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夏は健康管理が大変! 感染症、夏バテ、熱中症など、 夏に気をつけたい健康トラブルをご紹介

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夏は健康管理が大変!

夏は健康管理が大変! 感染症、夏バテ、熱中症など、 夏に気をつけたい健康トラブルをご紹介

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体質や環境によって個人差はありますが、高温多湿な夏は体調を崩しやすい季節だと言われています。

暑さの中で活動して、汗をかくと体力の消耗も激しくなりますよね。さらに、子どもは大人よりも暑さの影響を受けやすいからだのつくりをしています。

子どもは大人より身長が低いために日光の照り返しが強く当たったり、体内の水分量が多いために熱を体内にため込みやすくなったりするためです。

また、冷房による屋内外での温度差は、体調不良のきっかけにもなります。人間は自律神経の働きによって体温調節をしているのですが、冷房が効いた室内への出入りを繰り返すことで自律神経が混乱してしまい、身体の調子が悪くなってしまいます。

この夏場の自律神経の混乱による不調が夏バテです。夏バテの症状としては、だるさや疲れ、食欲減退があります。


このように、夏の暑さや、夏バテによって体力が弱り、感染症も流行しやすくなります。夏ならではの困りごとを理解し、ケアをしていきましょう。

夏休みは自由な時間が多いため、趣味や遊びに没頭してついつい夜更かしをしたり、家から出る機会が減ったりと、生活が不規則になりがちです。不規則な生活を続けていくと体力が落ちたり、疲れが抜けなくなってしまいます。その結果、前述したような病気にかかる可能性が高くなるのです。

このような時期による困りごとの他にも、発達障害の特性ならではの困りごともあります。

夏の健康管理、発達障害ならではの困りごとは?

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この章では、夏の健康管理において、発達障害の特性ごとに考えられる困りごとを紹介していきます。

感覚過敏とは、色々な刺激を人よりも敏感に感じやすいことを言います。
どのような刺激に敏感かは人それぞれですが、夏におこりやすい例で言うと「日光が強すぎて目が痛い」「ちょっと蚊に刺されただけでも強い刺激に感じる」「他の子どもよりも暑さに弱い」などが挙げられます。感覚鈍麻とは、感覚が鈍いことです。自分の体調の異変に気付きにくいことを言います。大量の発汗や体のほてり、虫刺されなどがあっても気付かず、重大な症状につながる可能性があります。

多動とは、じっとしていられなかったり、極端に活発なことを言います。気温が高いときに活発に動きまわりすぎて疲れやすくなったり、気付いたら熱中症にかかってしまったりします。

また、深く集中しすぎて体調の異変に気付かない可能性もあります。

衝動性とは、自分の感情のコントロールが難しく衝動的な行動をしてしまうことがあります。
だめだといわれていても水ぶくれや虫刺されをしつこく引っかいてしまい、飛び火やただれにつながる可能性があります。

夏は屋内外での気温差が激しいために、体温調節に気を配る必要があります。しかし、手先が不器用であるためになかなか自分で衣類を変えることができないことがあり、体温の調節ができずに体調を崩しやすくなってしまうのです。

発達障害のある子どもの中には、言葉の発達に遅れがあったり、言葉は話せるけれど自分の気持ちや意見を相手に伝えることが難しかったりするなど、他人とのコミュニケーションに困難さがある子どももいます。そうした子どもたちの場合、体調が悪くても、自分でSOSを出しにくいことがあります。

また、指示されたことを理解したり、自分の考えを整理することが難しい子どももいます。そのため「かぜ気味のときは暖かい格好をするんだよ」「体調が悪い時は伝えてね」と言われても抽象的な表現を理解できなかったり、自分の状況を言葉にできないのです。

次の章からは、これらの困りごとを踏まえた、夏の健康管理のポイントを説明します。


特性に合わせた夏の体調管理のポイント

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この章では、夏バテをはじめとした体調不良を克服するための体調管理のポイントをかいつまんで紹介します!

