知ることで豊かに生きる第一歩を。秋の新刊5冊を紹介!
ダウン症の娘の学ぶ楽しみを支えた父親の手記『「ホーホー」の詩、それから ―知の育て方』
著者の信田敏宏さんが、知的障害を伴うダウン症の一人娘・静香さんの14歳までの成長と学習面でのサポートについてまとめた一冊です。
これまで、文字の読み書き、世界の歴史や文明、英語などの勉強に取り組んできた静香さん。試行錯誤した勉強法や信田さんの奥さんが飽きやすい静香さんに合わせて手づくりしたプリントも紹介されています。
知的障害があって身につくまで時間がかかるとしても、粘り強くわが子の学びたいという意欲に寄り添ってきた信田さんご夫婦。障害のあるなしに限らず、学ぶことが人に与えてくれる豊かさなどを考えさせられます。(発行:2018/10/17)
すぐ実践できるアドバイスがたくさん!『発達障害のある子と家族が幸せになる方法:コミュニケーションが変わると子どもが育つ』
20年以上、相談や臨床の現場で多くの発達障害のある子とその家族を支援してきた言語聴覚士・社会福祉士の原哲也さんが考える「幸せを実感しながら生きるためのコミュニケーション」のヒントが詰め込まれています。
子どもの行動を「困った」と感じるのは、そのときの子どもの思いや行動の理由が分からないからかもしれません。
各章では、さまざまなシチュエーションの事例を交えながら、そのときの子どもと親の心境を解説。
親子の時間を豊かにしてくれるような褒め方と叱り方のコツ、一緒に遊ぶコツ、信頼の育み方などについて、実践したくなる工夫や方法がたくさんまとめられています。(発行:2018/09/20)
発達障害と間違えられやすい"見えにくさ"の正体。『アーレンシンドローム 光に鋭敏なために生きづらい子どもたち 』
生まれながら光に対して鋭敏な感覚がある「アーレンシンドローム」に焦点を当てて、筑波大学人間系教授の熊谷恵子さんが、当事者の見えにくさや対策について解説しています。
この本では、当事者の声もたくさん紹介されています。「アーレンシンドローム」はまだ医学的な診断名や症候群の名称がありません。認知が不十分なため、ASDの感覚過敏や学習障害といった発達障害とも間違えられやすく、正しい対応をされないことで生きづらさを抱えているケースもあるそうです。アーレンシンドロームの人の見えにくさの実態を理解したり、対応するためのヒントが見つかるかもしれません。(発行:2018/09/20)
開発者が解説する新しい発達障害の評価尺度の可能性─『MSPA(発達障害の要支援度評価尺度)の理解と活用』
MSPA(エムスパ:発達障害の要支援度評価尺度)開発の中心となった精神科医の船曳康子さんが発達障害者の支援の現状から、MSPAの開発経緯、有効性などを解説しています。
MSPAは発達障害の診断を行うためではなく、一人ひとりの生活上の困りごとの要支援度を評価するもの。
誰が見てもすぐ分かるように困りやすい特性とその程度がレーダーチャートで表記されます。現在は、評定者の研修と普及が進められているそうです。発達の相談を受けた学校や地域の窓口でMSPAが行われるようになれば、より早く一人ひとりを適切な支援につなぐことができるのではないかと期待されています。
早期支援や小中学校での支援への活用のあり方などについて、臨床心理士らのコラムもまとめられています。(発行:2018/10/20)
掃除も片づけも習慣化で気持ちよく過ごそう!『実践式片づけノートBOOK』
空間心理カウンセラーとして活動している伊藤勇司さんが、多くの人の汚部屋環境を改善してきたノウハウを実践できるノートブックです。
発達障害のある人の困りごとの中に、「片付けが苦手」というケースがあります。収納術の解説だけでは実際に取り組むのが難しかったという人も、ワークを通して自分の心の癖と向き合うことで、続けていきやすくなるかもしれません。
さらに継続したいことができたらシールを貼っていくトークンシートのような特典もあります。
21日間続けると1枚のイラストになるので、続ける楽しみができますね。(発行:2018/09/15)