10年不登校だった僕は、ゲームに人生を救われた――24歳起業家が伝える「生かすも殺すもあなた次第」
ゲームは人生の役に立つってホント?
はじめまして。コラムニストの小幡和輝(おばたかずき)と申します。
僕は子どものころ約10年間を不登校として過ごしました。正直、学校に楽しい思い出はありません。
そんな僕がハマったのはゲームでした。
1日に10時間以上。合計で30000時間を超えるほど、ゲームに没頭していました。僕はこの経験があったから、自分の人生が豊かになったと考えています。
ゲームからたくさんのことを学びました。今回はそんなお話ができたらいいなと思っています。
僕のことを先に知ってもらわないと、あまり信用してもらえないかとも思いますので、自分のことをもう少しお話ししておきますね。
僕はいま24歳で自分の会社を経営しています。地域の文化を発信したり、イベントを作ったり、地域活性化に関わる仕事をしています。起業したのは18歳で、現在で7年目。最近では内閣府から『地域活性化伝道師』という肩書きもいただきまして、最年少の地域活性化の専門家ということでお仕事をしています。
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いまとにかく人生が楽しいです。
この土台は「ゲームが作ってくれた」と確信しています。
ゲームをネガティブに考えずに、人生を豊かにするツールとして活用してほしい。
ですが、それを生かすも殺すもあなた次第なのです。
子どもがゲームにハマっても大丈夫なの?
子どもはゲームをいっぱいやりたがりますよね。この記事が、保護者としてゲームとどう向き合っていけばいいのかの参考になれば嬉しいです。
僕はよく子育ての相談を受けるのですが、ある日こんな相談を受けました。
「うちの子どもはゲームばっかりやってるんです。せめて囲碁とか将棋にハマってくれたらいいんですけど…」
「お母さん。
囲碁や将棋もゲームですよ…」
ここで保護者の皆さんがいう「ゲーム」というのはテレビゲームやスマフォゲームのことを指しています。ですが、広義の意味では、囲碁や将棋はもちろん野球やサッカーなどのスポーツも『ゲーム』です。
どうも「ゲーム」という言葉のイメージであったり、なんとなくダメなものという印象を持たれている方が非常に多いので、まずはその誤解を解いていければと思います。少し自分の話に戻りますね。
僕は不登校でした。学校に行かなくなって、人との関わりも少なくなってくる。そんな中で僕を救ってくれたのがゲームでした。
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ゲームを通じて友達ができたんです。
僕は30000時間以上ゲームをしてきました。しかしそれは、たった一人でゲーム機に向かっているのではありませんでした。常に”誰かと一緒に遊んでる時間”だったんです。遊ぶ相手は、同じく不登校の同世代や、ときには世代を超えた社会人も。僕にとって「ゲーム」とは人と人をつなぐコミュニケーションツールでした。
勉強も運動も苦手だった僕にとってゲームは自己肯定感を高めてくれるものでもありました。中学時代には大会に出場するようにもなり、さまざまなタイトルで優勝したりして、全国大会に出場することもできました。ゲームのコミュニティでは、僕のことを「不登校の小幡くん」として見る人はいません。
この場所では「ゲームが強い小幡くん」です。
最近のeスポーツの流れはとてもいいなと感じています。ゲームが強いことで尊敬される人が増えるというのはとても大切なことだと考えています。
ゲーム依存症の定義を知っていますか?
ゲームにハマることをそのまま依存症と繋げる方が多いのですが、依存症についての正しい理解が進んでいないように思います。
WHOでは、「普段の生活が破綻するほどの」ゲームへののめり込みを指すものをゲーム依存症(※)と定義しています。
僕の場合は友人と遊ぶためのツールとしてのゲームであるため、ゲーム依存症ではなかったと考えています。
もちろん、家の中に引きこもり、昼夜逆転して、ひたすら1人でゲームをやり続けるというのはゲーム依存症かもしれません。でも、ゲームをたくさんやっているからといって、そのすべてがゲーム依存症ではないと思うので、保護者の皆さんはお子さんに、もう少し広い視点と、正しい環境をつくってあげてほしいと思います。
ゲームをすると学力が下がるという話もありますが、それは単純に勉強時間が少なくなっただけですよね(笑)。ゲームは間接的な原因であるはずなのに、なんでもかんでもゲームのせいにされている状況には、僕には違和感があります。※WHO(世界保健機関)は、『ICD-11』において、ゲームのやり過ぎで日常生活に支障をきたす依存症を「ゲーム症・障害」という疾患と認め、2019年5月の総会で承認する見通しであることを2018年6月18日に発表しました。2019年5月20日、WHOの年次総会がジュネーブの国連欧州本部で開幕し、オンラインゲームやテレビゲームのやり過ぎで日常生活が困難になる「ゲーム障害」を新たな依存症として加えた「国際疾病分類」最新版が28日までの会期中に採択される予定です(2019年5月22日現在の状況)
ゲーミフィケーションという考え方
ゲームと教育の相性は非常にいいと思います。楽しみながら学ぶことで、スラスラ入ってくるという経験はみなさんにもあるのではないでしょうか。
僕自身、ゲームからたくさんのことを学びました。
いま地域の文化の発信や地域活性化の仕事に関わっていますが、そもそも最初に興味を持ったのは戦国時代を舞台にしたゲームからです。ゲームを通じて、日本文化や歴史が好きになって、それがそのままいまの仕事に繋がっています。
中学時代にカードゲームにハマったのですが、僕はよくカードゲーム専門店に出入りをしていて、大会の運営にも関わるようになりました。そのときの経験があったから、18歳でイベントを主催したときも抵抗がなく、そのまま会社をつくることができたのだと思います。
僕にとってのゲームは人生を豊かにしてくれたツールです。しかし一方で、異常な課金や依存症など、ゲームによって人生を破滅させてしまう場合もあります。
つまり、「生かすも殺すもあなた次第」なのです。
今回書いたものはほんの一部。他にもいろんな視点でゲームの魅力を書いた本が今日発売されました。
ゲームの「良い面」やその効果について、実体験を踏まえて一つひとつ丁寧に解説しています。 また、脳科学者の茂木健一郎さんをはじめ、さまざまなの分野の識者との対談を通じて、ゲームの魅力や効果をあらゆる側面から考察しました。もしよければ手にとってみてください。
ゲームをネガティブに考えず、広い視点を持って、その魅力をぜひ最大限に活用してほしいです。ゲームはたくさんのことを教えてくれる「ツール」だから。
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