深夜に息子がやらかした!思わず声を荒げたその後で、母が気づいた成長
いつもの夜。寝ようと思ったその時、台所から物音が…
10月に入ったばかりのある夜のことです。いつもだいたい9時半までには床に就くのに、私と子ども達はその日グズグズして寝るのが遅くなってしまいました。
私は「早く寝るよ」と声をかけ、子どもたちを寝室へと促しました。その時です。自閉症のある長男がものすごいダッシュで、寝室とは反対方向の台所へと向かったのです。
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そのあとバシャン!という大きな音が聞こえてきました。
私は何事?と思いながら眠たい目をこすりながら行ってみました。
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ああ~、やっちゃった…!
そこで目にしたのは…
棒立ちになった長男と、足元に広がる大きな水たまり。
水たまりの上には流し台があり、2リットルのペットボトルが横倒しになっています。そしてペットボトルの口からはお茶が滴り落ちてます。
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私はあわててペットボトルを元に戻しました。見ると2リットルなみなみに入っていたはずのお茶が半分くらい減っています。
床には長男のコップが転がっており、私は何が起きたか分かりました。
喉が渇いた長男が冷蔵庫からペットボトルのお茶を出し、自分でコップに注ごうとしてこぼしてしまったのでしょう。
「お茶が欲しかったらお母さんに言いなさい!」思わず声を荒げてしまった私
床一面にこぼれたお茶を拭きながら、思わずため息が出ました。
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長男はと見ると、呆然として水浸しになった床を見つめています。
もう、これから寝るという時になんでこんな面倒なことさせるのよ…
長男の姿を見ながら私は思わず声を荒げて注意してしまいました。
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悲しそうな顔の長男に思い出したあの出来事
怒った私の顔を長男は悲しそうに見つめていました。
いつもは何か失敗をするとパニックを起こすのに、ただじっとその場に立ちつくしたまま固まっているのです。
「どうしてこんなに怒られるんだろう。僕、頑張ったのに――」
悲しみの中に戸惑いのような表情が浮かんでいて、私はそんな長男の顔を見ながらはっと思い出しました。
この子は、ほんの少し前までは「お茶!」と言葉に出すことすらもできなかったんだということに。
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発語に遅れのあった長男が、初めて「お茶!」と叫んだあの夜――
長男が言葉で意思を伝えることができた瞬間、夜中にたたき起こされてもあんなに嬉しかったのに…。
今、長男はあの時よりもさらに成長し、誰の手も借りず自分の意思で欲しいものを取りに行き、コップを手にして小さな手で一生懸命重たいお茶を注ごうとしたのです。
あれほど長男が「お茶!」と叫んだときの幸せな気持ちもほんの少し時が経つだけで薄れてしまって、知らず知らずできて当然のことなんだと感じていたのです。
私は長男の体を抱きしめ「ごめんね…」と謝りました。すると長男は私のほっぺたをなでて、いい子いい子してくれました。
失敗しても、そこに成長を見つけられる親になれたら
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この子に24時間穏やかな笑顔を向けることはできないけれど――
せめて「どうしてお茶をこぼすの!」と失敗と捉えさせるのではなく、「こぼしたところ一緒に拭こうね」と優しく言ってあげられる親でありたいなと思いました。
(でもシュウ、私に「いい子いい子」は、ちょっと違うんじゃない…?笑)
なんて思いながら、長男の小さな体をぎゅっと抱きしめたのでした。