子育て情報『私たちには「発達障害者代表」として戦う必要なんかない』

2017年7月10日 16:30

私たちには「発達障害者代表」として戦う必要なんかない

として、24時間戦闘状態に陥ってしまっては本末転倒だ。

私たちには「発達障害者代表」として戦う必要なんかないの画像

Upload By 宇樹義子

誰かが何かの属性の看板を背負い、「お前はここが違うから仲間じゃない」「お前にわかってもらえるはずがない」などと声を枯らして叫びつづけることは、皮肉にもコミュニティをバラバラにしていってしまうことがある。

なぜって私たちは、何かの属性を持つ者たちである前に、バラバラな違った個人の集まりだから。戦闘的になって違った属性を指摘しつづけていったら、最後には誰も残らなくなってしまう。たまねぎの「皮」を剥き続けたら最後には消えてしまうのと同じだ。

言葉づかいの丁寧さの問題じゃない。発信に向かうときの心の態度の問題だ。私はこの点で、長いこと間違ったことをしていた、と思う。
言葉は丁寧なものの、私は間違いなく「看板を背負って戦っていた」からだ。

私がこよなく尊敬する精神科医・臨床心理士であり、日本におけるPTSD治療の第一人者である白川美也子先生の本がある。

この本ではまず、トラウマを抱えた人は「3つのF」と呼ばれる症状を示すようになると説明される。
・Fight(戦う)
・Flight(逃げる)
・Freeze(固まる)

Fight(戦う)の項ではこんな説明がされている。

私は上のくだりを読んだとき、ああ、これは私と仲間たちにそっくりだと思い、ひとしきり涙が止められなかった。そして、そのあとに出てくるこんなメッセージに、とても楽になった。

やがて自分の苦しさをそっちのけにして、同じような被害に遭う人をなくすため、果敢に立ち上がり、戦い始めます。その戦いによって自分の身近にいる人を暴力や虐待から守ることができたとしても、世界にはたくさんの傷ついた女性や子どもたちがいて苦しんでいることに気づきます。
戦いには終わりがありません。

https://www.amazon.co.jp/dp/4901030221/
大切なことは、被害者にも加害者にも、そしてそれを傍観する人にもならない、三角形の3つの角の真ん中にしっかりと立つことなんだよ

回復の過程において、あなたが誰かに過去のトラウマ体験を語ることだけが、誰かを救うメッセージになるのではありません。それを生き延びたあなたの身体の動きや声や、あなたの創る詩や奏でる音楽や描く絵が、人に何かを伝えます。
あなたが生きているだけで本当に十分なのです。

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