愛あるセレクトをしたいママのみかた

漫画でわかる「親なきあと」本や、発達ナビのコラムも人気・楽々かあさんによる「声掛け変換」がわかる本、ディスレクシアの子が楽しくまなべる注目の2冊など、今読みたい本がずらり

LITALICO発達ナビ

親なきあと障害があってもこれで安心!『まんがと図解でわかる障害のある子の将来のお金と生活』


この本を執筆した渡部伸さんは、障害のある方の家族の不安を少しでも軽くしたいと「親なきあと」相談室を主催して、講演やメール相談など、様々なかたちで情報を発信しています。

執筆のきっかけは、そんな著者に届いた一通のメールでした。そのメールには、「先生の本は文字が多く、理解するのが難しい」といったことが書かれていました。そこで渡部さんは、文章をできるだけ少なくし、まんがと図解によって制度を説明することにしようと執筆をすすめ、この本が生まれたそうです。渡部さんは、「気軽に読みながら制度のおおまかな内容をおさえてほしい」と語っています。

この本では、「親なきあと」について、家族が抱えがちな4つの不安に焦点をあてています。その4つとは、「お金に困らないか」、「お金が管理できるか」、「どこに住むのか」、「サポートは誰がしてくれるのか」です。渡部さんはそういった課題に対して、利用できる制度や、やっておきたい手続きについて図やイラストを用いてわかりやすく解説しています。
「親なきあと」について検討をはじめたい、もしくは深めたい親御さんにおすすめの一冊です。

ひらがなを楽しく覚えるための工夫がいっぱい!『ひらがなものがたり』


この本の著者のさとうともこさんは、小学校教員。2歳で自閉症と診断された次男の療育について書いた「自閉症の子とたのしく暮らすレシピ」の著者でもあります。小学校の先生として、ひらがなを教えてきた実践の中から、この絵本は生まれました。作中には、ひらがなを楽しく覚える工夫がいっぱい詰まっています。

本書は物語調で展開されています。お話は、子供が大好きな冒険物語。物語にそって1文字ずつひらがなが登場することで子どもが物語と関連付けながらひらがなを覚えられるようになっています。
また、絵本の各見開きの欄外には、大人が子どもにひらがなを教えるときのヒントが書かれているほか、付録として保護者と指導者向けのリーフレットがついています。

ここには、ひらがなを書けない・覚えられない子の存在についてと、指導者向けに教えるときに大事なことが書かれています。子どものやる気を引き出すために、もし間違えて書いたとしても、直すときには×を使わず、惜しいときには「ちび丸」にするといった指導のコツが紹介されています。ひらがなを書くことや読むことに苦手意識のあるお子さんにオススメの一冊です!

ディスレクシアについて理解して、「読む」トレーニングができる「読むトレGO!」


本書は、大きく2つの内容で構成されています。前半は【かいせつ編】。ディスレクシアとは何なのか、どういうトレーニングが必要なのかという解説です。後半の【トレーニング編】はドリルのような実践編。ひらがな、カタカナ、漢字入り語句、同音異義語、四字熟語、そして「腕試し」として中学生以上の内容も収録しています。
また、Nintendo Switchのゲームソフトと連携しており、楽しみながら続けることができるようになっています。

著者である平岩幹男先生は、自閉症スペクトラム障害の子どもをたくさん診てきた小児科医です。先生が診てきた中には、読むことに困難さのある子どもたちも数多くいました。ディスレクシアは人口の数%いると言われていますが、広く認識されているとは言えません。それゆえに対応がどうしても精神論によってしまい子どもも苦しい思いをしてしまいがちです。

平岩先生はそんな現状に対して、まずディスレクシアというものに気づくことが大切だと語っています。そのうえで、「きちんとやりなさい」といった声かけではなく、系統立てた練習が必要だと言います。文字を読むことが苦手なお子様にぜひお試しいただきたい一冊となっています。


ことばの語用障害について詳しく解説!『子どもの「コミュ障」』


本書では、2017年3月に金沢大学を定年退職し、現在は同大学子どものこころの発達支援センターで特任教授を務める大井学さんが子どもの「語用障害」について解説をしています。

タイトルで「コミュ障」という言葉が使われていますが、著者は第1章のなかでこの「コミュ障」を「語用障害」と定義しています。統計から子どもの場合は、発達障害・言語障害のある子どもの語用障害と、障害のない子どもの語用障害が起こる範囲が重なっている部分が大きくあり、発達障害と診断はされないかもしれないグレーな子どもにも、「コミュ障」はみられると大井さんは語っています。

本書は、実際にあった事例をもとに、子どもの「コミュ障」自体を問題にするのではなく、コミュニケーションに特性がある子どもが「生きづらさ」を感じないためにどうすればいいのかという点について、周囲はどういったサポートができるのか、どういった環境をつくってあげることが望ましいかなど、詳しく説明されています。まわりとのコミュニケーションでつまずきのあるお子さまをお持ちの保護者さまにぜひともよんでいただきたい一冊です。

親子のコミュニケーションの参考に!?『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』


本書の著者は、自身も3人の子どもを育てる傍ら、発達障害&グレーゾーン子育てのコツを発信する活動をしている「楽々かあさん」です。本の中で、著者の「楽々かあさん」は、自身も以前は子どもたちに怒ってばかりで公開を繰り返す日々を過ごしていたと語っています。しかし、独学で試行錯誤をしながら、子育て方の実践や軌道修正を繰り返していくなかで、怒らなくてもちゃんと伝わる声かけや工夫があることがわかったと言います。
声かけ変換はそんな著者の工夫をまとめた一冊です。

構成としては、序章とエピローグは親の心の準備とケア、1章から5章はおおまかに子どもの心身の発達段階にあわせて、それぞれがStep順に読み進められるようになっています。

本書ではすべての声かけについて、子育ては「イライラするもの」、親は「つい怒ってしまうもの」ということを前提にして書かれています。著者は子育てについて、何年も何十年も、子供が自立できる日まで続けるものだから、長期戦を前提に「無理せず続けられる」ことが重要だと語ります。

親子のコミュニケーションでお悩みを抱えている保護者の方にぜひともお読みいただきたい一冊です。

提供元の記事

提供:

LITALICO発達ナビ

この記事のキーワード