子どもの進級、周りの意見で大混乱…。娘と私にとっての「最善の道」を決めた、ほんとの気持ち
娘の進級先、選択肢は増えたけど…みんなの意見が違う
娘の次年度の進級先について、担任の先生との話し合いの中で、知らなかった情報がわかった私たち。
今後の選択肢が、
①通常学級
②通常学級在籍で、支援学級へ通級
③支援学級在籍で、交流学級へ通級
の3つに増えたと分かった6月…。
選択肢が増えたことで、さらに悩みも増えてしまいました。
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最初、この話を聞いた私は、今まで通常学級で過ごした娘の日々の様子や、授業での問題、お友達とのトラブル…いろいろな出来事を踏まえ、「支援学級があるなら、支援学級がいいんじゃないかな?」
と考え始めていました。
しかし、直前の定期検診で主治医の先生に「通常学級がいい」と言われていたし、主人や、主人の両親は、(支援級があったことを知っても)通常学級を希望していました。
娘が通常学級で学んでいることで成長している、そのことに大きな価値を感じていたからです。
でも、私は、このままではいけないとも感じていました。
何かしら支援は必要…でも、みんながそういうなら、通常学級在籍のまま、通級という選択の方がいいのかもしれない。
自分の気持ちと、周りの考えに揺れつつ、自分の思いと決断に自信がなかった私は、無意識に周りの意見に流されていったのです。
進級の希望を伝えた面談で、担任の先生が話した言葉
そして、後日、再び担任の先生との面談が。
前回言われた、3つの選択肢の中で、どれにするかを決める話し合いでした。
私は、周りと意見が分かれてしまい、モヤモヤしていた状態でしたが、
担任の先生に、
「まだ考え中ですが…主治医の先生も、通常学級を勧めてくれているし…主人も、身内も、通常学級を希望していますので、通常学級在籍で、通級にしようかと考えています。」
と伝えました。
しかし、それを聞いた先生は無言…。
そして、自分の経験を話し始めました。
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私たちは、娘の最大の課題は、学力ではなく、「人とのコミュニケーション」の部分だと考えていました。先生やお友達とのコミュニケーションを学校生活で一つひとつ学ぶことで、今娘が抱えている、「授業での問題」「お友達とのトラブル」は改善するのではないか…。
そんな思いを話すと、先生は、
「コミュニケーションの部分が課題…ということですが、支援学級在籍でも、朝の会、体育や道徳などの教科、給食や掃除、帰りの会は、通常学級で受けられます。ということは、支援学級在籍でも十分ではないでしょうか?」
と、娘に支援学級在籍を勧めました。
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担任・主治医・家族の意見が違う。そして私は…?
主治医の先生、主人、担任の先生…。それぞれが、違う意見だったのです。
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担任の先生の「支援学級」を勧める話を聞いた時、私は正直、ショックでした。
きっと…担任の先生は、親である私たちの意見を尊重してくれる…
私たちが出した決定には、何も言わないはず…
そう思い込んでいたからです。
「私たちの考えは甘い、現実はもっと大変なんだ」と暗にさとされた気がしました。
しかし、現場で実際に娘を見ている人の意見は、説得力がありました。
私は、ショックな気持ちと、そうか…と納得するような複雑な感情になりました。
娘にとって一番いい場所を探したいからこそ、ますます決定できない
その日は結局、決定を保留にして帰宅。私は主人に、担任の先生から言われたことを報告しました。
主人は、「最終的に決めるのは、俺たち親なんだろ?先生の意見はわかるけど、親の意見が優先だろ?俺たちは、通常学級のままという希望を出すこともできるんだぞ」と言いました。
主人は、娘のコミュニケーション能力を上げるためには、少人数の支援学級より、大人数の通常クラスの方が多くの刺激を受けられるのではないか…。そう考えていたのです。
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娘の将来を決める、大事な決定。
周りを気にして、決めてはいけない。
それを理解しつつも、このまま先生の意見を無視して、通常学級にすることは、先生に申し訳ないし、気まずい…と思ってしまいました。結局私は、周りに気を使うというより、自分の意見を押し通して、批判されるのが怖かったのです。
そんな私とは違い、揺るがない意志で、娘のために、娘のことを真剣に考え、進級についての意見を言う主人を見て、私は自分の弱さに、嫌気がさしていました。
娘にとって、何がいいか…それがわからない状態で私の頭は、どんどん混乱していきました。
結局、すぐに答えは出ることはなく、とりあえず、進級についての決定の最終期限である9月まで、私たちは考えることにしました。
「宿題、やらなくていいですよ」の言葉に、感じた複雑な気持ち
それから一か月ほど経った、7月。
修了式に、大荷物を抱える娘を迎えに行ったときのこと。担任の先生と、夏休みの宿題について話をしているときのことです。
先生が、
「宿題は無理して全部やらせなくていいですよ。暗記の宿題は、毎年クラスで数人しか覚えてこないんです。だから…娘さんはもうやらなくてもいいですよ。」
と言いました。
私は…娘がみんなと同じ宿題を、同じ課題を、できるようにするため、今までいろんなやり方で娘と頑張ってきました。宿題も、やらなかったことは一度だってありません。
そんな思いでやってきていたこともあって、やる前に「やらなくていい」と言われて、とても悔しくなりました。
しかし、それと同時に、先生が良かれと思って言っているであろうことも理解できたのです。私は、両方の感情が入り混ざって、自分の気持ちがわからなくなってしまいました。
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無意識に負い目を感じていた私。感情も抑え込んでいたのかも
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私は…こういう発言に、傷ついてもいいのかな…?
