「子どもを主語にしないでインクルーシブ教育なんかできますか?」みんなの学校・木村元校長トークイベント
もうね、やさしく綺麗事を言ってる時間ないんですよね。学校に行けない子どもやその家族がものすごくたくさんいて苦しんでいることを知ってしまったから。
障害って何?って聞かれたときに、答えることが出来る自分がいないなら障害を語るべきじゃないんじゃないでしょうか。
だいたいね、インクルーシブとかいいながら特別支援教育をすすめていくことで、余計分断が起こってるでしょ。
大空小学校では障害という言葉は使ったことないです、意識して使わないようにしてたんじゃなくて、使う必要がなかったんです。
「ユウトにほんまに障害があるんですか?」
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木村先生:大空小学校にね、ユウト(仮名)っていう子がいるんです。彼は発達障害の診断があって、手帳も持っていて、入院していて大空小学校に来るまでは院内学級で過ごしていたんですね。そんなユウトが担任の先生に、学校の運動会に誘われたんです。
彼はお母さんとわくわくしながら運動会に行きました。
するとね、学校の子どもに「お前なにしに学校来てん。学校来たかったら頭ブチ割って脳みそ交換してからこいや」って言われたそうなんですよ。その日はユウトとお母さんは帰りました。
そんなユウトが大空小学校に来てね、他のお友達、もちろんお友達が出来て、みんなで日々ドッジボールをして遊んだりして過ごす日ようになったんですよ。でもある日、ドッジボールでアウトかセーフか、他の子どもと揉めたんです。
大空小学校の子どもたちは、困ったら職員室に行って相談したらなんとかなると思ってます。だからその日もユウトたちは職員室に来たんですね。
そしてユウトは言うたんです、「校長先生、こいつらに俺は障害者や言うてくれ」って。「健常の人間は障害のある俺に譲るべきや」って。
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私は言いました、「分からん」って。そしたらユウトが言うんです、「校長のくせに障害もわからんのんか。勉強しろや。校長クビや」って。
だから私は言い返してやりました、「じゃあユウトは障害って何か分かっとんか、あんたが説明しいや」と。そしたらね、ユウトは「俺の主治医は病院の副院長や。
そいつが障害者やって言って俺は手帳を貰ったんや。だから俺は障害者や、障害のある俺は守られるんや」って言うんです。
「私はそんなん信じへん」って言うたりました。そしたらね、ユウトは「医者が言ったんや、俺は校長より医者を信じる」