小さなミスにもパニック!そんな息子を落ちつけた「失敗の受け入れ方」
些細な失敗で「死んでしまいたい」と口走る息子
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先日、自閉症スペクトラムの診断が下りている息子と並んで歯磨きをしていた時のことです。私の真似をして舌磨きをする息子に、「力を入れ過ぎると、舌にある味蕾(みらい)っていう細胞が傷ついて、味がわからなくなったりするかもしれないんだって。だから気をつけてそっとやるんだよ」と声をかけました。
「えっ、味がわからなくなるかもしれないの?」と言いながら息子は静かにキッチンへと消え、その直後に娘の「やめてよっ!」という怒鳴り声と、夫が息子を叱る声が聞こえてきました。
どうやら、娘が氷を入れて飲もうと準備していたコップの水を、息子が勝手に飲んでしまったようなのです。
パニックを起こし、「だって!!!味がわからなくなってたら困ると思って!!!早く確かめなきゃ、味が、味がぁぁぁ!!!」と泣き叫ぶ息子。
息子の行動には、どんな気持ちが潜んでいたのでしょうか。一旦キッチンから寝室へ息子を移して気持ちを落ち着かせた後、息子とじっくり話をすることにしました。
「いったい、どんな気持ちだったの?」
「お姉ちゃんなんか、殴ってやりたいと思った」
私にはその怒りの根底には別の気持ちが潜んでいることが感じ取れました。
「どうしてそう思ったの?」
「だって味が分からなくなったら大変なのに怒るから」
どうやら、味が分からなくなるって言われたことを必要以上に真に受け、怖くなってしまったようです。そのため、いてもたってもいられず、娘の用意した水をとっさに飲んでしまったということのようです。
「そうか、味が分からなくなったらどうしようと思って怖かったのね。でも、あなたにそんな事情があるってお姉ちゃんもパパも知らないから、突然やって来てお水を飲まれたらやっぱり怒っちゃうよね。先にきちんと事情を話していたら、きっと『早くこれを飲んで確かめてごらん?』って言ってくれてたと思うよ」
しかし、その言葉を受けめることはできなかったようで、
「もう、僕は、なんてバカなんだ!僕なんて死んでしまえばいい!」と叫んで、息子はまた泣き出してしまいました。
終わってしまえば、ささいな間違いなのに
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いつもは温厚な性格の息子が、他人を恨んだり、自分自身を傷つける言動をする回数が、ここのところ増えてきたのが気になっていました。