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母の前でだけ荒れる娘――警察への電話を踏みとどめてくれた先生の一言。ギリギリな毎日で記憶すら曖昧な、娘の高校時代のこと

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今でこそ


社会人2年目の娘。

母の前でだけ荒れる娘――警察への電話を踏みとどめてくれた先生の一言。ギリギリな毎日で記憶すら曖昧な、娘の高校時代のこと

Upload By 荒木まち子

今はそれなりに落ち着いて過ごしている娘ですが、過去には荒れていた時期がありました。

記憶と記録がほとんど残っていない


娘は高校2年の時“学校では問題なく過ごしているのに帰宅後はイライラし、ちょっとしたことでキレて物を壊したり暴れたりする”状態が半年ほど続きました。

あの頃私が一番辛いと感じたのは、娘が暴れるのが私の前だけで、父親が帰宅すると大人しくなることでした。

実はこの頃の私の記憶は曖昧です。

私はよく起こった出来事をメモやノートに記録するのですが、この時期はその余裕すらありませんでした。せっぱつまっていたので、支援者とのやり取りもメールではなくほとんど電話でした。

覚えているのは、娘が学校から帰ってから22時過ぎに主人が帰宅するまでの数時間と、主人が仕事で不在の時の休日は「生きた心地がしなかった」ということだけです。


唯一記憶に残っているのは


ある日、娘が激しく暴れました。

娘は衣装ケースを次々に投げ、中身は散乱しプラスチックのケースは割れました。娘が蹴飛ばした扇風機はカバーが外れ羽根が折れました。私が制止しようとすると娘の行動はますますエスカレートします。

主人とも連絡がつかず、ついに私は警察に電話しようと思いました。

私は警察に電話をする前に、念のため学校に「娘が暴れて私一人の手に負えない。これから警察に電話をしようと思う」ということを連絡することにしました。

母の前でだけ荒れる娘――警察への電話を踏みとどめてくれた先生の一言。ギリギリな毎日で記憶すら曖昧な、娘の高校時代のこと

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電話が通じなければそれは仕方ない。
もし留守番電話になっていたらメッセージを入れておこう。

そんな気持ちで私は学校に電話をしました。

すべては偶然のタイミング


その時、学校には先生がいました。

電話を受けた先生は私に、

「お母さん、少し待って。」
「連絡が取れるかわからないけれど、誰か話をしたい先生はいますか?」

と言いました。

私は、娘がよく悩みを相談していたの高校1年の時の担任の先生の名前を伝えました。暫くするとその先生から電話がありました。その時自分が何を話したのか、詳しくは覚えていませんが「とても辛い」と伝えた記憶があります。

先生と話をして踏みとどまれた


先生は私に言いました。


「お母さん、電話してきてくれてありがとう。」

〝前年度の担任なのに。
有難いのは私のほうなのに。”

先生と話をし、私は警察に電話をするのを踏みとどまることができました。

後にも先にもこの時だけ


その後も娘が荒れることはありましたが、私が警察に電話をしようと思ったのはこの一度だけでした。

地域活動ホームの相談員さんからのアドバイス


中学3年の時から余暇支援活動の場として利用していた地域活動ホームの相談員さんのアドバイスを受け、娘は「レスパレイトとしてのショートステイ」を利用することにしました。

私達はショートステイ利用の事前準備として

・施設の見学
・相談員さんとの定期的な面談
・病院で健康診断受診
・ショートステイの事前予約

といった手順を踏んでいきました。

でも記録を残す余裕がなかったので、実はこのあたりの時系列は曖昧な部分が多いです。

質問されても


なので今もし誰かに「どうやってその時期を乗り越えたのか具体的に教えて欲しい」と言われても、「医療機関、学校、放課後デイサービス、地域活動ホーム、レスパレイトとしてのショートステイ、こども食堂、先輩お母さんへの相談など、あらゆるところを頼った。
当時はともかく必死で、実のところよく覚えていない。」というのが正直なところです。

普通に会話が出来ることの幸せ

母の前でだけ荒れる娘――警察への電話を踏みとどめてくれた先生の一言。ギリギリな毎日で記憶すら曖昧な、娘の高校時代のこと

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今でも娘は体調や感情に波がありますが、暴れるとこはなくなりました。レスパレイトとしてのショートステイの利用もしていません。

我が子と普通に会話が出来る。そんなあたり前ともいえることにも私は幸せを感じます。

記憶が薄れてしまう前に~ダイアリー機能~


娘が20才を迎えるにあたり、我が家では障害年金の申請をしました。(次回コラムで詳しく書きます)
最近、発達ナビのダイアリー機能が始まりましたが、そういった『簡単に記録が残せるツール』の活用は有効だと思います。

もしあの頃ダイアリー機能があったらどだったかな?
自分の気持ちを整理するのに役立ったかな?
娘の障害年金の申請は、もっと楽になったかな?
それともやはり記録する余裕すらなかったかな?

そんな事を考える秋の夕べです。

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