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赤ちゃんと目が合わない…原因や疾患・自閉症スペクトラム障害との関係、 育児不安への対処法まとめ

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赤ちゃんと目が合わない…

赤ちゃんと目が合わない…原因や疾患・自閉症スペクトラム障害との関係、 育児不安への対処法まとめ

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赤ちゃんは人の目を好んで見つめると言われています。

赤ちゃんを抱っこしている時や授乳をしている時、パパ・ママが赤ちゃんを見つめていると、赤ちゃんもパパ・ママを見つめ返してくれる時があります。

ですが、赤ちゃんと目が合わない、目をそらされてしまうことに悩んでいるパパ・ママもいるといいます。赤ちゃんと目が合わないと、赤ちゃんとのコミュニケーションが取れている気がしなくて辛いと感じることも少なくありません。また、目の病気があるのかも?目が合わないことが特徴の一つと言われている、自閉症スペクトラム障害かも?など不安に思う方も多いのではないでしょうか。

以下から、赤ちゃんと目が合わない原因や赤ちゃんの視力発達のメカニズム、目が合わないことと疾患や自閉症スペクトラム障害との関係性について詳しく説明していきます。

赤ちゃんと目が合わないのはなぜ?

赤ちゃんと目が合わない…原因や疾患・自閉症スペクトラム障害との関係、 育児不安への対処法まとめ

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赤ちゃんと目が合わない時、その原因としてどんなことが考えられるのでしょうか。

育児本やウェブサイトで調べてみると、ついつい「目の疾患」「自閉症スペクトラム障害」という言葉が目についてしまうかもしれません。
でも、赤ちゃんと目が合わない原因の大半は、そこまで心配しなくてよいものだったり、成長の過程であったりするものです。例えば、次のような原因があります。まずはそれらに当てはまる様子はないか、赤ちゃんの様子をよく見てみましょう。

赤ちゃんにとって身の回りの物はすべて新鮮であり、興味や関心の対象です。大好きなパパ・ママがそばであやしてくれていても、他に何か気になるものを見つけると、そちらへ興味の対象が移ってしまうこともあります。

生まれたばかりの赤ちゃんとはいえ、一人ひとり個性があり、性格も異なります。じっと凝視されるのが少し苦手な赤ちゃん、好奇心が強く、目新しいものにきょろきょろと視線を移す赤ちゃんなどさまざまです。育児書など子育てに関する情報から「赤ちゃんは一定の月齢になるとパパ・ママと目を合わせるようになるはずだ」などと思い込んでしまうと、自分の赤ちゃんにそのような様子が見られない場合、途端に不安になってしまいがちです。
赤ちゃん自身の育ちのペースや個性を受け入れ、見守っていくという姿勢が大切です。

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水野 克已/著『笑顔で子育てあんしん赤ちゃんナビ―6か月(はじめ)よければすべてよし! 』2013年/メディカ出版

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公益財団法人母子衛生研究会赤ちゃん&子育てインフォ

赤ちゃんは自分のことをあやしてくれる人の表情や声にとても敏感です。

生まれつき視覚や聴覚からの刺激に敏感な赤ちゃんもいます。急に近づいたり、顔を近づけたり、大きな声で話しかけると顔を背けてしまうかもしれません。目が合わせにくいからと焦って目を合わせようとすると、赤ちゃんもその不安やストレスを敏感に感じ取るかもしれません。

赤ちゃんをあやす時、自分がどのような表情をしているか確認することが、赤ちゃんと目が合わない原因を探り当てるヒントになるかもしれません。

赤ちゃんと目が合わない時、ここまでで紹介したことが原因となっていることが多数ですが、もしかしたら次のようなことが原因である可能性もあります。

目の病気の発症や視力の異常が見られる赤ちゃんは、視線が定まらなかったりきょろきょろしたりする様子が多く見られます。
赤ちゃんによく現れる目に関する異常には、斜視・眼振・弱視などが挙げられます。これらの詳しい症状や治療方法に関しては「目が合わない赤ちゃんと目の病気の関係って?」の章で解説します。

発達障害の一つである自閉症スペクトラム障害には、「人とのコミュニケーションが苦手・困難」「こだわりの強さ・感覚のかたよりがある」という特徴があります。自閉症スペクトラム障害の症状には視線が合いにくいことも挙げられていることから、目が合わない赤ちゃんに対して自閉症スペクトラム障害かも?と不安になるパパ・ママもいるでしょう。

