにかを学ぶ機会を奪ってしまったこと。
人は、境界線を超えてこないという安心感が信頼感に繋がり、共に歩んでいけるのだということ。
娘は「そんなつもりはなかった」「正しいことをしたつもりだったのに」と目に涙を浮かべていました。でも、今の失敗を責めているのではなく、これからどうすればいいかを一緒に考える時間だよ、と諭しながら話し合いました。
娘との対話で気付いた。親である自分も、気を引き締めよう!
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話しているうちに、これは私も気をつけなければならないなと、気持ちを引き締めました。
「早く寝なさい!」という命令は、「そろそろ寝た方がいいんじゃない?」という提案に。
「早く用意しなさい!」という指示は、「早く用意を終わらせた方が出発まで焦らなくて済むから安心だね」という成功体験を思い出すきっかけに。
そんな風に私自身も変えていくことにしました。
やってみるとわかりますが、自分を変えるということは、本当に根気のいる作業です。
子供にも自分にもすぐに成果を求めるのではなく、今やってることは「きっと来年の今頃に結果が出てくる」と長い目でゆったりと見守っていけるといいですね。
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