子育て情報『不登校の息子の心を溶かしたのは、逃げても隠れても名前を呼び続けてくれた友達の存在』

2018年8月24日 16:25

不登校の息子の心を溶かしたのは、逃げても隠れても名前を呼び続けてくれた友達の存在

「あ、ハルくん。ハルくんだよね?」
清掃班が一緒だったことがある、という上級生の女の子が声をかけてくれた。それを皮切りに
「ほんとだ、ハルくんだ!」「え?ハルくん?」「わ!ハルくん!」
と、その場にいた子たちが口々に息子の名前を呼びながら、どんどん集まってきた。中にはいつも一緒に下校していた、仲良しのクラスメイトの顔も。

「ハルくん、今はどこの学校に通ってるの?」
クラス外の子は、息子が別の学校に転校したのかと思っていたらしい。
「家で勉強してる。ドリルとか、ゲーム機の学習ソフトを使って」
息子が答えると、
「ねぇねぇ、勉強するなら学校に来てよ!」
と、さっきのクラスメイトの男の子が後方から手を振った。

「ずっとハルくんに会いたかったんだ!学校にはいつ戻ってくるの?」
「うーん、分かんない」
その場にいた児童さんたちの質問に答える形で、息子はしばらく会話を続けた。
用事がある私たちはその場を一旦離れなくてはならなかったのだけれど、彼らが息子を好いてくれていること、息子も彼らを慕わしく感じていることは伝わってきた。しかし、「学校にはいつ戻ってくるの?」という質問があったし、帰りはこの道を通りたくないかな…と私は思っていた。

しかし息子は
「帰りもここを通っていい?またみんなに会いたい!」
と願うではないか。みんなの好意的な様子が嬉しかったに違いない。
「うん、もちろん。じゃあ、急いで用事を済ませてこようか」

そして復路に公園近くまで来ると、彼らが別の公園へと移動している様子が見えた。
「のん(私の呼び名)、あのさ、一旦帰ったら、みんなのところへ行ってもいい?」
「いいよ。一旦帰らなくてもいいよ。
みんながまた別の場所に行っちゃう前に、行っといで!」
私が背中をポンと叩くと、息子は勢いがついたように走りだした。「行ってきまーす!!」

向こうの公園の入口で、
「ハルくん!」「やったぁ、ハルくんだ!」
と歓迎してくれる児童さんたちと、
「ねぇ、仲間に入れてよ!」
と声を弾ませる息子の姿が見えた。


昼間の居場所の違いを断絶の理由にしなくてもいい

不登校の息子の心を溶かしたのは、逃げても隠れても名前を呼び続けてくれた友達の存在の画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10112001360

繰り返すが、息子はいじめなどの理由で不登校になったわけではない。

「誰かが悪いことをしていても、それをしたいという人が多いと、みんなそっちに味方してたり、あっさり考えを変える人がたくさんいるのが嫌」

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