赤ちゃんと目が合わないということだけで自閉症スペクトラム障害であると診断されることはなく、さまざまな視点からの検査・観察から総合的に判断されます。ですが、自閉症スペクトラム障害と診断がつく年齢(3~5歳頃が多いとされています)の子どもが赤ちゃんの時、「目が合わなかったな…」と感じるパパ・ママは少なくないようです。目が合わない赤ちゃんと自閉症スペクトラム障害の関係性に関して詳しく知りたい方は、「目が合わない赤ちゃんと自閉症スペクトラム障害との関係って?」の章をご覧ください。

赤ちゃんの視力発達のメカニズム

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赤ちゃんは生まれた直後からものがはっきり見えているわけではありません。
生まれてから1歳までの間、どのように視力が発達していくのかについて説明します。

生まれてすぐの赤ちゃんの視力は、明るいか暗いかが分かる程度と言われています。生後1ヶ月ごろで視力は0.01~0.03くらいで、人や物の輪郭がぼんやり捉えられたり、はっきりとした色は認識できたりします。生後2ヶ月では、お母さん・おもちゃなどの動きを目で追う「追視」が見られるようになります。

生後3ヶ月過ぎから生後6ヶ月頃は急激に視力発達する時期です。生後3ヶ月では人や物をじっと見つめることが増えたり、瞬きが上手にできるようになったりします。

生後6ヶ月時点での平均的な視力は約0.1まで上昇します。生後6ヶ月になると、見えないところから声をかけるとその方向に目を向けるなど、視覚と聴覚が連動するようになってきます。
また、追視も上下左右と細かくできたり、動くものに対しても目で追いかけたりできるようになります。

http://www.okinawa.med.or.jp/old201402/activities/kaiho/kaiho_data/2007/200711/055.html
小児の遠視 -弱視、斜視との関連-|沖縄県医師会医師会報

生後7ヶ月を過ぎていくと、奥行や距離感も見て捉えられるようになっていきます。1歳にもなると視力は0.2ほどまで伸び、より細かいものも捉えることが可能になります。それゆえに探索活動が活発になり、行動の幅も広がっていきます。

https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/36-06-kaisetsu1.pdf
立体視の発達、可塑性、個人差解説-空間視の発達山口 真美

http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/524/618/kennsinn%20syuusei,0.pdf
乳幼児健康診査の手引改訂第5版新潟県福祉保健部新潟県医師会

生後1ヶ月から1歳6ヶ月頃にかけては、特に視覚の発達が盛んな時期とされています。視力の発達自体は6歳から8歳くらいまでに成人と同じレベルに達します。視力が発達するこの時期に、両目で人や物をしっかりと見ているかどうかはもちろん、何か異変に気づいたらすぐに対応することが重要です。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/s2016_10.pdf
厚生労働省母子手帳省令様式

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/n2016_10.pdf
厚生労働省母子手帳任意様式

目が合わない赤ちゃんと目の病気の関係って?

赤ちゃんと目が合わない…原因や疾患・自閉症スペクトラム障害との関係、 育児不安への対処法まとめ

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先ほど、赤ちゃんと目が合わない場合、目の病気や視力の異常の可能性もあると説明しました。
赤ちゃんの目や視力の問題について、詳しく解説します。

◇斜視
斜視とは、片目は正面を向いていても、もう片方の目が内側・外側・上側・下側など違う方向を見てしまっている状態を指します。斜視は子どもの約2%に見られる小児眼科の代表的な病気で、眼鏡などの矯正器具で治るものもあれば、手術による治療が必要なものもあります。

片方だけ目が合うのに、もう片方は違う方向を向いていることが多く見られると、斜視の可能性があります。斜視のまま放っておいてしまうと、違う方向を向いている目の視力が育たないため、斜視かも?と思ったら早めに小児眼科を受診することが大切です。

http://www.nichigan.or.jp/public/disease/hoka_kodomo.jsp
日本眼科学会子供の斜視

http://www.gankaikai.or.jp/health/betsu-003/06.html
公益財団法人日本眼科医会子どもの弱視・斜視-6.斜視の原因
◇眼振(がんしん)
眼振とは、知らず知らずのうちに目が動いてしまう疾患です。眼球の動きの特徴としては、動き方に規則性がある・周期性がある・本人が意図しているわけではないという3つがあります。原因として先天的な眼振をはじめ、脳や神経の異常で起こるものなど後天的なものがあります。