視覚的な情報の理解が得意で、聴覚情報の理解が苦手な子どもの場合、「体はきれいに洗ってね」「暑いときは涼しい格好をするんだよ」「具合が悪かったら教えるんだよ」などと、単に口頭で伝えるだけでは、指示が通りにくい傾向があります。これは彼らにとって、「きれいにする」「涼しい格好」などの指示は抽象的過ぎて、イメージがつきにくいからです。具体的に説明したり、図や身振り手振りなどの視覚的な情報を付け加えると、伝わりやすくなります。

たとえば先の指示は「お風呂ではこのイラストで色が塗ってある部分を洗ってね」「この温度計を見て○○度以上だったら半袖を着ようね」と言いかえることができます。

健康管理のためにはやるべきことがたくさんありますが、口頭で伝えるだけでは実行に移しづらい場合があります。構造化とは、そのような場合に子どもが「自分が何をどんな順番でやればいのか」を理解するための工夫です。いくつかの例を紹介します。

・毎週水曜日はつめを切る日と決める

・毎日朝起きてからやることを絵カードにし、見えるところに貼っておく

・日中の用事をパターン化し、生活のリズムを整える

・毎朝体調のチェックリストを確認し、当てはまった項目を母に報告する

構造化の考え方は、ASD(自閉症スペクトラム)の療育方法である、TEACCHプログラムから着想を得ています。
構造化の例をもっと知りたい人はこの記事を参考にしてみてください。

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佐々木正美/著『自閉症児のためのTEACCHハンドブック』(学習研究社、2008年)

子どもの困りごとをサポートする上で一番大切なことは、その子自身の特性にあった方法をとることです。

偏食や触覚にまつわる感性の偏りは、子どものわがままに見えるかもしれません。けれども、問題視しすぎない方が子どもの気持ちは安定します。

まずは子どもの特性を理解することに専念すること、その上で主治医に相談しながら少しずつ取り組んでいきましょう。いくつか例を挙げてみます。

1. 食べ物のこだわり
好きなものを食べたら一個だけ嫌いなものを食べてみる、というルールをつくる

2. 服装へのこだわり
大丈夫な素材・色でバリエーションを出す

3. その他の感覚へのこだわり
日光が苦手な場合はサングラスや帽子、アームカバーなどをつける

夏に気をつけたい感染症の症状と対処法

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夏にかかりやすい感染症として代表的なものは手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)です。症状には粘膜部分の水ぶくれ、目の充血、のどの痛み、かいよう、発疹、発熱があり、くしゃみなどによる飛沫感染や、鼻水や唾液の付着による粘膜感染が主な原因となっています。


感染症の予防のためには、手洗い・うがい等、身体を清潔に保つことが重要です。他にも、プールに入った後は目を良く洗う、タオルを共有しない、などの対策が打てます。

1. 自分の体調の異変に気づきにくい
夏ならではの感染症は、発疹や目の充血などわかりやすい初期症状が出ます。これらの症状にいち早く気付き、周囲に伝えられるようにしましょう。

例えば、発疹や充血している目の写真を見せ、異変とはどういうものかを理解できるようにします。また、毎朝熱を測る、その他症状を具体的に示したチェックリストを作って毎日決まった時間に確認する、などの工夫も考えられます。

2. 発疹をかきむしって化膿してしまった
衝動性や感覚鈍麻がある場合、発疹や水ぶくれを化膿するまでかき続けてしまうことがあります。薬によってかゆみを取り除きつつ、包帯を巻いたりつめを短く切るなど、掻いてしまっても重症化しにくくなるような工夫をしてみましょう。


3. 口内の水ぶくれが痛くて飲食できない
感覚過敏のお子さんの場合、口の中のできものが気になって食べることが苦痛になる場合があります。傷をなるべく刺激しないような食べ物を用意しましょう。例えば、うどんやゼリー状のもの、雑炊等がおすすめです。

熱中症対策は環境調整やこだわりにあわせて

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熱中症とは、高温多湿の環境に体が適応できずに起こる体調不良のことを言います。主な症状としてはめまい、疲労、ほてり、大量の発汗があります。手当てが遅れて重症化すると熱射病や脱水症状につながり、命に関わることもあります。

こまめな水分補給、気温と湿度によって衣服を調整する、車内や屋内ではクーラーを適切に使う、日陰で休憩する時間をとる、などの方法によって予防できます。

1. 身体の異変に気付かない
熱中症の兆候として、大量の発汗やめまい、からだのほてりがありますが、遊びに集中しすぎて気付かないことがあります。

対策としては、汗をたくさんかいている子どもの写真を見せて「こうなっていたら教えてね」と教えることや、お風呂あがりに温まったからだに触らせて「外でこのくらい身体が熱くなったら先生に言うんだよ」と伝えておくことが挙げられます。

