小学校見学で母の不安は晴れた!発達障害むっくんに合う学級は…?体験授業を終えて、親子で出した答え【就学相談後編】
前回までのあらすじ
むっくんが小学校進学後に在籍する学級に悩み、就学相談を受けた私たち。
むっくんの特性を客観的に考え、担当者との面談を経て、「むっくんに用意したい環境」をイメージすることができるようになりました。
小学校訪問
そして、いよいよ小学校訪問です。当日は私、夫、むっくんの3人で小学校を訪問。
校長先生とゆっくりと話す機会はなかなかないので、貴重な1日になりました。
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自閉症・情緒障害特別支援学級の見学
むっくんの小学校は自閉症・情緒障害特別支援学級2クラス、知的障害特別支援学級が1クラスあり、定員は各クラス8名、先生は5名につき1人という規定で運営されていました。
まずは特別支援学級3クラス合同の体育の授業を見学。1年生から6年生まで、情緒障害特別支援学級の子も、知的障害特別支援学級の子も交ざっての体育は発達や感覚統合の考え方を取り入れてある内容もあり、見学して初めて小学校でもこういう取り組みがあることを知りました。
次に自閉症・情緒障害特別支援学級の教室の見学です。教室にはあちこちに子どもたちのための合理的配慮が取り入れてあり、TEACCHを使った支援が掲示してあったりと、工夫の様子を見ることができました。これらは話だけでは分かりえなかった情報で、見学することはとても大切だと感じました。
むっくんの通う小学校は特別支援教育にとても力を入れている様子で、校長先生自身も発達障害に対する知識をしっかりお持ちで、質問に対しても専門的に回答していただくこともできました。
ここまで熱心に取り組んでくれている小学校もあるのかと、涙が出るくらい嬉しく同時にとてもホッとしたのを覚えています。
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通常学級の見学
通常学級の見学ではむっくんも授業に参加させてもらい、楽しい時間を過ごすことができました。
発達障害の勉強をされていらっしゃる先生も、まだ経験不足を感じる先生もどちらも見ることができ、先生によってクラスの雰囲気が異なる様子を体感。これはむっくんの進路を考えるうえで大きな情報になりました。
知識のある先生のクラスでは、できる限りの環境調整もしてあり、通常学級での努力も知ることができました。ひょっとしたらむっくんは通常学級に通うことができるかもしれないなぁとも感じましたが、なんとか通常学級に適応できたとしても集団活動に苦手意識のあるむっくんにとってその環境が幸せなものであるかは疑問だとも思いました。
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進路決定
学校からは、
「どちらに決めてもいつでも進路を変えることはできる。しかし年度途中で通常学級から特別支援学級に変更する場合、先生の人数を急に増やすことは難しいので、理想的な環境をすぐに用意できないケースもある。逆に特別支援学級に籍を置いて、ほぼ100%通常学級に通う子もいる。こちらのケースの方が学校としては環境は整えやすい。」
という運営上の事情も正直に教えていただきました。
おかげでむっくんの小学校では通常学級よりも、特別支援学級のほうが汎用性が高いことも理解できました。
以上を踏まえて、現在のむっくんに少人数でひとりずつ向き合ってもらえる特別支援学級の方が向いていると確信しました。
相談しやすい小学校の雰囲気を感じ、成長による変化があればまたその時々で相談しようと思えたことで私の気持ちも楽になりました。
そして何より、特別支援学級の丁寧な運営が「私も通いたかった!」と思うほどだったことで、私は安心してむっくんの進路を自閉症・情緒障害特別支援学級に決めることができました。
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むっくんの気持ちを確認する
私の気持ちが決まっても、通うのはむっくんです。
私とむっくんは「どちらに通いたいか?」という話を学校訪問前から度々交わしており、むっくんの気持ちは「今は自分で決められない」ということだと確認してありました。見学後もむっくんの気持ちに変化はないよう。そこで、私の思いを正直にむっくんに伝えました。
すると、むっくんなりに理解してくれたようで、お互い納得のうえ、1年生は特別支援学級の希望を出すことになりました。
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就学相談を終えて
ここ数年、私の頭の中はむっくんの小学校での進路でいっぱいでした…。
今思えばあれこれ考えるよりも早く見学に行っていたらよかったなぁと思います。百聞は一見に如かずとはよく言ったもの。
実際見学し、先生方と直接不安について話せたことで、頭の中で思い描いてたモヤは晴れ渡りました。
子どもにとって良い選択を、と求められたところで、その答えはずっと先にならないとわかりません。
特別支援学級にした方が良いと言われながら通常学級にきめることもありです。
また通常学級と言われながら特別支援学級にすることもありです。
もっとほかの道を模索することもありです。
違うなぁって思ったらまたそこで立ち止まって考えたらいいと思っています。
私は特別支援学級と決めましたが、今後問題が起こらないわけでもないし、そもそも集団が苦手なむっくんが小学校に通い続けるかすらわかりません。きっとむっくんの小学校生活は驚くような出来事でいっぱいで、その度に先生たちと相談し合うことになると思っています。
だけど、私が自分でしっかりと考えて決めたのだからこれがいいのだ。何が起こってもなんとかなる!という覚悟をきめて、私なりにむっくんの小学校生活を支えられるよう頑張っていきたいと思っています。