子育て情報『「オウム返し」だってコミュニケーション!特訓の果てに気づいた自閉症息子の、伝えたい気持ち』

2019年2月7日 07:00

「オウム返し」だってコミュニケーション!特訓の果てに気づいた自閉症息子の、伝えたい気持ち

私と息子は、うどん屋さんで昼食をとっていました。そのとき、あと一本、うどんの切れ端が残っている器を、店員さんが下げようとしました。息子は”まだ、この一本を食べたいのだ!器を下げないでくれ!”という状況に追い込まれました。そして「まだ、食べる!」と叫んだのです。店員さんは慌てて器を戻しました。

この経験をきっかけに「要求を叶えるためには言葉という便利なものがあるんだ」と理解したのか、徐々に、例えば「カレーライス食べたい」としゃべるようになってきました。


オウム返しでも、心がこもっている

「オウム返し」だってコミュニケーション!特訓の果てに気づいた自閉症息子の、伝えたい気持ちの画像

Upload By 立石美津子

オウムに「おはよう」と声をかけると「おはよう」と答えてくれます。でも、そこに心はこもっていないでしょう。


人間が「おはよう」と言っても、オウムは「おはよう。今日の予定は?」「昨晩は良く眠れた?」と言う風には反応はしてくれないので、会話が続きません。

息子は現在、18歳。今でもオウム返しをします。

母「行ってらっしゃい」と見送ると
息子「行ってらっしゃい」と元気に手を振りながら玄関から出ていきます。
でもオウムとの決定的な違いは、言葉はオウム返しでも心がこもっていることです。

オウム返しの「行ってらっしゃい」でも、ちゃんと意思表明してくれます。そこに心があるのが感じられます。
こんな息子を毎朝、笑顔で「行ってらっしゃい~」と見送っている、親バカな私です。


親が望む言葉に囚われないで

私の身近に18歳になっても言葉がない子がいます。その子は自閉症ではありません。でも、その身振り手振り、表情でしっかりコミュニケーションが取れる子です。「これも言葉の一つなんだな」と感じています。

ある自閉症のお子さんは、いつもは“要求語”しか発しないのに、先日はじめて、美しい満月を見あげながら「つき…」と言ったそうです。満月をきれいだと思った感性や、それを伝えようとしたこと(共感)を感じて、お母さんはすごくうれしかったそうです。息子は、要求があるときはたくさんしゃべりますが、会話のやりとりを続けることはまだなかなか難しい状況です。
でも、あまり「言葉!言葉!」と焦らないで、その人にとってのそれぞれの言葉、親として見守ってやりたいと思っています。


日本語って、難しい?

息子のオウム返しがのり移ってしまい、息子が帰宅した時、つい私のほうから
母「ただいま」

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