もしかして
「そういう子を通常学級に入れてるんだもの、当たり前だよね」
と思わなければならないのかな…?
小学校に入学して、娘がいろんな問題にぶつかるたびに、親として感じる思いはありましたが、「これに傷つくくらいなら、そもそも通常学級は向いていないんじゃないか…」そう自分に自問自答しながら、無意識に、自分の感情に自分でブレーキをかけるようになっていたのです。娘が小学校に入学してから、私は学校でよく謝っていました。
娘ができないこと(作文や授業中の指示への反応など)を報告されるたび、「いつもすみません」「迷惑かけてすみません」と謝る。それは、手のかかる子を通常学級に入れているという申し訳なさがあったからでした。
だけど、娘ができないのは娘のせいではない…
娘が悪くないことで、私は謝りたくない…
そう思いながらも、「発達障害がある子を通常学級に入れるというのはこういうことだ…」
と自分に言い聞かせていました。
自分の抱いた感情を自分で抑えているせいで、感情の行き場がなく、必死にこの思いの行き場を探していました。
もう耐えられない…正直に気持ちを打ち明けてみた
担任の先生、主治医の先生、家族の意見が違う中で、肝心の娘は、というと。
通常学級がいいか、支援学級がいいか…
今が辛いのか、楽しいのか…
はっきりとは言いません。
それなのに、大人が進級先を決めていいのだろうか。
考えれば考えるほど、自分以外の人の話に、耳を傾ければ傾けるほど、もうどっちを選べばいいか、わからなくなりました。
そして主人に、
「このまま通常学級にいたら、私の頭と心が耐えられない…」
と、今の私の正直な気持ちを伝えました。
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主人の正直な思いは、通常学級だったと思います。
でも、私の話を黙って聞いて、それから言ってくれたこの言葉が、私の悩みを楽にしてくれました。
「わかった。たぶんお前は支援学級の方が、気持ちが軽くなると思う。直接向き合ってきたのも、見てきたのもお前だから、お前が『支援学級』と思うなら、そうだろうと思う。いいよ、支援学級にしよう!俺たちの子なら、どこにいても伸びると思う!」
そして、ようやく、2年生からの進路が「支援学級」に決まったのでした。
完璧な正解なんてわからない。だからこそ親として…
娘の大事な進路を決めるあたり、悩む時間は不可欠だったのかもしれません。周りの意見は大事だし、話し合いも必要です。悩まなければ、結論は出ない。
でも…周りを気にしすぎた結果、私は必要以上に悩んでいたような気がします。もっと自分の意見を大切にしていたら…主張していたら…もっと周りに流されずにいたら、冷静に決められたのかな、とも思います。
周りの立場や思惑を気遣いすぎないようにして、我が子のために、自分が本当はどうしたいのかを大切にした方がいいのかもしれません。
もちろん、この決断が正解なのかはわかりません。今回の私たちの決定に「間違ってる!」と思う人もいるでしょう。
でも、何を選んでも、みんなが『それでいい!』という決定はないのではないかと思います。
どっちにしても、反対意見はある。
それに、正解か不正解か分かるのは、もっとずーっと先なのではないでしょうか。
親が必死に考えた決断が、現状では最善なのです。もし、この先、「あぁ…あの時、間違ったな~」と思えば、そこから切り替えていけばいい。
今も、これからも、最善の方法を娘のために探していく。それが決断をした私の…私たちの、親として役目かなと思います。
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