順調に忘れ物常習犯へと進化する小2アホ男子(ADD)、ところが先生はまさかのベタ誉め!?
2年生。本人も気に病むほど、注意欠陥の特性が顕著になって…
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我が家の小2息子、小学校入学以降、注意欠陥障害(ADD)特性が目立ち始め、この年齢の男子のそもそもの特徴もあいまって、順調に「アホ男子化」している今日この頃。
授業参観=息子にとってのイレギュラーな環境では、ますます注意力散漫になったことは以前のコラムでお伝えしたが、あんなものははっきり言って序の口だった。
「今日の授業で空のペットボトルが必要なんだよ!」と朝に報告したり、「実はあの日、新聞紙が必要だったんだよね」と翌日以降に告白するのは通常運行。最近では宿題など、毎日コツコツと何かをこなすことが困難になってきた。要は、エネルギー出力が安定しないのだ。何日も溜め込み、ある日一気に集中して片付けている。
自分も息子同様にADDの傾向があるため、「あれ?私もこんなだったっけか?」と小学生時代を振り返ってみるが、似たもの親子とはいえ別個人。宿題も提出していたし、忘れ物も少なかった。
私のチェックが甘かったのかと反省し、一応声かけを繰り返すようにしているが、ままならないことは多々ある。
息子自身もそんな自分が歯がゆいと感じているようで、「自分は将来どうなってしまうのか」と不安そうに呟いた夜もあった。
親子の心配をよそに先生は太鼓判!?個人面談で耳にした「息子の成長」とは
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担任の先生は、私たち母子に揃って発達障害があることをご理解してくださっている。対策について相談しようと思っていた矢先の6月、個人懇談が行われた。
「息子さん、随分と成長しました!」
着席するや否や、先生がそんなことを笑顔でおっしゃるものだから、私は面食らってしまった。
毎日宿題を提出できないことや忘れ物が増えたことは決して退化ではないが、成長とは呼びにくい。ポカンとする私に、先生はどのように成長したのかを説明してくださった。
■成長①
以前であれば、苦手な作業(息子の場合は絵など)に関しては遅々として進まず、手すら出そうとしないこともあった。
今では「自分ではここまでできるけれど、この先を進めることが難しい。手助けかヒントをもらえないだろうか」というように申告してくる、もしくは自分なりの代替案を提示してくるようになった。
■成長②
以前は、宿題や忘れ物をしてもこちらから指摘されるまではそのままだった。
今では宿題や忘れ物に関しても自分から報告してくる、そして「何か借りられる物があれば貸して欲しい」と自分から願い出てくるようになった。
つまり、自分のウイークポイントを把握し、失敗や不得手をリカバーしようという姿勢が見られるようになったということだ。家で息子はそんなことを口にしなかったから、私は更に驚いてしまった。
そう言われると…うん、確かに大きく成長している。
「できないことや失敗自体は悪いことじゃないんですよね。
特性上、受け身になってしまうのも仕方ないと思っていました(息子と私は受身型と呼ばれるタイプの自閉症スペクトラム=ASDも持っている)。そんな息子さんがここまでできるようになったのは、本当に素晴らしいことですよね!」
ー
昭和50~60年代に、私は学童期を過ごした。そのころといえば、失敗をすれば教師に叱責され、廊下や教室の後方に立たされるなど、見せしめのような懲罰を課せられることが当たり前の時代。
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「私も小学生のとき、あんな先生に出会いたかったな…」
我が子の特性を尊重し、温かく見守っていただけているありがたさと、ほんのちょっぴり息子をうらやむ気持ちを抱きながら、私は自転車のペダルを踏み、帰路についた。
生きていくために必要なのは、失敗や不得手に対する怯えではない
Upload By 鈴木希望
ミスしないように注意したり、スキルを磨くことはもちろん大事だが、実際社会に出てみると、失敗や不得手をリカバーしようとする努力を要される場面の方が多いと私は感じている。はっきり言って、うまくできなかった事実そのものに目くじらを立てているのは時間の無駄なのだ。そんな時間があれば、他人に助けを求めることを含め、問題を解決するための具体的な行動を起こした方が良い。
成人発達障害当事者の中でも、自分がした失敗を気にするあまりに思考がネガティブスパイラルに陥ってしまったり、また失敗をすることを恐れて行動できなくなってしまうことが少なくないようだ。
「あのね、失敗や不得手に怯えて行動しても、何もいいことないからね。かえって失敗が増えるのよ。これ、経験談。注意と怯えは別物。急ぐと焦るも別物でしょ?あ、関係ないか」
私も相談を受けることがちょくちょくあって、だいたいこんな風に答えている。
と、偉そうに書いているが、かくいう私もつい最近までこれができなかったし、今も少しだけ苦手である。ASDの特性上、抱え込みやすい(誰かに頼るという発想が即座に浮かびにくい)というのもあるが、どこかに「失敗や不得手は悪いこと、叱責されるべきこと」という感覚が残っているのかもしれない。
とにかく、「生きていくために必要なのは、失敗や不得手への怯えではなく、それが起こったときに対処しようとする姿勢」ということで担任の先生と意見が一致し、私は嬉しい。
もし今もどこかで無意味な懲罰が行われているのだとしたら、一刻も早く滅してほしいと願ってやまない。
ー
さて、息子の宿題や忘れ物に関する対策だが、「これまでどおりの声掛け、学校と家庭の連携」という話でまとまった。帰宅した息子に早速確認だ。
「息子さんや、連絡帳を見せてくれないかい?」
「あ、連絡袋ごと学校に忘れてきた」
「オイ!!!!!!」
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