子育て情報『「友だちと一緒なのにひとりぼっち」アスペルガーの娘が抱える孤独の正体と、親の私が願うこと』

2017年6月25日 11:00

「友だちと一緒なのにひとりぼっち」アスペルガーの娘が抱える孤独の正体と、親の私が願うこと

娘が感じていた「孤独感」は、この「ガールズトークの苦手さ」から来ているのだと思います。

本を読むのが大好きな娘は、お友だちと登場人物やストーリーについてあれこれお話ししたいのですが、まず読んでいる本が違うのです。学校の女子の間で流行っているのは恋愛小説や友情物語。娘が好きな『十五少年漂流記』や『ぼくらの七日間戦争』、探偵ものや推理小説を読んでいるのは上級生の男の子ばかり。

娘もみんなに合わせて『一期一会』や『1%』を図書館で借りて目を通してみましたが、あまり興味を持つことができないようでした。なので、学校でその話題になると「おもしろいよね」「すごかったよね」と適当に相槌を打って過ごしていたようです。

また、みんなが夢中になっているアイドルは好きになることはできず、内心ではつまらないなと思っていても、にこにこ笑って一緒に盛り上がったふりをすることに疲れていたのだろうと思います。


上手にやってるように見えても、心の中は...

「友だちと一緒なのにひとりぼっち」アスペルガーの娘が抱える孤独の正体と、親の私が願うことの画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28174005559

お友だちに囲まれてお喋りをしている姿を見ると、保護者や先生方は「楽しく過ごせているな」と感じがちです。
私も参観日にそんな娘の姿を遠くから見て「お友だちとうまくやっているんだな」と安心していました。

しかし、自分が本当に好きなことは話せず、興味の持てない話題にその場しのぎで対応をしている時間は、娘にとっては苦痛な時間だったのです。

そんな休み時間に疲れ果てたとき、娘はそっと校庭に出て、ジャングルジムの頂上から一人でプールを眺めていたそうです。誰もいないその場所で、安堵のため息をつきながら季節の移り変わりを感じている時が、唯一自分でいられる時間だったそうです。

娘が興味を持つものや、それについて一生懸命調べて得た知識を分かち合える相手は、今の段階では同じアスペルガー症候群のお友だちか大人しかいませんが、今はそれでいいと思っています。

同学年の集団の中で揉まれることももちろん大切だとは思いますが、自分を押し殺さず、興味のある分野で共感し合える相手がいる環境を見つけるのも、アスペルガー症候群を抱える子どもたちにとってはとても大切なことだと思います。娘の場合は、いろんな大人と知り合い、興味のある分野のお話しを聞いたり情報を共有したりすることが、“娘らしく生きる”ということに繋がっているのだと思います。

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