緊張病(カタトニア)とは?あがり症とは違うの?症状や治療法について解説します。
緊張病(カタトニア)とは?
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緊張病(カタトニア)は、長時間動きが止まってしまう、動作が遅くなってしまう、同じ動作を繰り返してしまう、自発的な動きができなくなるといった体の動きが低下する症状を起こす症候群です。
あがり症や緊張症といわれるような、人前で緊張してしまうこととは異なり、医療機関での治療が必要な疾患/症候群です。
緊張病は15歳から19歳頃に発症することが多いといわれています。様々な原疾患(カタトニアの病態の原因となる個別の病気)がありますが、緊張病の症状自体は一定の治療法が有効とされていて、数か月で症状が消失することが多いといわれています。
ですが、中には症状が何年も続いたり、治療後も自発性がなかなか改善されないケースもあります。
2012年までカタトニアは、緊張型として統合失調症(思考や感情、行動などの脳の機能がうまくまとまらない)の一亜型に分類されていました。
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参考:DSM-IV-TR精神疾患の分類と診断の手引
しかし統合失調症だけでなく、むしろ気分障害や器質性疾患に合併することが多いことが報告されるようになり,2013年に 改訂された最新版の『DSM-5』(米国精神医学会が発行する『精神障害の診断と統計マニュアル第5版』)からは緊張病という一つの疾患分類となりました。
記事の後半で詳しく説明していきますが、カタトニアの過程で発熱や自律神経失調症を合併する悪性カタトニアといった、より症状が深刻になってしまうケースもあるため、早期治療がとても大切になっていきます。
緊張病(カタトニア)の原疾患は?
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緊張病(カタトニア)には様々な原疾患があります。「原疾患」とは病態の原因となる個別の病気に使われる言葉で、緊張病(カタトニア)は病態の進行や予後が原疾患によって異なることがあります。カタトニアの原疾患は主に精神疾患、神経疾患、身体疾患の3つに分類されています。
1. 精神疾患: 急性ストレス障害、自閉症、双極性障害、気分障害、統合失調症、PTSD
2. 神経疾患: てんかん、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン病、進行性核上性麻痺、進行性多巣性白質脳症、可逆性 後頭葉白質脳症、脳腫瘍
3. 身体疾患: 自己免疫性疾患(SLE)