睡眠薬スボレキサント(ベルソムラ®)とは?特徴・副作用などを詳しく説明します!
として覚醒中枢の働きを抑える作用があります(スボレキサントの作用機序を参照)。脳が覚醒しようとするのを抑えることで、より自然な眠りに近くなるのではないかといわれています。
また、これまでの睡眠薬は耐性ができやすく、飲む量が増えていき、依存性が高く中止するにも非常に時間がかかるというリスクがあります。しかし、スボレキサントは耐性ができにくく副作用や依存性も少ないため、長期服用や副作用があった場合ただちに中止することも可能です。
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/170050_1190023F1024_1_10
参考:スボレキサント(ベルソムラ®)添付文書
http://www.lifesci.co.jp/sleep/20141121_703/
参考書籍:第8巻 増刊号 『睡眠医療特集:オレキシン受容体拮抗薬の登場と不眠症治療のパラダイムシフト』(ライフ・サイエンス,2014)
スボレキサント(ベルソムラ®)の効果
スボレキサントがどのような不眠状態に効果があるのか、どの程度の作用時間なのか、解説します。
不眠症にもいくつかタイプがありますが、スボレキサントの効果が期待されるのは、以下の3つのタイプです。
・入眠障害…布団に入ってもなかなか寝つけない、眠くならない
・中途覚醒…夜中に何度も目が覚めてしまう
・早朝覚醒…朝早く目が覚めてしまい、その後再び寝つけない
耐性・依存性といった副作用がほとんどない割には、入眠効果が高い睡眠薬です。一方で、二次性不眠症(うつ病や統合失調症、双極性障害などによって引き起こされる不眠症)に対する効果は確認できていません。
スボレキサントが効き始めるのは、服用から約10~15分のため、服用後はなるべく早く布団に入ることが望ましいとされています。飲んでから1.5時間ほどで血中濃度が一番高くなり、半減期(薬の血中濃度が半分になるまでにかかる時間)は約12時間といわれています。
実際の薬の効き目は、半減期の12時間よりは少ない6~8時間程度であるという臨床結果が出ています。6~8時間というと、成人の平均的な睡眠時間とほぼ同じ作用時間といえます。
https://www.amazon.co.jp/dp/4524240128
参考書籍:浦部昌夫、島田和幸、川合眞一/編集『今日の治療薬』(南江堂,2018)