解離性健忘とは?記憶を失ってしまうの?解離性障害のひとつ解離性健忘の原因・症状・治療法などを解説
解離性健忘とは?
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「解離性健忘」とは、強いストレスの原因となった過去のできごとや感情などの一部やすべてを忘れ、思い出そうとしても思い出せなくなってしまうことです。思い出せないことで、日常生活や社会生活で支障をきたし、本人が精神的につらい思いを抱えている場合には治療が必要となります。
アメリカ精神医学会が監修している『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)では、解離性健忘を定義する特徴として以下の2つを挙げています。
1.確かに記憶されているはずで
2.通常なら簡単に思い出せるような、体験など自分にまつわる大切な情報が思い出せない
なお、DSM-5のほかにも、精神障害の診断基準には世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)が用いられています。いずれの診断基準でも、解離性健忘は「解離性障害」という大きなカテゴリのなかのひとつの種類として分類され、解離性障害の中で中心的な障害であると考えられています。
解離性障害のほかの障害でも、ほとんどの場合で解離性健忘の症状がみられます。言い換えると、解離性健忘は健忘以外の症状がみられません。
解離性障害については、発達ナビの記事で詳しい解説をしていますので、ぜひお読みいただければと思います。
なお、解離性健忘は、女性や若い人に多いと言われています。
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(出典)岡田尊司/著『子どもの「心の病」を知る: 児童期・青年期とどう向き合うか』(PHP研究所、2005年)
解離性健忘の原因
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解離性健忘は、極度のストレスや心の傷などといった、精神的な原因がきっかけとなって生じます。
解離性健忘の原因となるものには、以下のような体験がふくまれます。
・事故・事件・戦闘・災害のような急激なもの
・虐待やDV、いじめ、家族間の葛藤など、精神的苦痛や葛藤が慢性的なもの
本人の心が耐えきれないつらい体験を受けているときは、いつもの記憶の仕方とは異なる方法で、脳の別の場所に記憶されます。