「この後、熱が出る…!」自閉症の長男にだけ働く母の「体調センサー」がとらえた異変
次男が大熱!全く兆候に気づかなかったけれど
冬休みが終わったばかりの頃、学校から帰ってきた次男(定型発達)がランドセルを玄関に投げてそのまま仰向けに倒れこみました。
真っ赤な顔をしているので驚いて額に手を当てるとすごい熱!「なんで先生に言って早退しなかったの!」と聞くと「我慢しちゃった…」とのこと。
すぐ病院に連れて行くと、インフルエンザではなかったものの気管支が炎症を起こしており翌日にも熱はひかず学校を休みました。
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幸い大事には至りませんでしたが…
朝はいつもと変わらず元気だったのにどうしたんだろう。
私は次男の様子から、その後体調が崩れるなんて、思ってもいませんでした。
自閉症の長男の場合。体調が悪くなる前に教えてくれる、ある「におい」
それから2週間後のことです。朝、長男を起こそうとしたとき、いつもと違う、ふっと何か匂う感じがしました。
うまく伝えられないのですが、いつもの長男の体臭とは違う、汗のようなカビのような不思議な匂いです。
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とっさに「これ、熱が出る前兆かも!」と思いました。
長男は体調を崩す前、いつも体臭が変わるのです。注意して見ていると、朝ごはんはよく食べるものの、いつもより食べるスピードが遅い。鼻水も咳も熱もないけど、いつもより目に力がない。普段とどこか様子が違っていました。
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念のため学校を休ませると、やはり夕方から急に熱が上がり始め翌朝まで下がりませんでした。こちらも病院に連れていくと、風邪という診断でほっとしたのですが…
ふと思ったんです。
そういえば…
どうして私は次男の体調には気付かなかったのに長男の異変だけ察知することができるのだろうかと。
なぜ長男の異変だけには気付くのか。それはある習慣があったから
思い当たったのは一つの小さな習慣でした。
長男が夜寝る前と朝起きた時、私はいつも必ずぎゅっと抱っこしてくんくんとにおいを嗅いでいました。
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双子の息子たちは9歳です。普通嗅ぎませんよね。
でもなぜそれをするのかというと、長男が7歳まで言葉を話せなかったということが大きな理由です。
話せないなら私が感じ取るしかない。
実際毎日抱っこしているといつもと違うときに気が付くことがあります。
あれ、何か不純物の匂いがするなあって(笑)
言葉で説明できないから、無意識に五感を駆使できるようになったのかも
定型発達の次男は、体の調子の悪さを言葉に出して訴えることができます。
けれど自閉症の長男は違います。
最近ではパパ、ママ、電車など見たものをそのまま伝えることはできるようになっていますが、それでもまだ暑いとか寒いとか、お腹が痛い頭が痛いといった、感覚的なものを伝えることは、まだ難しい。
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そのため私は体調の良し悪しを、長男の表情や仕草、顔色、果ては匂い…ほんの小さな「いつもと違う」異変から推し量るしか術がなかったのです。
たぶん、無意識に五感全部を使って子どもを守ろうとする本能が働いていたのかもしれません。
発達障害のある子どもを育てることは大変なこともあります。
けれど子どものほんのわずかの変化に誰よりも敏感に気付くことができるようになっている、と感じる瞬間があるかもしれません。それは、親子の毎日の小さな積み重ねにも気付かせてくれました。
そしてそれは、子どもにとってお母さんが一番安心して身を委ねられる場所である証なのかもしれない。
そんな風に感じるのです。