大人のチック症とは?症状とストレスとの関連性、受診先や治療法、生活上の工夫を紹介!
そこで、以下に3つの生活上の工夫を提案します。
周囲の人に理解をしてもらえると、不安や緊張感にさいなまれる気持ちはだいぶ軽くなるのではないでしょうか?チック症を診察してくれる医療機関や自助グループでは、症状理解のためのパンフレットを作成し、啓発を促しています。下記に参考リンクを2つ紹介するので、ぜひご覧ください。
http://kokoro.umin.jp/pdf/tic.pdf
参考:厚生労働省|障害者対策総合研究事業「チック」や「くせ」をよく知ってうまくつきあっていけるように
http://tourette-japan.org/wp-content/uploads/2016/01/design_151211_print.pdf
参考:NPO法人 日本トゥレット協会|もしかして「トゥレット症候群」ではありませんか?
チック症の説明を自分ですることが難しい時に、これらのリンクをメモしておいたりパンフレットを印刷して携帯しておいたりすることも、理解者を増やしていく工夫の1つです。しかし、現実には周囲の理解は得にくい、チック症が出ていると伝えること自体に羞恥心や恐怖心があるとお悩みの方も、中にはいらっしゃることでしょう。そのような、一人で悩まれている方々には、ぜひお知らせしたい言葉があります。それは「合理的配慮」という言葉です。
合理的配慮とは、障害のある人が障害のない人と平等に人権を享受し行使できるよう、一人ひとりの特徴や場面に応じて発生する障害・困難さを取り除くための、個別の調整や変更のことです。
障害者差別解消法では、合理的配慮の対象は“法が対象とする障害者は、いわゆる障害者手帳の所持者に限られない”としており、様々な社会の誤解や偏見により困難がもたらされている人も含むと規定しています。不安や緊張感にさいなまれるチック症当事者には配慮を求める権利があり、配慮は行政や事業者の義務であると法律が定めています。また、当事者を支援するために家族やパートナーが代理で配慮を求めることも認めているのです。
このような法律を持ち出さなくても、人間の多様性を認め互いに合理的な配慮を行うことで社会は円滑に運営できる、社会はそこまで成熟しつつある、という考えは今後も広まっていくことでしょう。チック症においては孤立しないということも広い意味での心理的治療になるといえるので、支援の手を憶することなく利用できるとよいですね。