また、先生や友達の保護者の人にも様子を見てもらうようにお願いしておくことも手です。

2. 環境の調整ができない
こだわりや感覚鈍麻があり、室内にいるときの温度や湿度を調整することに難しさを感じる子どもがいます。

その場合、気温の高低によって色が分かれている温度計や数字がわかりやすい湿度計を使います。「温度計の目盛りが黄色に来たらエアコンつけてね」「湿度計の目盛りがここまできたら窓を開けてね」など、明確な基準と一緒に説明しましょう。

3. 独特の基準で服を選んでいる
感覚の偏りやこだわりの強さによって、また、気温の変化を感じ取れないために、環境に合わない服を選んでしまうことがあります。

こういった場合、色味や素材などは本人の感覚に合わせつつ、バリエーションを増やしてみましょう。夏場はなるべく通気性、速乾性がある生地の衣服をえらべるとよいです。

また、気温の変化に適応できない場合は温度計を見せながら「○○度以上になったら半袖の服を着る」と決めたり、気温と衣服の対応表をつくったりしてみましょう。

急な腹痛、中耳炎の痛みでパニック、皮膚トラブル...その他の夏の不調の対処法!

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上に挙げた代表的な不調のほかにも、夏に注意したい病気がいくつかあります。

1. 症状
虫さされを掻き続けた結果、皮膚が化膿し、水ぶくれやかさぶたができた状態をとびひと言います。ただの傷に思えますが、化膿したところからバイ菌が繁殖して重大な感染症を招くこともあるので悪化を防ぐことが重要です。

2. 困りごとと対処法
皮膚(ひふ)に傷ができた場合に最も気をつけたいことは、患部を清潔に保つことです。なるべく菌が繁殖しないように保ちながら、回復を待ちましょう。

発達障害がある子どもの中には、体を清潔にする習慣が定着しにくかったり、ずっとかきむしったりで傷が悪化してしまいがちなお子さんもいます。

皮膚を清潔に保つ方法を学ぶために、どこをどうやって洗えばよいか視覚的・具体的に理解できるような図をお風呂に貼ってみましょう。

他にも、ついつい掻いてしまうのを防ぐために包帯を巻く、かいた時のダメージを減らすためにつめを短く切っておく、手指を清潔に保っておく等の対策もよいでしょう。

1. 症状
中耳炎は耳の内部にある中耳という部位にバイ菌が入って、耳鳴りや痛み、発熱、耳たれ等を発症する病気です。主に就学前の子どもがよくかかる病気だといわれています。

2. 困りごとと対処法
中耳炎は耳に水がたまったり、鼻水がつまってバイ菌が移ったりすることが原因です。プールに入ったときに耳に入った水が抜けていなかったり、鼻水をすすりすぎて耳まで逆流してしまったときに発症します。

耳に痛みが生じるので、感覚過敏の子どもはとてもつらく感じパニックを起こしてしまうことがあるでしょう。病院で痛み止めをもらうほか、耳を冷やすことで痛みを抑えてみましょう。

1. 症状
胃腸炎は飲食したものからバイ菌が感染し、嘔吐や下痢の症状を起こすことです。汚染されたものを食べる以外にも、バイ菌が付着した手が口に入ることで感染することがあります。

2. 困りごとと対処法
胃腸炎の予防策としては、身体を清潔に保つことが一番重要です。家族全員が帰ってきたら手洗いうがいをすることを習慣にしましょう。

他にも生ものは食べないようにする、肉類や海鮮を食べるときは火が通っているか確認する習慣をつけましょう。

絵カードなどで帰ってきたら手洗いうがいをする流れを見える化する、火が通っている肉の写真と通っていない肉の写真を比較することで違いを認識できるようにする等の方法がとれます。

まとめ

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夏休みは自由に楽しめる時間が多い一方で、感染症や夏バテなど、からだの不調を起こす要因がたくさん潜んでいる期間でもあります。子どもは健康管理の必要性がわからなかったり、方法がわからなかったりするために、体調を崩しやすいのです。

さらに発達障害があると、特性に合わせた困りごとも出てきます。それでも、様々な工夫を凝らせば、子どもが自然と自らの健康管理をできるような仕組みを作ることができるでしょう。

一人ひとりに合った健康管理方法を見つけ、健やかに夏を乗り切れるといいですね。

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