赤ちゃんが注視・追視する様子が見られず、きょろきょろしていたり、不自然に頭を傾けていたりしていたら、注意する必要があります。

◇弱視
弱視とは、先ほど紹介した視力の発達する期間に、目をうまく使えなかったために視力が悪い状態のまま発達が止まってしまうことを言います。強い遠視や乱視が両目に見られる場合や、片目だけに遠視や乱視、斜視があるために視力が発達しない場合に弱視は起こりやすいと言われています。

弱視は早期に適切な治療や矯正(眼鏡着用など)をすることによって、治る可能性は高まります。頻繁に目を細めている、目つきに違和感があるなどわかりやすいサインが見られることもありますが、特に目立った症状が見られないこともあります。乳幼児健診の際に気になる点がないか専門家に診てもらうとよいでしょう。3歳になったら受けられる3歳児眼科検診を受診するのもおすすめです。

http://www.gankaikai.or.jp/info/20120115_color.pdf
社団法人日本眼科医会3歳児眼科健診のすすめ

紹介したような目に関する病気を赤ちゃんが発症している場合、次のような特徴が見られることがあります。

・瞳が白や黄緑色に見えることがある
・目が揺れることがある
・追視が見られない
・片目だけ上下左右に寄っていることがある
・片目を順番にふさいでみると、一方の目だけ嫌がったり、顔を背けたりするなど

http://www.jaco.or.jp/pdf/mame/check.pdf
目の健康を調べるチェックシート

パパ・ママは赤ちゃんと目が合わないな?と思ったら、それまでよりいっそう赤ちゃんの目や目の動きを観察し、何か異常がないか見てみることが大切です。

目が合わない赤ちゃんと自閉症スペクトラム障害との関係って?

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この章では、目が合わない赤ちゃんと自閉症スペクトラム障害がどのような関係にあるのかについて詳しく紹介します。

自閉症スペクトラム障害は、主に「人とのコミュニケーションが苦手・困難」「こだわりの強さ・感覚のかたよりがある」という特性があります。診断基準によっては自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害などの診断名で呼ばれている場合もあります。

自閉症スペクトラム障害の診断がつくのはだいたい3~5歳と言われています。このくらいの年齢になると、以下のような自閉症スペクトラム障害の特徴が目立ちやすくなります。

◇周囲にあまり興味を持たない傾向がある
例えば、生活の中で次のような様子が見られます。

・視線を合わせようとしない
・他の子どもに興味をもたない
・名前を呼んでも振り返らない
・指さしをして興味を伝えることをしないなど

◇コミュニケーションを取るのが困難
以下のように、会話や人と関わることが難しいと感じていることがあります。

・言葉の遅れや、オウム返しが見られる(知的障害を伴う場合)
・一方的に言いたいことだけを言ってしまう
・質問に対してうまく答えられない
・ごっこ遊びなど、集団での遊びにあまり興味を示さないなど

◇強いこだわりを持つ
日常生活での強いこだわりとは、例えばこのようなことを指します。

・興味を持つことに対して、同じ質問を何度もする
・ものごとの手順が変わると混乱してしまう
・視覚・触覚・聴覚・味覚・嗅覚に対して過敏、鈍麻があるなど

自閉症スペクトラム障害の診断がつく年齢では、このような特徴がいくつか見られるようになります。

注意しなければならないのは、単に「赤ちゃんと目が合わない」ということだけで自閉症スペクトラム障害ということではないということです。

自閉症スペクトラム障害の診断が出ている子どものパパ・ママが、その子どもが赤ちゃんだった時を振り返ってみて「そういえばあまり目が合わなかったな…」と思い起こすことはあるようです。ですが、自閉症スペクトラム障害はそれだけで判断されるものではなく、子どもの気になる様子と診断基準を照らし合わせ、総合的に判断されます。

また、生後すぐに自閉症スペクトラム障害をはじめ発達障害の診断がつくことはありません。パパ・ママが自閉症スペクトラム障害の診断を求めても、赤ちゃんに対しては経過観察のような措置が多く取られることに、心配や不安の気持ちを抱くのも無理はありません。目が合わない赤ちゃんに対しては、「それだけで自閉症スペクトラム障害であるとは言えない」「赤ちゃんの時点で自閉症スペクトラム障害であると明確に診断できる場合は少ない」という2点をまず押さえましょう。

