2017年4月19日 14:00
ノーマライゼーションとは?ノーマライゼーションの歴史や時代背景、身近な例を紹介します!
ノーマライゼーションでは、その社会の実現のために必要な支援は社会側がすべきだと考えられています。
◇「ノーマライゼーションは特別な支援をなくすこと」ではない
ノーマライゼーションは、障害のある人が支援を受けずに生活できるようにするということではありません。例えば、目が悪くてもメガネやコンタクトなどの補助器具があるおかげで不自由なく生活できます。ノーマライゼーションは、障害のある人が不自由なく生活できる助けになる支援・サービスを推奨している考えです。
◇「ノーマライゼーションは軽度な障害にのみ適用される考え」ではない
ノーマライゼーションの考えは、重度の障害を抱える人にも適用されます。ノーマライゼーションの原理は、重複障害者が当たり前のことをするためにはたくさんの支援が必要になると指摘しています。
◇「ノーマライゼーションは完璧を目指すもの」ではない
ノーマライゼーションは、誰もが完璧に自立した生活を送れる社会を目指す考えではありません。一人ひとりの、障害や能力などに応じて最適な支援や環境を整えることを目指す考えです。
https://www.amazon.co.jp/dp/4768434835
参考書籍:ベンクト ニィリエ/著『再考・ノーマライゼーションの原理ーその広がりと現代的意味』現代書館 (2008年)/刊
社会福祉の基本原理ノーマライゼーションの歴史
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10430007629
ノーマライゼーションはデンマークで生まれました。ノーマライゼーションの誕生に偉大な功績を残した人物が、バンク・ミケルセンです。彼はデンマーク社会省で働きながら、1951年に結成された知的障害児親の会に共感します。
知的障害児親の会は以下の3つのことをスローガンとして掲げていました。
・1500人収容する大型施設を20~30人の小規模な施設にすること
・社会から分離されていた施設を親や保護者の生活する地域に作ること
・ほかの子どもと同じように教育を受ける機会を作ること
ミケルセンは、親たちの願いを象徴的に表現する言葉として「ノーマライゼーション」を採用しました。
ミケルセンの活躍もあり、1959年に世界で初めて「ノーマライゼーション」という言葉が用いられた「知的障害者福祉法」