そのうえで、それでも不安が残る場合や、目が合わないということに加えて他にも気になる様子が見られる場合は、かかりつけの小児科や近くの保健センター、子育て支援センターなどでその旨を詳しく相談することをおすすめします。

一度専門家に赤ちゃんがどのような様子か話してみるだけでも不安や困りごとが解消されることがありますし、自閉症スペクトラム障害に関する、より詳しい情報も得られることもあります。

赤ちゃんと目が合わなくて不安…そんな時に考えたいこと

赤ちゃんと目が合わない…原因や疾患・自閉症スペクトラム障害との関係、 育児不安への対処法まとめ

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赤ちゃんと目が合わないと、「赤ちゃんは自分のことをパパ・ママだとわかっているのだろうか」「赤ちゃんに好かれてないのだろうか」「発達が遅れているのだろうか」「病気や発達障害の予兆なのだろうか」など、さまざまな不安を感じることもあると思います。

そんな時、パパ・ママが心がけたいことや考えたいことをご紹介します。

生まれたばかりの赤ちゃんは、授乳などからどうしてもママの方が赤ちゃんに関わることが多くなると思います。そのため、赤ちゃんと目が合わないという不安を、つい一人で抱え込んでしまうことがあります。

子育てに関する不安を感じた時こそ、同じ子どもの親であるパパにも悩みや不安を共有・相談するようにしましょう。またパパは、「気にしすぎだよ」「大丈夫だよ」と安易に言うのではなく、ママの子育てに関する不安感や心細さに寄り添ってあげることが大切です。

また、子育ての先輩である自分の母親に相談するのも1つの手段と言えます。大切なのは、子育ての不安を一人で抱え込みすぎないことです。

先ほど子育ての先輩である自分の母親に相談してみることをアドバイスの一つとして挙げましたが、そうはいっても子育てへの価値観が違ったり、母親の時代の子育て方針を押しつけられたりした、という経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。やはり知りたいのはリアルな子育て情報や、現時点の医学などからわかっている子どもの発達に関する情報ですよね。

そのような情報を知るには、自分の赤ちゃんと同じくらいの月齢・年齢の赤ちゃんを育てているパパ・ママと交流することが有効かもしれません。

地域の子育て支援センターは、赤ちゃんだけでなくパパ・ママの交流も目的とされています。そのような施設でさまざまなパパ・ママと交流し、それぞれの子育て体験談を聞くことで「子育てに悩んでいるのは私だけじゃない」「先輩パパ・ママはこのように悩みを乗り越えたんだ」など、参考になる意見やアドバイスが得られることもあります。

また、子育てや子どもの発達に関して不安に感じた際に気軽に相談できる専門家を1人でも知っておくと心強いです。先ほど紹介した地域の子育て支援センターをはじめ、保健センター、またかかりつけの小児科医など、子育てや子どもの発達に関して相談することができる機関や専門家はたくさんあります。きちんとした専門家からの指導を受けることで、より安心感を得ることができたり、不安が軽減されたりするでしょう。

その他に、子育てに関する電話相談サービスを行っている自治体もあるので、直接対面で相談することに抵抗がある方は、電話にて専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/kosodate/ouen_navi/jouhou.html
東京都福祉保健局子育て支援情報一覧

https://kosodateswitch.jp/tel/
とうきょう子育てスイッチ-子育てに関する電話相談

まとめ

赤ちゃんと目が合わない…原因や疾患・自閉症スペクトラム障害との関係、 育児不安への対処法まとめ

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=29968000171

赤ちゃんと目が合わない場合、赤ちゃんならではの周囲への興味や性格、あやしているパパ・ママの表情など、さまざまな要因が考えられます。また、目が合わないということだけで判断はできないものの、目の病気や自閉症スペクトラム障害であるという可能性もあります。

赤ちゃんと目が合わなくて不安、と感じているということは、それだけパパ・ママが赤ちゃんのことを細かく観察し、見守ることができている証拠です。パパ・ママは日々子どもと丁寧に向き合っていることへの自信をもちつつ、子育てに関する悩みや不安を相談できる場を設けるなどして、ママ1人で抱え込んだり、パパ・ママ間だけで不安を溜めたりすることがないようにしましょう。

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